表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悲劇の英雄が死ぬまでの長い長い物語  作者: サン
第四章 隊長時代

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
50/51

第四十九話 白蛇

補給部隊と共に街を出発してからしばらくして、一行はケルグ山脈の近くまで辿り着いていた。


「久しぶりに見たけどやっぱ絶景だな〜。」


地平線には真っ白な山脈、ケルグ山脈が見える。

ちなみに今のセリフを言ったのはカルドではなく補給部隊の人間、つまり騎士団の先輩たちだ。


「そうか、黒曜騎士団に入る新人は最初ここに送られるから先輩たちも見たことがあるのか……。」


カルドが納得していると先輩たちが思い出話を始めた。


「かれこれ数年ぶりだな。」

「懐かしいなぁ。」

「いや〜教官が本当に鬼みたいな人だったなぁ。」

「俺は魔物討伐の時に吹雪に巻き込まれて遭難しかけたんだよ。寒かったなぁ……しかも魔物にも襲われたし。」


中々壮絶な経験をした先輩がいることを知りつつカルドも懐かしんでいた。

懐かしむといっても半年どころか数カ月も経っていないのだがそれでもやはり懐かしいものだ。

シンもそれは同じなのかケルグ山脈を眺めている。

その時、シンが首を傾げた。


「ん? あれって……。」


その声に釣られてシンの目線の先を見ると地平線の彼方にチカチカと何かが光っている。

小さめだが音も鳴っているしどうやら雷のようだ。


「まさか……。」

「あの蛇……?」


カルドとシンが顔を見合わせる。

二人の脳裏には魔物討伐の時に遭遇したあの真っ白な大蛇が思い浮かんでいた。

そして周りの人間もざわめきながらその方向に目を凝らす。

すると山の陰から突然大きな大蛇が現れた。

間違いなくあの時遭遇した大蛇の魔物、ヴァイス・シュランガだ。


「ヴァイス・シュランガ!?」

「白銀の雷神だ!!」


先輩の一部も気づいたのか声を上げる。


「知っているんですか?」

「ああ……一度だけ山脈の調査任務中に見たことがある。こんな場所に出るような魔物じゃないはずなのに……。」


すると突然、大蛇がとてつもない光を放った。

次の瞬間、大きな音が響き渡った。


「うわっ!?」


思わず悲鳴を上げてしまうほどの音だ。

もう一度目を凝らすと大蛇の周りでポトポトと何かが墜落している。

他にも小さい影が幾つか蝿のように大蛇へ群がっている。

飛んでいるしドラゴンの群れだろう。


一瞬、ここらへんに生息しているワイバーンが殺されたのかと思ったが前見た時はワイバーンは周りを飛び回るだけで攻撃しようとしていなかったし大蛇も攻撃はしなかった。

恐らくワイバーンからしたらどうせ勝てないからあくまで警戒、大蛇からしたら攻撃してこないな し攻撃されたところで余裕だから放置、といった関係なのだろう。

実力差的に他の魔物たちもワイバーンと似たようなことになっているだろう。


つまりあの飛び回っているのはワイバーンはもちろん、あの大蛇の恐ろしさを知っているここらへんの魔物ではない。


見れば小さい影は炎を放っている。

ワイバーンは炎を吐けないのでやはりワイバーンではない。

だがあそこには数十匹ほどおり、ここまで群れるドラゴンは中々いない。

ワイバーン以外であそこまで群れる種があっただらうか。


しばらくすれば大量のドラゴンたちは一斉に飛び去った。

まったく同じタイミングで逃げ出しているのは素晴らしい連携力があるからできることだ。

あそこまで完璧なタイミングでしかも同じ方向に飛び去っているのは壮観な光景だ。


大蛇も追い打ちする気は無いのかそもそもあの雷はあまり射程距離が長くないのか、はたまた連続して雷を降らせられないからかは知らないがドラゴンたちを攻撃することなくそのまま山脈の奥へと去っていった。


「一体なんだってんだ……。」


一部始終を見ていた一行は呆然とするのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ