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日常で世界を変える(世田編)  作者: mei


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12月9日 トンネル

 宝来海斗。onodaから連絡がきて、彼のことを考えるしかなかった。この前の一件以来、妙に気にしてしまう。たかが、アイツと一緒にいたくらいなのに、、、、。

 気にしてしまう自分の感情とその感情の中に渦巻く宝来とアイツの姿が見えたような気がしていた。こういう時の感情をコントロールする方法なないだろうか?この前、アイツと話していたことを思い出した。


 ー11月20日ー


 あの日の俺は、何かとりつかれているような感覚だった。


 僕  「俺、思うんだよね。みんなさ、何かに寄りすがりたいだよなって」


 僕は、電車の吊り革を見ながら語り始めた。僕が急に話始めたこともあり、ビックリしていた。


 アイツ「‥‥」

 僕  「みんな苦しくて、つらくてさ‥‥」

 アイツ「‥‥」

 僕  「出口のないトンネルを歩いてるんだって」

 アイツ「‥‥」


 窓から見える風景がどこか薄暗く見えた。


 僕  「でも、止まらないんだよね。止まると、もう前に進めないって思うから。だから、もがいてあがいて。必死になるんだろうね」


 さっきよりさらに暗く見えるのは、自分の心を写すようだった。


 アイツ「‥‥」

 僕  「でも、僕の人生は、そういうのとは、ちょっと違うんだろうね」

 アイツ「そうかな?」

 僕  「うん。そうだよ」

 アイツ「違うよ。優斗は、今も、もがいて、あがいてるんだよ」


 アイツは、優しく声をかけてくれた。


 僕  「‥‥」


 さっきから、アイツは何も言わない。そんなアイツがようやく口を開きそうだった。


 アイツ「優斗がさ、もがいてあがいてる姿勢はみんなみてるよ。前と違うなって思ってるよ」


 いい言葉でまとめられるのはなんだか納得できない。


 僕  「どうだろうね」

 アイツ「きっと見てるよ。変わらないものなんてないんだからさ」

 僕  「‥‥」

 アイツ「私もね、何かによりすがりたいよ。苦しい時に、自分の支える何かがあれば変われるんだよね」


 当時の記憶を思い出しても、まだあの日のことを受け入れることは難しかった。でも、あの日から少しずつアイツに言われたことを取り入れようとはしていた。アイツが言った"苦しい時に、自分の支える何かがあれば変わるんだよね"ということを聞いてから、根拠なき自信を常に考えるようにしていた。アイツの言われたことに納得したわけじゃないけど、このままの人生にも何か満足はしていなかった。

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