第二十三話 戦場
敵の槍兵を斬り殺したカルドに向かって槍兵の後ろにいた敵の若い、といってもカルドと同じくらいの歳の傭兵が大声を出しながら両手剣を振り下ろしてきた。
「てああぁぁ!」
それを盾で防ぐと強い衝撃が左手に伝わるが歯を食いしばりしっかりと耐える。
すぐに両手剣の衝撃の勢いが落ちた。
それと同時のタイミングで盾で両手剣を弾き飛ばす。
両手剣をしっかりと握っていたためかスッポ抜けることはなかったが弾き飛ばされたことでたたらを踏んでいる。
カルドはチャンスを逃さず、すぐに踏み込むと喉元に剣を突き刺した。
血が噴水のように噴き出ると小さく悲鳴を上げて敵の傭兵は後ろへばったりと倒れ、永遠に動かなくなった。
だが息をつく間もなく、盾と斧を持ったつい先程の傭兵よりも経験豊富そうな傭兵とその横に並ぶ2人の槍兵が現れるとすぐに襲いかかってきた。
まず片方の槍兵が槍を素早く突いてくる。
槍というのは予備動作が分かりにくいので反応が遅れたが問題なく回避すると槍の棒部分をスッと切った。
あっという間に自分の武器を破壊されて驚愕している槍兵を蹴って斧持ちの傭兵に吹き飛ばして時間稼ぎをするとそちらに行こうとするフェイントをかけてもう一人の槍兵に近づき剣の間合いに捉える。
フェイントに引っかかった槍兵は驚きながら槍をカルドに叩きつけようとするが近すぎるため槍の先ではなく棒部分しか当たらない。
刃ならともかくただの木製の棒なので右手で受け止めると左手の盾を槍兵のお腹部分に思いっきり叩きつける。
鞣した皮鎧をつけていたようだが衝撃をどうにかできるわけもなく強い衝撃が槍兵を襲い、膝から崩れ落ちる。
そして崩れ落ちたところを剣で心臓があるであろう場所に突き立ててとどめを刺した。
その時には武器を失った槍兵は予備の片手剣を、斧持ちの傭兵はその斧をカルドの背中に振り下ろしていた。
だがそれに気づいていたカルドは一瞬で振り向くと斧は盾で防ぎ、片手剣は片手剣で防いだ。
押し合いになると2体1なので不利だがカルドはわざと力を抜くことで相手を大きくつんのめさせた。
片手剣を持っていた奴は一瞬で串刺しにする。
斧持ちはすぐに体勢を直し斧を横薙ぎに振る。
それを盾で防ぐと剣を引き抜き、斧持ちへ突き刺そうとしたが死体に根元まで刺さってしまっているせいで剣が抜けない。
それを認識するとすぐに剣を手放し、敵の持っていた剣に持ち替えて敵に突き刺した。
敵の斧持ちの傭兵が信じられないという表情で血を吐きながら倒れるのを尻目にすぐに近くの別の敵にカルドは斬りかかっていた。
―シン視点―
「なんだありゃ。」
敵の一人を押し合いの末に斬り倒して周りを確認したシンが独りごちる。
その視線の先に鬼神のごとき動きで敵を斬り倒していくカルドが見えた。
戦闘が始まって十分もしていないのに既に十人は斬り殺しているか無力化している。
「……俺も頑張らねえとな。」
そう呟くとすぐに近くの敵に狙いを定めて飛びかかっていた。
シンはこうなったが他の者もカルドの活躍を見て様々な感情を抱いていた。
畏怖、恐怖、嫉妬、羨望、期待、興味、好奇心。
目撃者はこの戦場の人間の一部。
彼らの記憶の中にカルドの姿と強さを深く刻み込まれることとなった。
戦闘シーンって文字だけで表すの大変だなぁ……。




