レベル2
『ステータス』
「美亜 30歳
呪い パペット化
善行レベル 2
スキル 1日10分だけ動ける
持ち物 善行カバン レベル2 容量 見た目通り
毎日 カバンからリンゴとパンと牛乳がでてきま
す」
よっしゃー!!!
またもレベルアップ!!!
またしても何で上がったのか分からないけれど、この調子なら100まであっという間ね。
しかも今回のレベルアップで1日10分だけだけど動けるようになったみたい。まだまだしょぼいけど、いざという時逃げられるのはありがたい。
「すてーたす?」
またもユアンが首をかしげる。
『何でもないわ。でもユアン、私が味方になったのよ。大船に乗ったつもりでいなさい!』
ユアンをスパダリに育てあげてみせる!!
「おおぶね?」
ユアンはまたも首をかしげた。
道のりは遠そうね……でも、ま、なんとかしてみせるわ!
さて、とりあえずは情報を仕入れないと。
『ユアン部屋の外に出られる?』
ユアンは首を振る。
「……でちゃだめ」
やはりユアンは部屋の外には出られないのね……じゃあ私が外に出て情報を仕入れるしかない。
運を天に任せるか……
皆が寝静まった頃に私が動き回って探すか……
動き回るにしても、目的地も分からず動き回るのはリスクが高いし……
情報は女の園で仕入れるのが手っ取り早んだけど……どうしよう。
『ねぇユアン、食事を持ってくる侍女はいつも同じ人?』
「ちがう」
『そのなかでユアンに優しい人はいる?』
ユアンは少し考える素振りを見せて、ゆっくりと頷いた。
「いる」
よし!その人のところにしばらくお邪魔できたら良いわね。おそらく侍女は相部屋の可能性が高いから、何か情報が分かるはず。
いや、待てよ。
その侍女にいろいろ聞いたらいいんじゃない?
私が言うことをユアンに復唱させて……いや、でも急にユアンがいろいろ言い出したら怪しまれるかな。万が一上に報告されて処分命令がくだったらしゃれにならないし……。
うん。リスクは少ないほうが良いわね。石橋は叩いて渡りましょう。……本当に叩いてるかは微妙だけど。
『じゃあその侍女に私を1週間だけ預かってほしいとお願いしてくれない?』
「いや!!」
ユアンがギュッと私を抱きしめる。
おっと。
拒否反応が強い……ま、側にいると言ったのに早速離れる話だものね。
『ユアン、これは私とユアンがずっと一緒にいるために必要なことなの。少しだけ……そうね、1週間。カバンをおいていくから、中からリンゴが6個でてきたら帰ってくるわ』
「いや!まえもかえってこなかった」
誰かユアンの世話をしていた人が帰ってこなかったのね。
『私はかえってくるわ』
ユアンは首を横に振る。
『ユアン、私は必ず帰ってくる。だってずっと側にいるって約束したもの』
ユアンは金の瞳で真っ直ぐ私を見た。
「……ほんとうにかえってくる?」
『もちろん』
「リンゴ6こ?」
『ええ。ついでにパンと牛乳も出てくるわよ』
「ぎゅうにゅう?」
『栄養の入った飲み物よ。必ず食べてしまってね』
「……わかった。ちゃんとたべる。やくそく」
よし。とりあえず話はまとまった。上手くいくかは分からないけれどとりあえずやってみよう。
ま、いつその侍女がやってくるかは分からないけど。
侍女が来るまではユアンができることを増やそう。
と、ユアンが疲れたのか大きな欠伸をした。
まだ起きて大した時間が経っていないけど、りんごとスープしか食べていないから身体が省エネ設定になっているのかもしれない。
『ユアン、一緒にお昼寝しましょう?』
「おひるね?」
『いっしょにベッドで寝るの』
「……いなくならない?」
『もちろん』
「おひるねする。いっしょ」
そう言うとユアンは私を抱きしめたまま薄汚れたベッドに横になった。そして汚い毛布にくるまる。
この毛布何年洗ってないんだろう……。
何かいろいろいそうで怖い。
ま、ぬいぐるみである意味良かったかも。
とにかくこの環境を早急に何とかしなければ。
このままじゃミケ猫から黒猫にチェンジする日もそう遠くなさそうである。
ユアンは横になるとすぐに寝息を立て始めた。もちろん私はぎゅうぎゅうに抱きしめられている。
あれ?
ユアンの服がはだけて、胸元があらわになった。その胸元に虹色に光る物がついている。どうやら肌に直接あるようだけど……。
これは何かしら?
と言っても私は全く身動きできないから触ることもできない。
ユアンが起きたら聞いてみよう。
そして私も寝る体勢に入る。(気持ちだけだけど)
そう言えば私は寝れるのかしら?
ぬいぐるみだけどどうなんだろう。
お腹は全く減らないし、それどころか口も動かないから食べる必要はなさそうだけど。
とりあえず瞼を閉じてみる。
寝れるかどうか……どうなんだろう……
やっぱり寝れ……な……い……か……
いろいろ考えていたけれどいつの間にか私も夢の世界へ旅立っていた。




