2月18日 一泊二日(店内)
なんのバイトがいいかな?僕は、机を片付けながらバイトを探していた。世の中には、こんなにたくさんの求人があるのかぁ。不思議だな。
ー2月13日ー
焼きそば店のドアを開くと、店内は熱と油の匂いで湿度を帯び、スパークする金属音と鍋のぶつかり音が連続していた。
アイツ「すいません、2名いけますか?」
店員はゆっくりと歩いてきて、僕たちを案内してくれた。カウンター席には常連らしい客が二、三人、テーブル席には家族連れが二組。店内の声は様々なところから響きわたっていた。僕たちは、先ほど通った家族ずれの真後ろの席に案内された。振り向けば厨房の奥で職人が手際よく鍋を振る、炎のオレンジが白い湯気の中で踊っているようだった。さすが、飲食店。これまで料理はしてきたことないけど、作るのって面白いのかな?カウンターに出された皿の上にはまだ白い湯気が漂っていた。厨房の一番前には鉄板が一枚あり、薄い油の膜が光を拾っている。鉄板の上では具材が炒められている音が聞こえてくる。
僕 「まだ、そんなに食べれるの?」
アイツ「食べれるよ、もちろん」
僕 「さっき食べたばっかりじゃない」
アイツ「それは、別よ」
本当に女性だろうか?僕はとても疑いたくなる気持ちでいっぱいだった。机の上には小さな紙のメニュー。焼きそばの字が黒く書かれていた。正直、僕は他のものを食べるほど余裕はなかった。肉の香りとソースの香りが混じっていた。僕たちは注文をとおし、運ばれてくることを待つことにした。
僕 「この後、どうするの?」
アイツ「この後は、スイーツ食べに行く!!」
僕 「えっ、まだ食べるの?」
アイツ「もちろん」
僕 「やばいよ、もう食えないよ」
僕は、水のグラスを指先でひと撫でしてから、口元へ運ぶ。真冬の口元は意外と喉が乾いていたみたいだ。ほんの一口、清涼感のある水が喉元を潤す。
アイツ「絶対美味しいから食べようよ」
僕 「何が有名なの?」
アイツ「ドーナツ」
僕 「ドーナツ?めちゃくちゃボリュームあるんじゃない」
ドーナツかぁ。凄いなぁ。絶対食べれないな。そんなことを考えているとすぐさま、店員が近寄ってくる。次の瞬間、焼きそばが彼の前の皿に現れる。太麺が鉄板の熱でくるりとほぐれ、ソースの艶が表面を滑る。ちょっとした焦げ匂いが、ソースの甘辛さと相まって深みを増しているように感じだのだった。




