表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悲劇の英雄が死ぬまでの長い長い物語  作者: サン
第四章 隊長時代

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
53/54

第五十二話 要塞

謎のドラゴンとヴァイス・シュランガの戦闘を目撃してから1週間、険しい山脈を進み続けついに一行は目的地へと到着していた。


「あれが……ケルグ要塞……。」

「うわぁ……。」


始めてみるその要塞はただただ美しかった。

一つの山を丸々要塞にしているのかとてつもない規模の要塞であり、何重にも作られた城壁はありとあらゆる敵を拒むことができるだろうし、いたるところに設置されているバリスタや投石機は容易に敵を撃ち倒すことだろう。


帝都の帝城のような芸術的な美しさは無い。

だが要塞からは機能美が感じられた。


そして真っ白な白銀世界の中にそそり立つ石で造られた灰色の要塞は遠くからでもよく見え、よく目立った。


この要塞ははるか昔に建造されたながらも改修が繰り返されたことで時代遅れと言われることはなく、過去にたった一度だけあったロッド王国の攻撃には圧勝している。

敵軍は圧倒的な戦力だったのにも関わらず。




「ここでどれくらいの間過ごすんだろうな。」


カルドがふと呟く。


「まあ……当分はいるんじゃない?」

「次の戦争が始まるまでは間違いなくいるだろうなぁ。」

「それでは魔物退治が主任務だろうね。」


そうこう話しているとケルグ要塞が近づいてきた。

近くから見ても圧倒されるような雰囲気を醸し出している。


「……よくこんな山脈のど真ん中に建てられたなこの規模の要塞。」

「石自体はここらは岩山ばっかだからすぐに手に入るし材料には困らなかったみたいだよ。」

「そうじゃなくて……魔物だよ。魔物に襲われるだろ?」

「それは魔物ですらこの要塞を攻められないと判断したから魔物が来なくなったんだよ。」

「それは今の話だろうが。建造作業中の話だ。」

「それは知らん。」

「使えねえ副隊長だなぁ。」

「ええ……? そんなこと言われても……。」


そして手続きなどをすませ、ついに要塞の中へと入っていった。

要塞内には多くの騎士たちがいた。

騎士以外にも研究者のような人間もいれば武器の作製、手入れなどのためか鍛冶師もいるようだった。


「もはや一種の街だな……。」


事実、この要塞は防衛施設であると同時に山脈の魔物を調査する研究所でもあり、良質な鉱石が採れる鉱山街でもあるのだ。

当然、軍事拠点でもあるのであちこちで騎士たちが鍛錬に励む姿が見られる。


中には明らかに練度の高そうな部隊もいる。

恐らくカルドが子供だった頃にあった戦争の時には既にいた騎士たちだろう。

他の騎士たちよりも装備も上質だ。


「さて、俺たちは物資届けに行くからここでお別れだな。」

「ああそういえばそうだった。お元気で。」

「お前たちもな。」


先輩たちとも別れ、カルドたちは上層部の人間がいる指揮所に向かった。

例のドラゴン騒動について話すためだ。

しばらくして、上層部の人間と会えることになった。


普通、そんなに早く上層部と会えることはなく、アポイントをかなり前から取っておかなければ会えないはずだ。

それに疑問を覚えながらもその上官が待っているという部屋に向かった。


「ここ……?」


文官に案内された先は要塞の中でもかなり奥の部屋だった。

他の上官の部屋と比べても扉だけでもかなり豪華だと分かる。

しばらくの間、固まっていたがいつまでもそうするわけにはいかないので扉を恐る恐るとノックする。


「入って構わんよ。」


中から返事が返ってきたため扉を慎重に開けて中に入る。

そこには予想外の人物がいた。


「そこの椅子に座って構わんよ。……それで話とは何かな?」


エコム。

黒曜騎士団の現騎士団長だ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ