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あちーぶ!  作者: キル
342/422

『亡国の異世界 7つの王国と大陸の覇者』272

~~~ギンガ~~~


 転送装置に乗ると、しばらくしたら転送されて地下の村に到着した。地下の村の見た目が変わってる!

 転送装置の周りには、削りだしたばかりのように綺麗な石の壁が建てられていて、地面も形が整えられたタイルが敷き詰められている。

 廃墟だった家々も、発掘や再建がかなり進んでいて、屋根まで再現されている。発掘された石の部分はそのまま利用して、残りの部分は新たな素材を利用して復元したらしく、細かい傷や色の違いがあるから、どれが発掘された石かなんとなくわかる!


「周辺の整備もしたのですね」


 黄金音ちゃんは、転送装置の壁の近くに光の状態で漂っているエルさんへ声をかけた。


『最初は発掘した素材だけで整えたのですが、転送装置の周りだけでも利用できるようにしました』


 転送装置から降りて少し移動すると、確かにこの周囲だけ綺麗に整っている。他の場所はまだ壊れた家が並んでいる状態だ。


『その家でなら、あなたたちも宿泊できるのではないですか?』


 エルさんが飛んで近寄った家へ3人で入る。元の家の再現なのか、前回来たときは無かった木製の机や椅子、奥の部屋にはベッドが4つもあって、宿泊するにはちょうど良さそうな場所になっていた!


「泊まれるよ! ありがとう!」


「ベッドもふかふかだし、助かるんよ」


「ありがとうございます。ここで宿泊できるのは良いですね」


 食器棚には真っ白なお皿やティーカップもあって、引き出しにはスプーンなどカトラリーセットがいくつもある。調理器具はあんまりないけど、持ち込んでいいのならここで住むことも出来そう!


「今日はここで宿泊させてもらうのもありなんよ」


「せっかくだからね。エルさん、ここで泊っていいですか?」


『はい。そのために準備しましたから。先日あなたたちが来てから、またくることがわかってたので掃除しておきました』


 お掃除もしてくれてたんだ! 確かに、埃は無いし布団もふかふかだから、過ごしやすくなるように準備してくれたんだと思う! 


「ありがとう! お泊り楽しみ!」


 龍の封印地付近で宿泊できるとは思わなかった! ネプチュンの『王の休養地』は、王族用の建物だから冒険者が宿泊できる場所じゃないし、それ以外の場所は寝るための準備が何もないから、用が終わったらすぐに離れてたんだよね!


『転送装置も無事作動したし、助かりました』


「こちらこそ、移動が楽になって助かるんよ。これまで転送装置でここに来た人は居たんよ?」


『上から降りてきた人はいましたが、転送装置で来た人はいません。壊れていないか野生動物を定期的に転送して動作確認をしましたが、それも問題なかったです』


「転送装置を起動するには、エルさんの承認が必要なんですよね?」


『そうですね。あなたたちと、あとはこの村の子孫にも許可をと思いましたが、訪れることはなかったです』


 この家はギンガたちが泊まるためだけじゃなくて、元々いた住人のためにも復元したんだね。エルさんがどれだけこの村が大切だったかがよくわかる!


「家でくつろぐ前に、インゴットがどうなったか見に行くんよ」


 家の中を色々点検しようかなと思っていたところで、未黒先輩の言葉にここへ来た目的を思い出した。オリハルコン!


 外に出て王笏の封印地方面の壁へ向かって移動する。途中にある崩れた家も、300年前と比べたらかなり発掘が進んでいるようで、土台だけだった場所はなくなっていた。

 封印地へ続く壁の前に移動すると、壁が自動で動いて通り道のトンネル出来た。トンネルを潜り抜けると封印地に到着! さっそくインゴットを埋めた場所に移動する。


「見た目だとわからなくなってるね!」


 300年前の時に埋めた時は、どこに埋めたかがわかるくらいに盛り上がっていたのに、今見るとどこに埋めたのか全然わからない。


『村の発掘で掘った土をこのあたりにもまいているからですね。あのままだと目立ったので、沈めておきました』


「ありがたいんよ。誰かが来たら、掘り起こされるかもしれないんよな」


 インゴットを埋めたあたりに屈みこんで地面を触る。かなり硬い感触だから、手作業で掘ると大変そう!


「土魔法つかっていいの?」


『範囲を絞って使うのならいいですよ。広範囲で掘り起こされると困りますけど』


「はーい」


 地面に手を当てて、土魔法を準備する。範囲を狭めるのも余分にMPを使うんだよね! 普通に使うと、人が入れるくらいの空洞ができるから、半分のさらに半分……。


「[ディグアース]」


 手を当てた所から小さめの半円状の穴が開いた。へこんだ土の端にインゴットの角が見えたから、魔法を維持しつつそちらへ手を動かす。

 別の場所から未黒先輩が同じように魔法をつかって掘っている。しばらく周辺を回すように手を動かして、埋めたインゴットを全て発掘した。


 インゴットを手にして持ち上げて見てみると、全体的には銀色だけど、うっすらと黄色っぽいように見えた。外で見ないと色の違いが正確にはわからないけど、黄色っぽいのは間違いなさそう。元の色がすごく薄い青色だったから、変化しているのは確かだね!


「私のレベルで鑑定は難しいかな。ギンガの先生にお願いするしかないのかも」


「ゼルザさんに持っていくインゴットもあるから、ちょうどいいんよ」


 掘り出したインゴットをストレージに収納する。そのあとは、埋めておいた未黒先輩の刀とギンガの装備一式を掘り出すよ!

 刀しか埋めていない未黒先輩はすぐに掘り出すことができたみたい!


「どうよ? 見た目はさっきのインゴットと同じなんよ」


 掘り出した刀を手にして掲げる未黒先輩。魔法で土を除去したから、刀にはほとんど土がついていないためかなり綺麗に光っている。その刀も、さっきのインゴットと同じようにうっすらと黄色に見えた!


「同じような色にみえるね」


「間違いなくミスリルとは違うんよ」


 性能に関しては、実際に戦闘で使うか鑑定をするかでしかわからない。これも、ゼルザさんにお願いするしか無さそう!


 未黒先輩は掘り出した刀をストレージに収納して、ギンガの方を手伝ってくれる。掘る範囲がすごく広いから、まだ小手しか見つかっていない。

 それでも、小手の場所がわかったから、埋めた場所がだいたいわかるようになった。位置を決めて埋めたからね!


 それから、鎧や斧など時間はかかったけど装備一式を掘り起こすことができた。予想通り鎧のベルトや内側のカバー、斧の持ち手部分は使えなくなっていたけれど、金属部分はやや灰色のマアズ鋼から薄い青色の金属に変わっている。

 グッと持ち上げると、予想以上に重さが軽くなっている。使えなくなったパーツ部分が減ってることを考慮しても、重さが軽くなった気がする。


「ミスリルって、軽いのかな?」


「あぁ、そうかも知れないんよ。重さは比較してないからわからないけど、体感では刀を振るのが軽くなった気がしたんよな」


 鎧の胴体部分を持ち上げて眺める。多分、重さが10kg以下になっている。

 ギンガの特殊能力に【剛力晩成】があるから、装備品はかなり重いものでも軽い装備と同じように身に着けることができる。今だとおおよそ15kg程度なら衣服同然に扱える。

 鎧はともかく、斧は重量限界で作ってあったので、斧の刃と重さでかなり強力な武器になってたんだけど、軽くなると重量に頼っていた威力は少し下がってるかもしれない。

 そのあたりは、ミスリルに変更した効果に期待!

 掘り出した装備品をストレージに収納する。今のままでは身に着けられないので、あとで用意してもらった家で整備しよう!

 地下の村は転送装置とその周辺だけ光の魔法で明るくしていますが、離れた場所は暗いままなので、暗視持ち以外は遠くを見渡すことが出来ません。銀華は暗視を持っているので、周辺をある程度(くっきりと見るには闇視が必要)は見ることが出来ます。

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