『亡国の異世界 7つの王国と大陸の覇者』287
[アカネ]アオナと色々調べた中で、どの情報から推測しましたか?
[ミカン]ここの光が、魔石が体内に無い人の魔玉ってところだな。リバ石と帰還石の実験してただろ?
蒼奈がヴィナス王国のリバ石付近で、帰還石を使った場合と使わなかった場合の実験をした話だ。
あの実験では、帰還石を使った場合その場からリバ石へ飛んでいたけど、使わなかった場合はこの空間にある蒼奈の光まで一度戻ってから地上へと飛んでいった。
[ミカン]実験結果から、魔石を持たない生物の復活には、この空間にある光の情報を読み取ってからじゃないと復活しないってことがわかる。それはつまり、キャラクター情報に該当するものがここの光ってことだな。魔石だと魔玉に該当する箇所だ。
魔玉の周辺を覆う魔石部分は、生活している地域の魔力濃度によって分厚さが変わる。たとえその魔石部分が薄っぺらくても、蘇生はできる。蘇生に必要なのは、中央の魔玉が大切なんだよね。
それじゃ魔玉はというと、生物の設計図と言ってもいい。これが無事なら、生物は蘇生できる。
その大切な設計図を、魔石を持たないプレイヤーたちはどこに持っているのか。それが、この空間の光なんだろう。
[ミカン]今はパーティーの繋がりで糸がつながってると思うが、この糸の見える認識をフレンドに切り替えれるか?
[アカネ]フレンドですか? やってみます。
目の前に、パーティーメンバーの光と繋がっている糸がある。この糸がパーティーメンバーで、それ以外のフレンドの繋がり……。
じわじわとパーティーメンバーと繋がっている糸の色が薄くなり、他の糸がはっきり見えるようになってきた。
[チャコ]見えてきた~。なんか、パーティーとは違うつながり方してるね~。
[アオナ]フレンドの方は、糸があちらこちらに広がってますね。フレンドと直接つながっているようです。
[ミカン]そのフレンドの糸、気になることはないか?
気になること? 胸のあたりから広がる糸を眺める。色はパーティーの糸と違って黄色っぽい。それ以外となると……あ。
[アオナ]数が多い。
[アカネ]うん、ここに居る7人以外にも糸がつながってそう。
[チャコ]多分、ギンガの光にも繋がってるよね~?
糸の数が9本になっている。他にフレンドが居ないかと言うとそうでもないけど、数で言えば部活のメンバーと一緒だ。
[モエギ]部活のメンバー数しか糸がないね。部活外にもフレンドはいるのにどうしてかな?
[ミカン]これ、多分この世界に1度でも来たことがあるかどうかだと思うっすね。
[シホ]廃墟時代そのものが、プレイヤーの情報を保存したってことかしら?
[ミカン]恐らくはな。ここで注目すべきは、この時代に居ない相手にも繋がりが確保できているってことだ。それはつまり、この世界に居なくても魔玉が存在していることに他ならない。だとしたら、ログアウトした彼らの魔玉が残り続けている可能性があるんじゃないか?。
[シホ]ログアウトからゲーム内で1000年経過していても、魔玉は残っているのかしら?
[ミカン]意図的にキャラクター削除を行わない限り、プレイヤーのゲームデータは勝手に削除されないと規約にあったからな。NPCにそれが適用されるかはわからんが、プレイヤーと同等の扱いならログアウトしている間に勝手に削除はしないんじゃないか。
プロキマさんみたいにログアウトした場合は、どこかに魔玉が残り続けているのかもしれないのか。じゃあ、それを探さないとね。
[アカネ]この周辺で光ってる魔玉のどこかに、プロキマさんの魔玉があるってことだよね?
[アオナ]目に見える光にはないかな。この空間はフレンドやソウルリンクなどの繋がりで意思疎通するはずなのに、繋がっていないプロキマさんの記憶に触れることができた。となると、プロキマさんの魔玉は通常とは違う状態にあるはず。
[シホ]あの影にあるのね? あれに魔玉が取り込まれたから、影に触れたら記憶が流れてくるって仕組みじゃないかしら。
[アオナ]そう思います。影が魔玉を取り込んでいるから、それに接触した僕らの魔玉が相手の記憶を読み取ってるんだと思います。僕らの魔玉が取り込まれないのは、魔玉そのものにキャラクターデータを今でも更新し続けているからじゃないでしょうか。
[チャコ]プレイヤーとNPCの判別がついてるのかもしれないね~。
[ミカン]そうだな。NPCの魔玉は影に取り込まれていると思った方がわかりやすい。
細い糸のような繋がりではなく、影によって魔玉全体が接触することで、相手の記憶を見ることができるみたいだね。
そうだとすると、影の中にプロキマさんの魔玉が含まれていることになる。いつから影が出来ていたのか分からないけど、戦争時代に入った時は影を見かけなかったのだから、あの時代のどこかに影に取り込まれる前のプロキマさんの魔玉が見えていたのかもしれない。
[モエギ]NPCというか、魔物や動物も取り込まれてたよね。あの影って、前に私たちが見た地上の暗闇と同じ現象って思えばいいのかな?
[キリ]地上の影は、地上の生物を全て消してましたから、その時に魔玉を取り込んだのでしょうね。
[アオナ]そういえば、あの時のアナウンスで言ってましたね。影に取り込まれたら初期装備でランダムスタート、ログアウトなら自分で選択できるって。あれは取り込まれたらデータ削除に近いことが起こるって設定だったのかもしれません。
[アカネ]影が魔玉を取り込むのはわかったけど、魔玉が地上に無いプルトさんやプレイヤーはどうして消えたんだろう?
[アオナ]蘇生の方法が、地下に魂のような光が移動して、肉体の設計図を手に入れてから地上に戻るんだけど、その移動する光を取り込んだんじゃないかな。蘇生のために残された、魔玉の欠片のようなものだと思う。
話し合いの最中に、ふわふわと漂う光が近寄ってきた。手をかざすと、アオナの名前が浮かび上がった。
[アオナ]アカネと合流。光はキリ先輩の時と同じ色と大きさなんだね。
[アカネ]球体っぽく見えるのが龍みたいだよね。
[モエギ]言われてみたら、丸く光って移動できるって点ではおんなじだね。
[シホ]なるほど、それで龍の皆さんは光の球がデフォルトの姿なのね。
[チャコ]魂そのものの姿だったんだね~。
[ミカン]龍が、離れた位置では魔力感知のみで魔法を使えないのも、ここの仕様みたいなものだろうな。魔玉と肉体が別々に封印されて、浮かび上がった魂だけの存在としてうろついていたんじゃないか?
[アカネ]龍も私たちやプルトさんと同じ状況ってことだよね。体内に魔石が無くて、別の場所に魔玉がある。誰がそう分けたのかわからないんだけど、異世界から来た人たちがその仕様なら、龍も同じように異世界から来た設定なのかな?
すぐそばにある蒼奈の光が『なるほど』とつぶやいている。光がつぶやくって少し面白い。
[シホ]龍が転生したのなら、元の生物は何かしら? プルトさんたちの世界は龍が自然と居た世界ではないのでしょう?
[アオナ]転生先の種族が元の状態から大きく変化していると思います。龍の元となったものが生物とも限らないかと。
[キリ]あっちの世界で入力された魔物情報を参照して転生しているようだから、その情報に龍のデータがあったのかもね。
[ミカン]というより、龍が何から転生したかなんて自明だけどな。知識が豊富で、情報を保存し、出来ることは多いが、頼まないと情報を開示せず、7つの存在が示唆されたもの。そんなのが記憶の話に出てきただろ?
特に描写もないですが、部活外の人とも交流をもってフレンド登録をしています。




