11月27日 技術
今日は、3時間目に技術の時間だった。技術の時間は、他の授業と違って、一人の机が用意されているわけではない。そのため、班で座らないといけなかった。俺の班には、辰巳慎之介、藤平武、山川楓、藤岡優姫の5人。辰巳と藤平は横で話をしており、藤岡は、横の班の西野と話をしていた。話をしていなかったのは、俺と山川だった。
今日の授業は、前回に続いて、卒業式に展示する作品作りだ。基本的には何を使ってもよかった。私は、好きな本をそのまま作ろうと思い、どの素材を使うかを悩んでいた。しかし、周りの人たちは、話しをしており全然手を動かしていなかった。すると、目の前にいた山川が、俺の隣に来た。
山川「ここ、座っていい?」
声をかける前に、すでに座ってるとツッコみたくなったが、その気持ちを抑えて山川に相槌を打った。俺は、大好きな本を粘土で表現しようと思い、もっていたプリントに粘土と書きこんだ。すると、またしても山川は、声をかけてきた。
山川「何作るの?」
俺 「本だよ」
見せながら、お気に入りの本を見せながら答えた。
山川「ホントに本好きなんだ」
俺 「どういうこと?」
山川「那奈から聞いててさ」
俺 「また、アイツかぁ」
後ろの方にいた那奈の顔を見た。
山川「フフフ。でも、那奈ね、世田くんのことめちゃくちゃ楽しそうに話すんだよね」
普段、那奈がそんなことをしてることを知らなかった。
俺 「‥‥」
山川「たぶんさ、ほっとけないんだと思うんだよね。私もさ、世田くんと同じであまり人と関わらないようにしてるから。でも、世田くんは、私と違うかぁ」
よく、山川が言っていることがわからなかった。
俺 「関わらないようにしてるんじゃなくて、関わらないんだよ。そこが、山川さんと違うところだよ」
山川「そうかな?私は、そんな印象受けないけど」
俺 「ん?」
山川「世田くんって、強いんだよね。みんな怖くて一人じゃいられないんだと思うんだ。だから、群れて一人はよくないみたいな風潮になる気がするのよ」
一人でいることをいい風に言ってくれているのだろうか。
俺 「そうだといいけどね」
山川のことは、那奈から聞いたことがある。山川は、那奈が最も信頼してる人物。山川は、新谷や蒼井ともいることがある。しかし、那奈がいない時は、山川は、一人でいることが多かった。一匹狼そのものだった。




