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情報が仕入れられない…

 

 夜になってもセリンを含め、部屋の侍女たちは誰も帰って来なかった。


 これでは情報を色々仕入れる計画が水の泡である。


 セリンにはなんとか無実を証明して戻ってきてもらわないと。


 と言ってもぬいぐるみの私が普通に歩いていたらおそらく速攻で捕まるだろうし……。


 とりあえずまだ帰って来なさそうなうちに、巾着にお金でも入れておきましょう。


 活動時間が伸びたので、まだまだ動ける。


 おまけに騎士たちが部屋をひっくり返していたので、どこに何があるかもバッチリ覚えている。


 私は素早くチェストから下りると、捕まった侍女のチェストを漁った。


 確か2番目……あった!!


 お金の価値はよく分からないけれど、金貨と銀貨、銅貨があるようだ。


 騎士の話では嫌な女はもう戻って来れない可能性が高そうなので、彼女のお金を有効活用させてもらおう。たくさん入れたいが、袋が膨らんで誰かに気付かれるのもまずいし、盗んだと騒がれてセリンに迷惑をかけてもいけない。とりあえず金貨2枚、銀貨2枚くらいいれておけば良いかしら。


 よし。とりあえずお金をゲット。


 後はセリンの帰りを待つのみね。


 セリンを待って1日経った。

 

 昨日騎士が乗り込んでからちょうど丸1日。

 既に外は暗くなり、明かりが自動でついている。


 セリンは……帰って来なかった。


 いやいや、取り調べが長いのかも。

 もしくは連座か……


 どうするか悩む。


 後1日待って、動きがなければ私も動くか……。


 行動時間が1時間伸びたので、何とかなる気がする。皆が寝静まった頃に動こう。


 ま、現状維持が一番楽だからセリンが帰って来るのが一番だけど。


 そんなことを考えていると、部屋のドアが開いた。


 セリンを含め、3人の侍女が入ってくる。


 良かった。どうやら連座は免れたようである。


 今まで取り調べを受けていたせいか、皆顔色が悪く疲れを隠せない様子でそのままそれぞれのベッドに入った。


 すぐに寝息が聞こえてくる。

 

 よほど疲れているのだろう。何にしろ、丸1日経っている。明日起きたらいろいろしゃべってくれるといいけど。


 そのまま2日目も終わった。


 朝、人が動く気配で目を開ける。


 まだ早朝にも関わらず3人とも起きて、身支度をしていた。


 昨日の疲れが取れていないのか全員顔色はあまり良くないままである。皆無言で準備すると足早に部屋を出て行った。


 あれ……出て行く?

 

 ま、朝からあんまりしゃべらないか……いや、女子たるものいつなんどきでもしゃべるときはしゃべる。


 疲れてたからか……それとも、嫌な女の件で互いに関わらないようにしているためか……どちらにしろしゃべってもらわないと情報が得られない。


 これは困ったと頭を抱えるが、今できることは特にない。


 とりあえず夜まで待機ね。


 はー。


 思わずため息が出そうになる。出ないけど。


 誰とも話さず、動けないのは思っていた以上に苦痛である。ユアンとの会話が恋しい。


 もしこのまま会話が無さそうなら早めに帰るか……。


 悩みどころである。


 とりあえず、決戦は夜。

 お願いよセリン!!


 私はまた瞳を閉じた。


 夜になり少し時間差がありつつ、3人が戻ってきた。


 会話は……


 ありませんでした。


 いや、これはもう待っても無駄かも。


 嫌な女の件があって互いを牽制しているのかもしれない。……もともと無口なのもあるかもしれないけれど。


 疲れが取れていないのもあり、皆速攻で布団に入り寝ている。


 うーん。


 このままこの部屋にいる意味は無さそうである。


 深夜、皆が深く寝静まったのを確認すると、私は行動を開始した。


 目的地は……


 隣室である。


 おそらく隣も同じような侍女の部屋である可能性が高い。ドアには鍵がついていないことは確認済みである。


 よし!


 セリンには申し訳ないけど、最終日戻ってくるということで。


 私は音を立てないようにゆっくりチェストから下りると、ドアまで歩き、ドアノブに飛びついた。その勢いでドアを開ける。


 キ——


 少し音はしたけれど、気にしてはいられない。すぐに外に出てお尻でドアを押した。


 ガチャ


 ドアが閉まる音がする。


 よし!


 次!!


 キ——


 急いで隣の部屋のドアノブに飛びつき、ドアを開ける。


 ガチャ


 扉の閉まる音が部屋に響くが部屋の住人が動く様子はない。


 よし!!


 私はドアノブから下りると素早くベッドの下に潜り込んだ。


 任務完了!!


 無事に隣の部屋に移動できた。

 あとはこの部屋の侍女たちがおしゃべりなことを願おう。


 ホコリだらけだが気にしてはいられない。

 また、明日と目を閉じた。


 こうして3日目が過ぎ去った。

 



 


 

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