2月12日 報告
明日からの準備に僕は追われていた。旅行に行くことがこれまでなかった僕は、何を持っていけばいいのか全然理解していなかった。こういう時のことを考えて、もっと友だちと遊んでおけばよかったと後悔していた。
お母さん「えっ、明日から行くの?」
僕 「そうそう」
お母さん「急に決まったのね」
準備している僕に改めて話しかけてきた。
僕 「うん。昨日、決まったね」
お母さん「気をつけて行きなさいよ」
僕 「わかった」
お母さんは、どんな気持ちでいるのだろうか?
お母さん「誰と行くの?」
僕 「あぁ、友達だよ」
お母さん「そっかぁ。アンタも仲良い友だちがいるんだね」
僕 「そんなにいないけどね」
素直にアイツの名前を出すことはしなかった。
お母さん「じゃあ、大事にしないとだね」
僕 「まぁ、そうね」
お母さん「帰ってくるのは、14日?」
僕 「たぶん、14日の夜かな。また、決まったら連絡するよ」
アイツのことだから、平気で予定を変えてくる。僕は、そう考えていた。
お母さん「一人暮らしの準備はしているの?」
僕 「いや、まだ全然してないかな」
お母さん「そっかぁ。お母さんは入学金を15日に入れるからね」
僕 「ありがとう。助かるよ」
お母さん「優斗が一生懸命勉強したんだからね」
それだけ言われると照れてしまう。
僕 「お父さんは、何て言ってたの?」
お母さん「ああ、喜んでたわよ。でも、お父さんは受かると思ってたみたい」
僕 「そうなんだ」
受かると思っていたのは、それはそれで嬉しいかもしれない。
お母さん「まぁ、受かって当然みたいな考えもあったのかもしれないね」
僕 「そっかぁ。まぁ、また今度話してみるよ」
お母さん「そうね」
僕 「今日も帰り、遅いの?」
お母さん「うん、遅いと思うよ」
ここ最近、お父さんの帰りは22時を過ぎることも多く、お父さんとあまり話せない日々が続いていた。
僕 「忙しいんだね」
お母さん「まぁ、営業職だしね」
僕 「営業って大変なの?」
お母さん「そうね。やっぱり、毎月結果出さないといけないからね」
営業の世界がどのようなものなのかわからなかったけど、僕が想像しているより遥かに大変なことだけは理解していた。




