11月22日 ヒッチハイク
今日も、あの日のことを考えていた。勉強するも、なかなか集中することができない。英語の長文を解いているもなかなか進まない。いつになったら、忘れることができるだろうか?
ー11月20日ー
アイツと電車に乗り始めて約30分が経過した。絶対絶命ゲームが終了し、進路の話になっていた。
アイツ「優斗は、志望校決めた?」
僕 「一応、広島の大学だけど、受かるかどうかわからないかな」
アイツ「そうなんだぁ」
僕 「那奈は?」
アイツ「私は、私立に行くよ」
僕 「国公立は、受験しないの?」
アイツ「今からじゃ、遅いしね」
学校を休んでいた期間もあり、国公立を受験するのは難しいと判断したのだろう。本当に希望していた進路とは異なっていたのかもしれないが、否定的になる様子は微塵もなかった。
僕 「どこ受けるの?」
アイツ「一応、関西の大学かな」
僕 「そうなんだ」
アイツ「そうそう。優斗は、高校生活でやり残したことないの?」
急に話題を変えた。
僕 「やり残したこと?」
アイツ「うん」
僕 「特に何かっていうのはないよ」
アイツ「そうなの?もうすぐ高校生活終わっちゃうよ」
アイツは、不思議そうに私の顔を見た。
僕 「まぁ、そうだけど。何かしたいことあるの?」
アイツ「私は、旅に行きたいな」
僕 「旅?」
アイツ「うん、タダで旅したい」
僕 「それは、無理でしょ」
アイツ「ヒッチハイクとかは?」
相変わらず、私の考えには浮かばないような返答だった。
僕 「それこそ無理でしょ」
アイツ「無理無理言ってたら何もできないじゃん」
僕 「じゃあ、どうやってするの?」
アイツ「だから、その方法を教えてって言ってるの」
僕 「わかってるけど。ヒッチハイク怖くない?」
アイツ「うーん。怖いけど面白そうじゃない?」
僕 「そうかな?」
アイツの考えが全く理解できない。
アイツ「私は、日本一周したいの」
僕 「ヒッチハイクで?」
アイツ「ヒッチハイクじゃなくてもいいよ」
僕 「ん?」
アイツ「お金ないからヒッチハイクかなぁーって」
僕 「ヒッチハイクかぁ」
僕は、ヒッチハイクで旅をしようと思ったことがない。
アイツ「うん。タダではいけないからね。誰か連れてってくれる人募集するのもいいね」
僕 「そんなんいないでしょ」
アイツ「でも、お金ないんもん」
僕 「じゃあ、やめとき」
アイツ「いやだ。行きたいもん」
なんとしてでも、お金をかけずに旅をしようとするアイツだった。
僕 「理想は、なんとも言えるけど。現実は、難しいよ」
アイツ「でも、本気で頼めば誰か連れてってくれると思うんよね」
僕 「どうかな?」
アイツ「SNSで募集してみよーっと」
アイツは、すぐさまスマホをとって、募集を始めた。私は、ボーッとその様子を見ていた。やりたいことを素直に言えて、すぐ行動できるのが本当に羨ましかった。
アイツがスマホを触っていると目的地の最寄り駅についた。




