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あちーぶ!  作者: キル
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『亡国の異世界 7つの王国と大陸の覇者』329

 帰宅してログイン。ゲーム内はおおよそ明け方なので、ちょうどよかった。次のログアウトは現実だと夕食!


 蜜柑先輩はすでにログインしているから、挨拶をしてギンガも先輩と同じように、部屋で出来るスキルのレベル上げを行う。当然、細工レベル上げ!


 集中して細工品を作っては素材に変える作業を続けていると、視界の端に茜の尻尾が見えた。それに釣られて顔をあげると、全員が揃ってた。


「みんな居たんだ!」


「ついさっきね」


「お待たせしましたわ」


 窓の外を見るとギンガが入った時よりは明るいけど、すごく時間が経過したわけじゃなさそうだから、みんな近い時間でログインすることができたみたい!


「それじゃ行くか。良いっすよね?」


「もちろん。今日中にイアドの役所で許可が取りたいかな」


「代官屋敷でしたよね」


「そう、それ」


 王笏の封印地へ入るために、最寄りの街のイアドで許可を取りたいからね! あまり遅い時間に訪問しても代官屋敷に入れないと困るから、急ぎめで進まないと!


 宿屋を出て、乗合馬車の駅まで移動。朝から並んでいる人の列に入って、しばらく待つとギンガたちの順番になった!

 もう何度乗ったかわからないルートだから、見慣れた景色が続く。そうだとしても飽きるほど乗ってるわけじゃないから、茜と一緒に並んで外を眺めて時間を過ごす。動物を見かけるだけで、なぜか楽しい!


 気が付いたらネルイの街に到着! 馬車を降りてダンジョンへ移動。ここも慣れた手順で列に並び、ダンジョン内を通過する。


 ダンジョンを出るころには、時刻はお昼より少し前あたり。これならすぐにイアドへ着けそう!


「時短で帰還石使いますか?」


「うん、その方がいいかな。馬車でネプラスかトリストまで揺られるよりは、一気にネプラスに行った方が時間も短縮できるからね」


 適当な路地裏に入って、帰還石を取り出す。茶トラの猫に体毛変化した茜も、薬を服用してから帰還石を口にくわえている。ギンガもすぐに移動しよう!


 転送終了! ネプラスの中央広場に到着したので、街の端にある船着き場を目指す。


アカネ:ちょっとこっち通っていいかな?

モエギ:前を通るだけなら良いよ。気になるからね。


 船着き場への最短の通りではなく、数本外れた通りを目指す。少し進んだところで茜の足が止まり、しょんぼりと下を向いた。その茜を萌黄先輩が拾い上げて、頭を撫でる。


「300年も前だから、仕方がないよ」


 あの場所、確か猫カフェがあった場所だ! もうお店は影も形もなくなっていて、営業していないのがわかる。イロリさんが頑張って店を切り盛りして、王様も来たほどのお店なのに、無くなってるのはギンガも寂しい。周りを見てもそれらしいお店は近くにないから、この周辺からは無くなっているんだろう。


 目的のお店がなくなっていたので、船着き場まで真っすぐ進む。一応、店舗が移転したんじゃないかと思って通りに並ぶお店を気にしながら進んだけど、猫カフェがあるようには思えなかった。


 船着き場に到着し、チケットを購入して列に並ぶ。下流からやってきた船の乗客が全員降りるのを眺める。この船は折り返しで下流へ向かうようなので船に乗り込む!

 そのころには茜も普通の感じに戻っていて、川を下る船から見える景色を一緒に楽しんだ!


 途中にあるターサラの街を船が寄港して、そこから下流のイアドへ向かう。他の国と違って、途中で下船できる港は少なかった。


「降りる場所が少ないね!」


アカネ:村が少ないのかな?


 茜と話をしていると、隣のNPCらしき男性が「砂漠が多くて、住める場所が限られるからな」と理由を教えてくれた。この国は、大きな都市に集中して人が暮らしているらしい。


 そういうものかと思いながら景色を眺めていると、イアドの街が見えてきた!

 言われてみれば、街の広さや規模は王都並みに広い。これでも、さっき通過したターサラの方が規模は大きいのだとか。街の中心は港から少し離れているから、比較が難しい!


「色々ありがとうございました!」


 船を降りるときに、色々と教えてもらった男性にお礼を言って別れる。

 代官屋敷の場所がわからないから、最初は冒険者ギルドで場所を教えてもらうことにした。

 迷うことなく冒険者ギルドに到着! ここのギルドは建物がいくつかに分かれていて、依頼を掲示した建物と、受付や案内所など窓口専用の建物が独立している。今回は案内所側の建物を選んで入ることにした。


「さすがに、騒動は収まってるな」


「まだ臨時の掲示板はあるね!」


 メテオストライクが落ちた時はかなり騒がしかった冒険者ギルドも、落ち着きを取り戻している。それでも、情報収集のための掲示板はまだ機能しているのか、入り口付近に設置されている!


 前回から情報が増えたかどうかはわからないけど、今回は関係ないので読まずに奥へと進む。受付はギルドで受ける依頼の受注や報告をする場所だから、街の案内をしてほしいときは案内所を利用する。


「あれが案内所ね。場所を聞いてくるわ」


「いや、場所を聞くんだからシホだけが行ったらダメだろ。全員で行くぞ」


「そう? 指輪を持っている私が行くべきかとは思ったのだけど」


「それを出すのは代官屋敷で頼む」


 全員で案内所にいる女性に代官屋敷の場所を聞くと、カウンターに街の地図を出して説明をしてくれた。


 代官屋敷の建物は他の建物と同じように階の高さは特別高くないけれど、国旗が入り口に掲揚されているそうなので、教えられた方向へ向かえばすぐわかるって!。

 案内所の女性にお礼を言って冒険者ギルドを離れた。


 代官屋敷は、ギルドから若干離れている。冒険者ギルドがある場所は商業区域だから、屋敷を構えるには騒がしすぎるのかも!


 教えられた移動ルートは、大通りを中心に進むからかなりわかりやすかった。途中で何度か曲がったけど、目印もあったから迷わず進むことができた。


 最後の曲がり角を進むと、国旗と思われる旗が見えた。多分あれが、ネプチュン王国の国旗だ!

 龍と女の子の絵が描いてあって、背景は上へと伸びている波っぽい何か。ネプチュンだから海なのかな? 国旗のデザインだから良し悪しは正直よくわからない。


「警備の人がいるね。聞いてみようか」


「私も行きます。指輪を見せれば効果があるかもしれませんから」


 萌黄先輩と紫帆先輩が警備員の人に話しかける。離れて聞く理由もないので、少し後ろで萌黄先輩から託された茜を抱えながら待つ。


「はい。では、冒険者ギルド経由で連絡をお願いします」


 話があっさり終わって、ふたりが振り返る。


「面会予約を取ったから、明日にでも冒険者ギルド経由で時間を教えてくれるって。指輪について調べる時間が欲しいみたい」


「そりゃあ、普通は居ない王笏の修理をする人が訪ねてきたらそうなるか」


「あの事件があったから、警戒はするよね」


 メテオストライクで王笏近辺は大きく破壊されてしまった。このタイミングで王笏に関係する人がやってきたら、かなり怪しいにきまってる!


 代官屋敷を離れて、冒険者ギルドがあった方面へ戻り、今日の宿を探す。まだ宿で過ごすには早い時間だけど、明日まで結果がわからないのなら宿泊しなきゃならないので、さっさと宿を決めてしまおうってことになった。


「メテオストライクの現場に行ってみようか」


 宿をとってから、萌黄先輩が現地を見たいということで向かうことにした。ギンガも、現状がどうなってるのか知りたいからね!


 封印地に近い方面の門をくぐって、しばらく街道を進む。当時はこの街道付近に兵士が一定間隔で並んでいたけれど、今はいなくなってる。さすがに、毎日たくさんの兵士を並べられるほど、兵士さんたちも暇ではないか!


「あれが封印地だな。さすがに、警備が沢山いる」


 ここからでは全貌が見えないけど、茜はプルトさんが封印地に巨大な穴を開けたのを見たんだって。その状態で王笏を元に戻せるのか疑問なんだけど、サアターンのように空中に浮いて肉眼では見えない王笏があるのだから、空洞の地面に戻すこともできるはず!

 国旗の設定は、最初にマーキュリの国旗を出したときには7国すべて決まってました。国旗を出す機会はほぼなかったですが。

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