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あちーぶ!  作者: キル
379/419

『亡国の異世界 7つの王国と大陸の覇者』309

~~~チャコ~~~


 最初に杖を持った時に、なんか頭の中でよくわからない言葉が会ったんだよね~。ギンガが龍のときに言ってたような、頭痛を起こすような音じゃなくて、言語だけどまとまっていないような感じ。


 外国の言葉なのかな~って思ったから、色々と思い浮かんだ言葉を頭の中で繰り返してたら、言葉がはっきりしてきてマーレさんっぽい声が聞えたんだ~。


 そこからはマーレさんですか~って呼びかけてたら、マーレさんの意識がはっきりしたようで、『チャコさん?』という言葉が聞えた。


 後は少しだけ挨拶をしてみんながいるって伝えたら全体に聞こえるように話ができるようになった。

 マーレさんから貰ったアクセサリを通して会話しているようで、あたしが杖を掴んでいることで魔力が杖とアクセサリを繋げられたようだから、、手を離したら会話はできなくなるみたい~。


「意識と言うことは、前のように光の姿で出ることもできないのですか?」


『できませんねぇ。会話能力と多少の記憶があるだけなので、昔のような能力はありませんよぉ』


「記憶があるんですね、なるほど」


 話を聞いた蒼奈は、少しだけ考え込んだみたいだ。ちょっと距離が遠いから蒼奈に何を考えてるのか聞きにくいな~。


「アオナ、何か気になるの?」


 お、茜が聞いてくれた~。


「うん。記憶ってことは、どこかに情報を記録しているってことだよね。その役割って、この世界だと魔玉がその役割のはずだから、マーレさんの魔玉がまだ存在するんじゃないかなと」


『魔玉に関しては、わかりませんねぇ。そこから独立した状態なのでぇ』


「独立? 人格が分かれたってことですか?」


『そんな感じですねぇ。あ、上にある私の体らしきところから、帰還石って作られてますかぁ?』


「はい。新たに生み出されているのを見ましたよ」


 萌黄先輩が返事をする。蒼奈たちと3人でこの時代を探索したときに、実際に帰還石が生み出される様子を見たそうだよ~。


『ということは、意識があるかは別として魔玉は機能しているはずですよぉ』


 魔玉が機能していれば、帰還石が生み出されるらしい。

 魔玉は魔力を引き寄せる。そしてその魔力を魔玉周辺にまとわせて魔石を作り肉体維持のエネルギーとなる。


 魔玉と肉体が離された龍は、それでもその機能を維持。魔玉は、主に地下から魔力を引き上げ、引き上げた魔力を魔玉にまとわせようとする。


 けど、その魔力を使って維持する肉体は離れた場所にあるため、魔玉から引き上げた魔力は離れた肉体へと魔力を送り肉体の維持に消費される。

 本来ならそれで終了だけど、途中から龍の肉体が消失して、魔石の周辺部分だけが肉体の封印された場所に残った。

 その結果、魔力は送られるけれど維持する肉体が無くなったため、送り込まれた魔力が変質して帰還石に変化した。


「前にアオナが話してた通りだね~」


 前に蒼奈が妖精の国で話していた内容とほとんど一緒だ~。


「うん。あのときは予想だったけどね」


 ついでに、どうして帰還石が生まれるか聞いてみたら、肉体維持のための魔力の行き先が無くなったからだって。

 魔石の外側の層の部分は、魔力を溜めることはできるけど、生物によって保管できる最大値があるらしい。その最大値を超えたため、送られてくる魔力を消費するため帰還石へと変化したそうだ。


「肉体の復活はしないのですか?」


『復活の働きかけはするみたいだけど、送られてくる魔力だけでは足りないんだよねぇ。やっぱり、その場に魔玉が無いと効果がないみたい』


 帰還石を使うことで王都に戻る理由は、魔玉から肉体へ魔力が流れる性質を維持したまま帰還石が作られたため。


 帰還石を持った生物が死亡すると、肉体が消失する現象に影響を受けて、帰還石も目に見えない魔力に変化する。その帰還石の魔力が死亡した生物の魔力や魔玉を全部取り込んで、龍の肉体がある王都へと運ばれる。


 帰還石で運ばれる最中に『龍の肉体を復活させる』という作用が、包み込んだ生物の魔玉と魔力に影響して復活の効果を与える。

 地下にある肉体の封印場所へ向かうも、封印されている地下の空間に他の生物の魔玉が通過できないため、王都の中央の地上で生物の魔玉を解放。そのときに運ばれた魔玉が蘇生の効果を発動して復活する。


「初期時代も魔力を肉体へ渡す機能はあるのに、帰還石で復活はできなかったのよね?」


「肉体を蘇生させる機能が無かったんじゃないか? 要するに、あの時代は龍の肉体が残ってたってことだ」


 魔力を送る機能と、蘇生する機能が合わさってできたのが帰還石みたいだね~。ってことは、あたしたちが入れない途中の時代のどこかで龍の肉体が無くなったってことか~。


「マーレさん、肉体が消失した理由や時期はわかりますか?」


「アオナ、それ聞いちゃう?」


「あ。……すみません、答えにくいですよね」


『気にしなくて大丈夫ですよぉ。消えた時期はわからないですねぇ。精神的にも通常の状態じゃなかったと思いますよぉ」


 会話ができなくなってた時期だろうね~。肉体が消えたことと、会話が出来なくなったことは何か繋がりがありそうだよ~。


『消えた理由は簡単ですねぇ。肉体側が魔力病にかかって消えたんでしょうねぇ』


 魔力病。色んな所で話に出てきてるけど、龍も同じ症状にかかることがあるんだ~。


「それは、王笏が壊されたことによる影響ですよね?」


『そうですねぇ。地上に放出できない分だけ、肉体に魔力が流れ続けたのでぇ、魔力が過剰に増えて肉体が消えたんでしょうねぇ』


 王笏が壊れたことが、そこに影響するのか~。というよりも、龍の肉体を効率的に消す手段としてはかなり有効な方法じゃないかな~? 年数はかなりかかると思うけどね~。


「私たちが壊れた王笏を元に戻しても、戦争時代の時点で肉体は消えてるんですね」


「うちらが入れない時代まで手助けすることはできないからなぁ」


「可能性としては、王笏を壊す人達。恐らくプルトさんたちを初期時代で説得できれば、肉体が消えなくても済むかもしれません」


 あ~、そもそも、王笏が壊されなければいいってことか~。となると、最終的にはプルトさんたちを初期時代に説得かな~?


『帰還石によって人の不幸な死を免れてることを考えるとぉ、肉体が消えてよかったとも思えますけどねぇ。肉体が消えても、私たちの意識は残ってるんですよねぇ?』


「はい。あ、マーレさんはまだ今の時点では戦争時代で復帰した記憶はないのですね。ミクたちが準備してるから近いうちに意識が戻ると思います」


『助かりますぅ。肉体がない状態は今更なので、無理に戻さなくてもいいですよぉ。意識さけあれば十分ですからねぇ』


 マーレさんの所は、魔法で穴が空いたり立ち入りを制限されたりと、王笏がまだ戻されてないんだよね~。魔玉が壊されそうだったらしいけど、それが壊されたら意識も消えちゃうから、無事でよかったよ~。


「戦争時代の後に何があったかは、マーレさんの記憶にはまだないのですね」


『申し訳ないけど、ありませんねぇ』


 話を聞きたい内容が、ちょうどマーレさんの意識が無かったころなので情報が手に入らなかった。王笏戻してないから、まだ会話できないんだよね~。


「戦争時代で王笏を戻していないのがマーレさんだけだからね~。逆に言えば~、他の龍の地下に行けば情報を持っている龍と会えるってことだよね~」


「戻していないからマーレさんがここにいる可能性もあるけどね」


「も~、アオナは~」


 ちょっと悲観的過ぎるな~。他の龍も会話できると思った方がいいよね~。


「いや、ごめん。でも杖の仕組みがどこも同じなら、記憶の取り込みの仕組みも似たようなものだろうし、他の龍の意識がある可能性の方が高いとは思ってるよ」


 悪いほうの可能性を真っ先に取り上げるのは蒼奈らしいけどね~。


「他の龍の杖を見つけに地面を掘ったり糸を外したりするより、マーレさんの王笏を戻す方が早いかもしれない。そのあたりはミク先輩に進捗を聞かないとね」


 他の街だと、この地下への入り口を探すところからスタートだからね~。戦争時代に戻って話を聞いたほうが、手っ取り早いかも~。

 茶子に説明をさせると、普段の口調ではわかりにくくなるため説明口調にさせてます。数行ならいいのですが、長い間説明が続くと違和感を感じます。帰還石のくだりは一度会話口調にしたのですが、わかりにくかったので戻しています。

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