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最強の力を知らない神獣少年の冒険譚  作者: RJ


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5/8

レイのギルド登録

朝。


冒険者ギルド。

レイは入口の前で落ち着きなく尻尾を振っていた。

「今日は冒険者になる日だよね!?」

セリナ・フィア。

「そうだ」

「今日はレイの登録日だ」

レイ。

「やったー!」

アリサ・リリー。

「ついに正式な冒険者だな!」

レミナ・サリ。

「まずは登録からですよ」

アイリス・ノエル。

「たぶん興奮してる」

レイ。

「してる!」

ギルドの扉を開く。

ガチャ。

中は朝から賑やかだった。

冒険者A。

「お、昨日の子だ」

冒険者B。

「白い耳の子か」

冒険者C。

「可愛いなぁ」

冒険者D。

「やっぱり女の、、、」

レイ。

「僕男の子!」

冒険者D。

「まだ最後まで言ってねぇ!」


ギルド中が笑いに包まれた。

受付へ向かう。

ミリアが笑顔で迎える。

「おはようございます、レイくん」

レイ。

「おはよう!」

ミリア。

「今日は冒険者登録ですね」

レイ。

「うん!」

「冒険者になる!」

ミリアは一枚の用紙を差し出した。

「まずは登録用紙を書いてください」

レイ。

「書く!」

椅子によじ登る。

真剣な顔でペンを握った。

名前。

レイ。

年齢。

8歳

種族。

レイ。

「しゅぞく?」

ミリア。

「人族とかエルフとかですよ」

レイ。

「わかんない」

四人は少しだけ顔を見合わせた。

レイは自分が何者なのか知らない。

結局。

種族は

不明

になった。

さらに書いていく。

好きな食べ物。

あんぱん

クリームパン

ミリア。

「そこは書かなくていいですよ!?」

レイ。

「えっ!?」

アリサ。

「やっぱり書いた!

アイリス。

「予想通り」

レミナ。

「ふふっ」

書類を提出する。

「はい、これで大丈夫です」

レイ。

「もう冒険者!?」

ミリア。

「まだですよ」

「次は能力測定です」

レイ。

「能力測定?」

測定室へ移動する。

部屋の中央には巨大な水晶があった。

レイ。

「おおおおお!」

「綺麗!」

ミリア。

「この水晶で冒険者ランクの目安を測ります」

レイ。

「みんなもやったの?」

セリナ。

「ああ」

レミナ。

「私達は登録済みです」

アリサ。

「星風の旅団は全員Bランク!」

レイ。

「Bランク!?」

アイリス。

「一応」

レイ。


「すごい!」

目がきらきら輝く。


「僕もBランクになる!」

アリサ。

「いきなりは無理だ!」

レイ。

「えー!」

周囲には見物人が集まっていた。

冒険者A。

「星風の旅団の新入りか」

冒険者B。

「8歳なんだろ?」

冒険者C。

「普通ならEかDだな」

冒険者D。

「まあ子供だしな」

ミリア。

「じゃあ手を置いてください」

レイ。

「うん!」

ぺたっ。

静寂。

数秒後。

ピキッ。

レイ。

「?」

ミリア。

「え?」

ピキピキピキ。

次の瞬間。

バキィィィン!!

水晶粉砕。

沈黙。

レイ。

「壊れた」

ミリア。

「え?」

冒険者達。

「え?」

「ええええええええ!?」

ギルド中が大騒ぎになった。

冒険者A。

「壊れたぞ!?」

冒険者B。

「測定水晶が!?」

冒険者C。

「初めて見たぞ!」

レイ。

「僕なにもしてないよ!?」

耳がぺたんと垂れる。

ミリア。

「だ、大丈夫です!」

「予備がありますから!」

二台目の水晶が運ばれてくる。

レイ。

「今度こそ!」

セリナ。

「気合いを入れるものじゃないぞ」

ぺたっ。

水晶が激しく輝く。

ブオオオオオ!!

レイ。

「おおー!」

次の瞬間。

バチバチバチ!!

ドォォォン!!

水晶爆発。

全員。

「ええええええええ!?」

アリサ。

「爆発したぁ!?」

レミナ。

「そんなことあります!?」

アイリス。

「初めて見た」

その時。

奥の扉が開いた。

ドン。

白髪混じりの髭。

鋭い眼光。

巨大な体格。

ギルドマスター、ガルド。

ガルドは壊れた水晶を見る。

爆発した水晶を見る。

そしてレイを見る。

レイ。

「こんにちは!」

ガルド。

「お前がやったのか」

レイ。

「ごめんなさい」

「壊すつもりじゃなかった」

ガルド。

「そうか」

怒る様子はなかった。

三台目。

最後の予備。

ガルド。

「これで最後だ」

レイ。

「わかった!」

ぺたっ。

水晶が光る。

文字が浮かび始めた。

E


D


C


冒険者達。

「おっ」


B


A


冒険者達。

「速いぞ!?」

ガルドは目を細める。

そして。

一瞬だけ。


S


ガルド。

(今……Sか?)

次の瞬間。

バァァァァン!!

三台目も粉砕。

冒険者達。

「また壊れたぁ!?」

「なんなんだこの子!」

「意味がわからん!」

レイ。

「また壊しちゃった……」

耳もしゅん。

尻尾もしょんぼり。

「ごめんなさい……」

その姿はどう見ても普通の子供だった。

ガルドは黙ってレイを見る。

(見間違いか……?)

世界にはSランク冒険者が五人しかいない。

国王ですら敬意を払う存在。

そんな力を持つ者が、

こんな小さな子供のはずがない。

しかし。

(妙だな……)

レイから時々感じる不思議な気配。

一瞬だけ見えた”S”。

ガルドの胸に小さな違和感が残った。

ミリア。

「測定不能です!」

冒険者達。

「測定不能!?」

ミリア。

「初心者なのでDランク登録になります!」

レイ。

「Dランク!」

「冒険者だー!!」

飛び跳ねて喜ぶ。

その時。

アイリス。

「レイ」

レイ。

「なに?」

アイリス。

「ポケット」

レイ。

「?」

ごそごそ。

あんぱん。

クリームパン。

あんぱん。

クリームパン。

あんぱん。

クリームパン。

全員。

「多い!!」

ミリア。

「どこから出したの!?」

冒険者A。

「またパンか!」

冒険者B。

「本当に6個持ち歩いてるのか!」

アリサ。

「だから言ったでしょ」

レイ。

「今日はお祝いだから!」

レミナ。

「普段も同じですよね?」

レイ。

「うん!」

ギルド中に笑い声が響いた。

その笑い声の中で。

ガルドだけは少しだけレイを見つめていた。

(ただの子供……なのか?)

その疑問はまだ小さい。

だが確かに、


ガルドの心に残ったのだった。

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