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お隣探検


 本来ならここでランチと言いたいところだが、残念ながら朝、今日の分は食べてしまったのでお預けである…いや、待って……昨日食べてない物があるかも!?


 バックをあさるとパンと牛乳とベーコンがでてきた!


 よし!今日は運動したし盛りだくさん食べられそう!!


『ユアン食べていいわよ』


 じっとこちらを見つめているユアンに声をかける。


「いただきます」


 言うやいなや、すぐに食べ物を口に入れて食べ始めた。そしてあっという間に食べ終わる。もちろん牛乳もすぐに飲み干した。牛乳飲み方もストローからきちんと飲めて完璧である。


「おいしかった!」


 ユアンはニコニコ満面の笑みを浮かべた。


「いただきます」「おいしかった」など教えたことはすぐに活用できている。やはり知能もかなり高いのかもしれない。


『じゃあユアンはお昼寝ね』


 ユアンはその言葉にこくりと頷き、私を抱き上げる。


『待って、ユアン!私は今日は別行動するわ!』


 ユアンはその言葉を聞き辛そうな顔をする。そしてそのまま私を抱きしめる。


「……ミケ、いっしょ」


 いやいや、昨日の二の舞はごめんである。何とか別行動していろいろ仕入れないと。


『もちろん一緒にいるわ。ただ、ユアンはお昼寝している間だけ、少し隣の部屋に行きたいの』


「じゃあユアンもいく」


『だめよ!私は見つかってもぬいぐるみのフリができるけど、ユアンはできないでしょう?それにユアンが大きくなるのにお昼寝は大切よ』


「……おおきくなる?」


『そう。もっともっと大きくなって私を守ってくれないと』


 そうなるように私が育ててみせるわ!!


「……ユアン、おおきくなってミケまもる。わかった。ユアンおひるねする」


『その前にユアン、今近くで足音が聞こえる?』


 ユアンは遠くの音も聞き取れるみたいだから、念の為確認してもらおう。


「……きこえない」


『よし!ならば今がチャンスね、ユアンは早く寝ましょう』


 ユアンはこくりと頷いた。


『お休みなさい』


「おやすみなさい……」


 私と同じ言葉を繰り返すと、ユアンは瞼を閉じた。


 さて、さっさと行きましょう!!

 お隣さん探検に。

 昨日見た感じどの部屋も同じようなつくりだったから、おそらく隣も召使いの部屋か、倉庫のはず。


 タイムリミットは30分。何か良いものをゲットできると良いのだけど。


 さて、どこから隣の部屋に行くかだけどドアを開けて正面突破!!といきたいのだが、鍵がかかっている可能性もあるので却下。


 で、どうするかというと昨日見つけた壁の穴!隣まで空いてるようだったからそこから侵入を試みる計画である。


 穴の大きさもちょうど私が入れるくらい。途中で引っかからないことを願って……手に巾着を持ったし準備完了。


 いざ、出発!!


 私は匍匐前進を開始した。


 よし!到着!!


 壁自体薄かったので、一瞬で隣の部屋に出た。……と、お腹がつかえてる!?


 ヤバい!!


 腕の力を使って、何とか身体を前に押し出す!


 ポン


 と効果音が鳴りそうな感じで、一気に身体が隣の部屋に出た。いてて……と思ったらどうやら私に痛覚はないらしい。ラッキーである。


 さていらない時間をロスしてしまったが、早速部屋を物色しないと。


 私の予想通り、どうやらこの部屋は倉庫のようである。いろいろな物が雑然と置かれている。


 キョロキョロと部屋を見て回る。……何かめぼしい物は……。


 使わなくなった家具や、花瓶、絵画に掃除道具などが目に入るが、家具は重くて持てないし、急に掃除して部屋が綺麗になるのもまずいし、花は飾らないし、もっと小さくて使えそうな物はないかな……。


 夜会用の衣装やマスクなんかもあるけれど、埃をかぶっていてかなり古そうである。


 そんなに広くない部屋なのですぐに一周してしまう。


 うーん。何かないか何か。


 あれは……奥に本棚があり、様々なジャンルの本が置かれている。かなり色あせているので、読まなくなった本をまとめて置いている感じである。


 ちなみに異世界転生特典なのか、言葉と同じように文字も日本語とは似ても似つかないが、何て書いてあるかが分かる。前世は必要に迫られて必死に勉強して複数言語理解できるようになったけど、今回は自動翻訳機が自分についているようでラッキーである。


 よし、この一番小さい本なら何とか読める!!これを持って帰ろう。


 あとは……。お金とか落ちてないかな……。


 キョロキョロ見渡すが、残念ながら発見できなかった。


 体内時計ではそろそろ活動時間のリミットがきそうである。とりあえず、ユアンのところへ戻ろう。


 私は本を引きずり、もと来た穴へ戻る。


 帰りはつっかえずに戻れますように。


 とりあえず本を通すのが先ね。


 何とか押し込もうとするが、穴の大きさが小さすぎて入らない。


 つまり持って帰れないということだ。


 トホホ……。


 収穫無しだがとにかく私は帰らねば。


 よっと穴に身体を押し込む。


 ヤバい……やはりつっかえている。

 それに行きよりも何だかつっかえがひどい。身体を押してみるがびくともしない。上半身はユアンの部屋に出ているのに……焦ってガサゴソしていると、急に身体が動かなくなった。


 まさかの……活動限界!?


 そんな……。


 情けない姿でピクリとも動かなくなる。


 ヤバいわ……ヤバいわよ。


『ユアン——!!!』


 


 

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