066:オブザーバー
お待たせしました。
いつもリアクション等ありがとうございます。
二週間ぶりの更新になります。お楽しみいただければ幸いです。
玲、颯希、美玖の三人と共に、なんとなく恒例化しつつあるランチミーティング。今日は、オレたちチームの今後について相談するため、三人に集まってもらった。
「ダンジョンのアイザワからのサポートが決まったため、そろそろ達観してチームを見ることができるメンバーを迎えることを考えてるんだけど、みんなの意見を聞かせてもらえるかな」
とりあえず、オレの思いのたけをぶっこむ。
「それは、チームメンバーとしてダンジョンに同行する者ではないということでございましょうか」
玲は、知らない人材をメンバー入りさせるのに抵抗があるようで、まずはその確認をする。
「ダンジョンに同行させるつもりはないかな。オレが考えている人たちは、そっち系に全く才能がないんで。ダンジョンの知識でチーム活動のサポートをしてもらうって感じかな」
「人たち、というと複数名でございますね」
「うん。博士とオニクの二人。まあ、オニクはオマケみたいなもんだけどね」
メンバーが誰なのかを聞き、思案する玲。
颯希はオレの話に興味がないらしく、自分のネイルを空にかざしみる。
美玖もあんまり興味を示さず、持参のお弁当を広げ食べている。
「まあ、よろしいのではないでしょうか」
「じゃあ、今日の放課後に部室へ呼ぶけどスケジュール的には大丈夫?」
「問題ございません」
「あーしもおっけー」
「私も大丈夫」
話しもまとまったので、みんなで昼食タイムになったんだけど、相も変わらず距離感がおかしい。
玲と颯希は、身体をオレにピッタリと寄せて座り、オレは全く身動きが取れない状態。
美玖はそこには参戦せず、お弁当を黙々と食べている。
三人の中で一番『依存協調』の数値が高いはずの美玖が、一番自分のコントロールが出来ているんだよね。
数値が上がると安定するのか? それとも個人差とかなのか?
「輝様、はい、あーんでございます」
「あーん」
玲が持参したお弁当・・・・・・というか、高そうな重箱に詰めた超高級料理。
その中からステーキを一切れ箸で挟み、輝の口元へと寄せる。
ぱくっっと一口。もぐもぐもく。
うまぁぁぁ! 肉汁が口の中に広がった!
こんなに美味しいお肉なんて食べたことがないよ。この一切れだけで、どんぶり一杯のご飯がいけそうだ。
「玲、美味過ぎなんだけど」
「嬉しゅうございます。では、次は何にいたしますか」
「米っ! ごはん一択!」
「うふっ。では、お米にいたしましょうか」
口を開けて待っていると、颯希が乗り出してきて・・・・・・。
「今度はあーしの番。あーしのパンをお食べっ!」
そういいながら、颯希が購買で購入したクリームパンを一口大に千切って、口の中に
放り込まれる。
「颯希! 食い合わせが~」
「うふふふ。颯希様、さすがにステーキの後にクリームパンではお可哀想ですわ」
そう言うと、今度は玲からご飯を口に放り込まれる。
うへぇ。クリーンパンの後に、今度はお米かよ・・・・・・。
「玲っちも大概だぞ・・・・・・」
こうして、カオスのお昼休みは過ぎていく・・・・・・。
☆☆☆
放課後の部室。
玲、颯希、美玖、それとアイさんを前に、赤面しながらもじもじしているオニクと博士。
三美姫+アイさんを前に緊張するのは分からなくもないが、もじもじするのは流石にキモいわ・・・・・・。
「それで、何故にそれがしは呼ばれたのでしょうか」
「僕も同じくなんですが!」
呼ばれた理由も分からないために、動揺しているってのもあるのかな。
それなら・・・・・・。
「実は二人にお願いがあって・・・・・・」
博士とオニクの二人に、チームのオブザーバーになって欲しいと打診する。
打診すると共に、ダンジョンのアイザワから全面的にサポートを受けられることや、スキル操作による有益性とそれによるパーティメンバーの強さ。今後もスキル向上が見込まれること。これからのダンジョン探索を行うスピード感等。
機密保持契約を交わす前なので、さわりの情報だけだが、参加するかの判断ができる程度の情報は共有した。
当然ながら、スキル操作の行い方は共有しなかったけどね。
「オブザーバー・・・・・・ですか?」
「当面は相談役みたいな感じかな。オレたちが挑戦するダンジョンの事前調査や、攻略ポイントの精査とかかな」
「なるほど。ダンジョン探索の前日までに。情報をまとめればよろしいですかな」
オレはそれで問題ないと思っている。アイさんを含めた女性四人を見ると、全員同意している様子。
博士とオニクに向けて、オレも頷く。
「概ね、何をするのかは把握しました・・・・・・。それがしは是非参加したいですな」
博士は、ほぼ二つ返事で同意した。雰囲気的には、かなりノリノリな感じだ。
オニクは・・・・・・。
「僕なんかの知識が、お役に立つのでしょうか」
オニク自身は、ダンジョンに関して、博士ほどは詳しくないため、少し躊躇している感じか。食べ物系のドロップ品については特化してるんだけどね。
しかし・・・・・・。
「確かにオニクは、博士ほどの幅広い知識はないとは思うけど、二人の視点が全く違うから、二人が揃うことで、考えの幅が広がると思うんだよね」
「そうですな。オニク殿とダンジョンの話をしている時、自分では考え付かない発想に驚かされることが多々ありますからな」
少し考えるオニク。
「そういうことなら、僕も参加させてもらうよ。うへへへっ」
何だよ。さいごのうへへへっって笑いは。
玲、颯希、美玖、アイさんから参加してもらえるかどうかの心配の視線から、その笑いのせいでドン引きの視線に変わっているんだけど・・・・・・。
正直、オレも思わずキモっと口にするところだったし。
とにもかくにも、本日この時を持って、新生黄昏の月の第一歩を踏み出すのであった。
まあ、部員が2人増えたってだけなんだけどね。




