↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキル操作で現代ダンジョンを生き抜く!  作者: ももんが
第三章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

44/78

044:騒乱の会場

いつもお読みいただきありがとうございます!

楽しんでいただければ幸いです。


※7/16更新しました

 少し話はさかのぼる。

 会場のメインモニターには、『赤城サンブレイク』がビッグスパイダーと戦う様子が映し出されていた。


『赤城サンブレイクのリーダーが見事な攻撃! ダメージを受けたビッグスパイダーは、どうやら一旦回避するために、洞窟状の穴の中へと待機したようです!』


 ダメージを受けたビッグスパイダーが、穴の中へと撤退していき完全に身を隠した様子が映し出されると、会場で観戦している人々のどよめきと歓声が広がっていく。


 逃走したのか一時的な退避なのかは分からないが、赤城サンブレイクのメンバー5名は再戦に備え準備をしていると、黒原たちのチーム『堕天使の翼』が近づき、何やらスキルを使用する。

 その数秒後、ビッグスパイダーが隠れた先と思われる場所から轟音が響き渡り、ビッグスパイダーが逃げ込んだ洞窟状の穴からは煙が噴き出してくる。


『これはよろしくありませんね。他チームが交戦中の魔物に対して攻撃し、横取りの行動をとったと判断される可能性がある行為です!』


 会場では、その行為に対してブーイングが広がる中、ドローンの映像には、ビッグスパイダーが隠れていた穴から飛び出してくる姿が映し出される。

 その状況に『赤城サンブレイク』『堕天使の翼』共に攻撃態勢に入るが、さらに同じ穴からビッグスパイダーより一回り小柄なスパイダー系の魔物も飛び出し、会場は一気に盛り上がり、それを煽るようにアナウンサーはテンションを一段上げて実況する。


『おおっと! ビッグスパイダーに続いてポイズンスパイダーまで現れました! どうやら穴の中に潜んでいたようです!』


 二体の魔物に対しようと身構える『赤城サンブレイク』と『堕天使の翼』のメンバーたち。ところがビッグスパイダーとポイズンスパイダーは、人間を襲うことなく横をすり抜けて逃走していく。


『おや? い、一体どういう状況でしょうか……。魔物たちは戦闘せずに、全員の脇をすり抜けていきました』


 その状況に『赤城サンブレイク』『堕天使の翼』のメンバーは唖然とし、逃走する魔物たちを見送っていると、魔物たちが飛び出してきた穴から、もう一体の魔物が飛び出してきた。

 ビッグスパイダーよりもさらに大きくごついスパイダー系の魔物だ。


『こ、こ、こ、これは、まさかヒールスパイダーか!?』


 実況者は出現した魔物の姿に驚愕し、絶叫しながら魔物名を告げる。

 本来ヒールスパイダーの出現階層は、この階層より二階層下だ。しかも、二階層下でも相当出現は稀で、その階層まで辿り着ける探索者でも、討伐出来るかどうか分からないボスクラスの魔物だ。

 この階層を探索するレベルの探索者の装備では、到底太刀打ちできる相手ではない。

 ヒールスパイダーにダメージを与えるほどの装備は、高額過ぎて入手することはほぼ不可能なのだ。


 ヒールスパイダーの登場で、会場の雰囲気は一変する。


『この階層にヒールスパイダーとは!? 本来この層では登場しない魔物の登場で、各チームは無事にダンジョンを脱出できるのでしょうか!』


 会場でモニターを観戦していた博士とオニクも困惑する。


「これって大丈夫なんでしょうか」

「さっき、この階層に輝くんたちのチームも侵入していたよね」


 その隣で観戦していたアイさんは、その会話をよそに携帯でどこかへ連絡を入れる。


「はい、はい……。では、早急に準備いたします」


 すっと立ち上がり、近くにいた藍澤さんのインターン先のリーダー上杉さんへと伝える。


「上杉様。救援のため招集がかかりましたので失礼いたします」

「了解した。ということは、俺にも召集が掛かるはずだな」


 そう言いながら立ち上がると、そのタイミングで上杉の端末へ招集通知が届いた。

 それに気が付いたアイさん。


「では、後ほど入口で。博士様、ニクオ様、本日はこれで失礼いたします」

「はい、お気をつけて」

「ニクオ……。微妙に僕の名前が違うんですが……」


 そう言い残し、アイさんはダンジョンへ入る準備をするため、ダンジョンのアイザワが用意した控室へ向かった。


 川越ダンジョンをベースにしている藍澤さんのインターンでもある上杉さんも、駆け出していったアイさんに続き、準備のため腰を上げる。


☆☆☆

 準備を終えたアイさんや上杉さんを含めた、総勢十名がダンジョン入口に集合している。その中には、小手指ダンジョンをベースに活躍する、アネゴのインターンである新田さんの姿もある。どうやらアネゴの活躍を見るため、こっそりと会場に来場していたようだ。


「おお! 新田君も来ていたんだな」


 上杉さんも新田さんと知人だったようで声を掛ける。


「教え子の初イベントだからね。上杉君もそうだろう?」

「そうだな。聖女とまで言われている藍澤君が選んだパーティー……どんな活躍をするのか、期待しかないだろう」

「ハハハ、確かにな!」


 集まった上位探索者たちには、ダンジョン内に入った学生たちを救援すべく、作戦実行の指示が通達される。


「皆さん、緊急時で細かな作戦等の指示ができない状態な為、上位の探索者様の各自の判断にお任せしますが、学生たちの救援を最優先でお願いいたします!」


 その言葉と同時に、集められた上位探索者たちはダンジョンへと侵入していく。


「では上杉様、わたくしは先行して最深部へと向かわせていただきます」

「君が先行するなら、救援の成功率は大幅に向上するだろう。よろしく頼む」


 ちらっと上杉に目を向けた後、無言で駆け出しダンジョン内を先行する。どうやら、アイさんは元々、斥候としての能力が飛び抜けていて、かなり名を上げていた探索者だったらしい。

 その背には、現役時代から愛用しているショートソード二振りを背負っていた。


☆☆☆

 先行したアイさん。遭遇する魔物も問題なく討伐……ほぼ瞬殺していき、どんどんと先へと進んでいく。

 危なげなく、あっという間に救援対象のB3へと到達する。


(ようやくB3か。とりあえず最短距離を進むか……)


 戦闘していた箇所がどこかは、アイさんは完全に把握していた。

 ダンジョンのアイザワで開発中の、ドローン映像と連動するゴーグルを装着している。今回のイベントは同社が協賛しているため、配信映像をリアルタイムで受信しながら進んでいた。


 アイさんが到着した頃には、『黄昏の月(トワイライトムーン)』もすでに合流しており、黒原による最初の落石が成功し、撤退戦が行われている真っ只中だ。

 最初に落石させた通路の裏側に到着したアイさんは、周辺の様子を伺う。


(あの隙間から向こう側へ抜けられそうだけど、どうやらヒールスパイダーの閉じ込めを狙っているのね。なら、邪魔はしない……えっ?)


 撤退戦を行っている三チームの配信が、途中で切断されてしまったのだ。


(いったい何が起きたの?)


 若干思考したのち、状況確認を行うため、上方にある隙間から向こう側へ抜けようと、アイは岩山を登り始める。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
お読みいただきありがとうございました。 初投稿作品です。お手柔らかにお願いします!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。