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スキル操作で現代ダンジョンを生き抜く!  作者: ももんが


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43/75

043:裏切り

いつもお読みいただきありがとうございます!

楽しんでいただければ幸いです。

※2026/07/09 修正しました

 総勢十五名で撤退のフォーメーションを組み終えると、ついにヒールスパイダーが隠れた穴から再び現れる。


 作戦通り、『赤城サンブレイク』の沼田さんとサブリーダー、そしてオレがしんがりを務め、ヒメがサポートとしてオレたちの後方で待機。

 黒原はその後ろで、岩を落とすためのタイミングを見据えながら後退していく。


 ヒールスパイダーの進路を限定的にするため、まずは北側に抜ける道の上空を爆破するよう黒原に指示をする。

 明らかにオレの指示を不快に感じながらも、指示通り北側へ抜ける通路付近の上部を爆破し、ヒールスパイダーの進行先を塞いでいく。

 隅の方に少しスペースが残っているけど、人が通り抜けられる程度の隙間なので、ヒールスパイダーが通り抜けることはないだろう。

 

「輝くん、少し押し込むぞ!」


 沼田さんはそう言うと、走り出しヒールスパイダーへ近づき、ロングソードの一撃を入れる。切断を狙う攻撃ではなく、後ろに後退させることをイメージしての攻撃だ。


「沼田さん、撃ちます!」

「おうっ」


 掛け声と共に後退する沼田さん。

 そのタイミングでグレネード型散弾を発射し、更に魔力をチャージし2発目も撃つと、思った以上に効果があり、ヒールスパイダーを、黒原が落下させた岩山の辺りまでノックバックさせることができた。


「輝くんナイスだ。今の攻撃でかなり距離を稼ぐことができた」


 おおっ。こういう激励って上がるな。しかも、今後のチーム運営の参考にもなる。

沼田さんもダンジョン歴はまだ一年目のはずだ。それでもこういう声掛けが自然にできるあたり、事前にかなり勉強していたんだろう。


「これで撤退までの時間はかなり稼げたはずだ。先行したメンバーは全員、落石ポイントを越えた。後は俺たちだけだ」


 残るは、オレとヒメ、『赤城サンブレイク』の二人、そして黒原とサブリーダーの井地北。計六人だ。

 この六人がポイントを越え、最後に黒原の爆破が成功すれば、この作戦はほぼ成功となる。

 

「最後の仕上げだ。俺たち二人とヒカル君とであいつを抑えながら撤退する。黒原君たちと藍澤さんは先に落石ポイントを超えて待機してくれ」


 赤城サンブレイクの沼田さんが指示を出す。


「いえ、わたくしは念のため、ヒカル様の後方で、速度を合わせて下がりますわ」

「そ、そうか……承知した」


 ヒメは念のため残るらしい。

 ちらっとヒメを見るが、決意は揺るぎそうにない。本当は先に撤退してほしいんだが、少し後方のポジションならさほど危険はないか。


「それじゃ、俺たちは先に行くぜぇ」


 ヒメが残ると言ったばかりなのに、自分だけ即決で撤退する黒原にはかなりイラっとしたが、まあ残っても邪魔なだけだしな。

 黒原たちが撤退した後、あと十メートルの撤退戦を開始する。


 赤城サンブレイクの二人が攻撃と牽制を行い、その直後にオレがグレネード型散弾でノックバックさせる。

 この連携を何度か繰り返すうちに、ようやく勝機が現実味を帯びてきた。


 そして、この連携を繰り返し、ようやく落石予定のポイントに到達する。ここまでくれば、オレの攻撃だけでなんとか凌げそうだ。


「ここでオレが何発か撃ってノックバックさせたあとオレも後退しますので、三人は先に後方へ退却してください」

「「承知した!!」」


 ヒールスパイダーは、落石予定ポイントまで、あと約三メートルだ。

 つまり、オレとの距離はわずか三メートルほど。

 全長三メートルのヒールスパイダーとこの距離で対峙すると、かなり圧迫感がある。

 だが、怖気づくわけにはいかない。


 後方へと撤退していく三人……いや、二人を見ながらグレネード型散弾を一発発射しMPをチャージする。

 ヒメがオレの後方に張り付き、撤退していない。


「ヒ、ヒメ?」

「最後までフォローいたします」


 オレたちと組む以前からダンジョン経験を積んでいただけあって、肝が据わっている。

 カッケーな。


「うん。ヒメ、任せた」

「了」


 そして二発目を発射し再度MPをチャージ。そのタイミングで異変が発生する。

 今まで、オレたちの行動を撮影して配信しているであろう周辺を飛行しているドローンの動きが不安定になったのだ。

 落下や着陸、不安定な飛行など、視認できる範囲のドローンが一斉におかしな挙動を見せ始めた。


 この動きってどこかで見た覚えがあるぞ……。

 そうだ。自分のドローンが通信切断した時と同じ動きだ。


 いや、今はそんな検証をしている場合じゃない。

 再びヒールスパイダーを攻撃するため、グレネード型散弾を発射しようとしたその時、オレの頭上で爆発音がした。な、なんだ?


「ヒカル様!」


 ヒメの叫び声と共に、続けざまに背後でも爆発音が響く。な、何が起きたんだ?


「く、黒原君!!!」

「ヒカル!!」「ヒカルっち!!」


 オレが撤退するよりも先に、岩は爆破されて落石し、通路は岩で堰き止められて、作戦は成功した。


 オレたちが取り残されたことを除けば。


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お読みいただきありがとうございました。 初投稿作品です。お手柔らかにお願いします!
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