11月23日 一人
今日は、祝日の日ということもあり、学校が休みだった。いつものように、朝ご飯を食べた後、『ストライキ』という本を読んでいた。読んでいると、あの日の言葉を思い出した。
ー11月20日ー
僕とアイツは、最寄り駅でおり、海にたどり着いた。そこから、アイツの背中を見ながら歩いていた。10分ほど歩くと僕たちが目指していた海岸についた。
アイツ「着いたねー」
僕 「うん」
アイツ「久しぶりだなぁ、海」
アイツは、遠くを見るように話した。
僕 「そうなの?」
アイツ「夏は、ほとんど病院にいたし、何もできなかったから」
僕 「また、それかよ」
アイツ「だって、今年は大変だったもん」
僕 「そうだけど」
アイツ「クラスの子とは、うまくやれてるの?」
心底、私の友だち付き合いが気になるようだ。
僕 「うーん‥‥」
アイツ「優斗は、誰が一番仲良いの?」
僕 「仲良い人なんていないよ」
アイツ「そんなんじゃ、困った時大変じゃん」
僕 「もともとそうやって生きてたし、気にしてないよ。逆に一人の世界にいれる楽しさもあるよ」
僕の考えを伝えた。
アイツ「一人の世界って何?」
僕 「自分だけの世界。周りでどんなことが起きようとも自分の世界は壊されないなの」
僕が考える一人の世界を話してみた。
アイツ「なるほど。そういう捉え方もあるのか」
僕 「一人はよくないと思うけど。でも、自分だけの世界があることは僕にとって大きいの」
アイツ「優斗の世界は、誰かに壊されることはないの?」
僕 「那奈みたいに、平気で人の心に土足で踏み込んでくる人がいたら壊れるよ」
アイツ「いやいや、私の場合は『おじゃまします』って言って入っているから」
アイツらしい返答が返ってきた。
僕 「ふざけてるでしょ」
アイツ「でも、その一人の世界に加えて、他の人とやりとりできたらいいんじゃないの?」
僕 「‥‥」
妙にアイツの考えに納得してしまって、言葉が出なかった。
アイツ「私はさ、今の優斗が好きなの。でも、そこから一歩踏み出して変わってみることも大事だと思うんだ。そしたら、他人の意見を取り入れることもできるし、取り入れないこともできるんだと思うの」
アイツにとって、今の俺は、どう見えてるのだろう?
僕 「変わらない努力、変わらない勇気かぁ」
アイツ「それだよ、それ。『ストライキ』の本読んだの?」
僕 「今、読んでるところ」
アイツ「あれ、よかったよ」
僕 「だよね。もうすぐで読み終えるの」
今、僕が読んでる、桂南西の『ストライキ』の主人公、沖谷優が放った言葉。「変わらない努力、変わらない勇気」。これは、私たちだけでなく、これまで多くの読者たちを感動させてきた。
アイツ「そろそろ、海も見飽きたし、戻ろっか」
気づけば、この海岸で40分程度話していた。
僕 「うん」
アイツ「ここの近くに、美味しい焼き肉屋さんあるから行こう」
僕 「そうなの?」
アイツ「うん。楽しみだぁ」
僕とアイツは、ゆっくり歩きだしたのだった。




