2月21日 一泊二日(尊敬)
25日の物件決めには、両親ともに仕事で来ることができないということもあり、ピンチヒッターとして那由多が来ることになった。しかも、明日帰ってくるというのだから急な展開すぎる。
ー2月13日ー
僕の判断は間違ってなかったのだろうか?僕たちが入ったカフェの店内は思ったよりも静かだった。
窓から差す光がテーブルを斑模様に染めていた。僕の目の前には、壁際のソファに柔らかなクッションを持ったアイツがいたのだった。
アイツ「決まった?」
僕 「うん」
既にオーダーを通していた僕たちは、絶対絶命ゲームに入ろうとしていた。
アイツ「じゃあ、第一問は?」
僕 「えっ、、、、、、、、と」
僕が考えた問題は、いたってシンプルだった。
僕 「3年4組で一番尊敬する人は?」
アイツ「えっー、難しい」
アイツの大きな声が店内に広がっていた。僕の背もたれの縁が触れる首をひんやりと冷たく触れる。すると、カウンターの奥でコーヒーを淹れる音が聞こえてくる。もうすぐかぁ。僕は、コーヒーだけを頼んだけどアイツはデザートをきっちりと頼んでいた。カウンターからは、蒸気とともに小さな鼓動を刻まれていた。僕は、目の前にいるアイツが何を考えているのか気になった。横に目を向けると、そこには、先ほど読んだ本日のメニュー表が置かれていたのだった。
僕 「もういいか?」
アイツ「いやいや、早すぎるよ」
僕 「そうか?」
アイツ「うん。尊敬できる人なんていっぱいいるからなぁ」
僕にとって、尊敬できる人はそんなにいない。特に、3年4組に僕の居場所はなかった。そんなことないだろって、どうせアイツは言うんだろうけど。すると、僕たちの席を横切る二人連れの客がやってきた。囁きごとのような会話が僕たちの視線をよせる。
僕 「書けたの?」
僕は、ゆっくりアイツの同行を探ることにした。僕には作戦がある。それは、アイツが書いた後に書くことだ。書いたら消さないなら、駆け引きするしかない。すると、店員がやってくる。店員は、僕が頼んだコーヒーとアイツのデザートを持っていた。コーヒーの深く甘い香りが鼻腔をくすぐる。想像しただけで、舌の上で広がる苦味と微かな酸味の揺らぎが、心のざわめきをそっと鎮めていく。
店員「お待たせいたしました!!」
店員の声に、アイツはとても嬉しそうな様子を見せていた。




