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悲劇の英雄が死ぬまでのありふれた物語  作者: サン
第二章 新兵時代

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第十七話 成長


「助かったーー!」


ワイバーンが去ったことを確認するとあちこちで一斉に歓声が上がった。

先程から異常事態の連続だったのだからようやく事態が収まって安心したのだ。


指揮官もワイバーン相手に立ち回っていたのだから咎める元気もないらしく疲れ切っている。


一行が動き出したのはしばらくしてからのことだった。


指揮官が一番早く立ち直ると部隊を纏め、怪我人の治療を始めた。

その後、カルドとシン、それ以外にも一部の比較的冷静でいられた人間が自主的に治療と周囲の警戒を始めた。


「全くひどい目にあった!」


カルドがとても苦い解毒薬を飲みながら言う。

それにシンが周りを警戒しながら答える。


「全くだよ。なんでこんなところにワイバーンなんて……。あの大蛇のせいなのかなんなのか知らないけど本当にいい迷惑だった!」

「新兵なのにワイバーンなんて戦わせられるなんてなぁ……さすがに想像できなかった……。」

「まあ勝てたからよし! ……そうだ!」


突然叫んだカルドに周りの人間が驚くがそれに気づかずに話を続ける。


「ワイバーンと戦ったのならレベル上がってるんじゃね!?」

「確かに!」


カルドとシンがほぼ同時にステータスを確認する。

そして覗き込むように見るとまたもやほぼ同時に2人は反応した。


「「えっ!?!?」」


その時、2人のレベルは急激に上がっていた。

カルドは31lv、シンは29lvになっていた。

これは驚くべきことである。 


そして2人の元のレベルはカルドは21lv、シンは20lv。

騎士を目指すだけあってこの時点で既に新兵のわりにはかなり高い。


なのに一気に10lv近く上がったのだ。

新兵なのに約30lvなど普通はありえない。


一般人のレベルの平均は大体5lv。

訓練された兵士で20lv。

ベテランの兵士で30lv。

騎士団長クラスで50lv。

70lvならその国で最強と言われるような存在だ。


つまり新兵でありながら実戦経験豊富なベテラン兵と遜色無いレベルなのだ。

それだけワイバーンが強い魔物だと言うことだろう。


格上相手に戦うとレベルが上がりやすいという傾向はあるもののそれにしたって大人数で戦えば貢献度に影響されて参戦していた全員に分配されるので少ししか上がらない。

つまり2人はかなり貢献したと判断されたのだ。

2人にとっては嬉しい誤算となった。


「やったぞーーー!!」

「一気に上がったぜ!」


周りの人間も歓声が上がっているところをみるに2人ほどではないにしてもそこそこレベルが上がったのだろう。


隊長も注意こそするが大幅なレベルアップの感動を知っているからか声を静かにするようにと言うだけだ。

感傷に浸らせてくれるらしい。

開けているので奇襲の心配もなく存分にレベルアップを喜んだ。


その後、戦闘中に逃げ出した連中の捜索のためにも1日だけここに留まるらしい。

半分は野営地を作り、もう半分はワイバーンの解体をし始めた。


「これ全部売ったら幾らになるかな……!」


シンが珍しく興奮しながらボソボソ呟いている。

それを呆れ顔で見ながらカルドが言う。


「全部国の物になるぞ。」

「そんなこと知ってるよ! 想像くらい自分の勝手だろ!? ……自分の物だったらなぁ……。」

「価値の高い物だしくすねたら物理的に首が飛ぶかもな。」

「だろうなぁ……さすがに首は飛ばんだろうけどろくな事にはならないだろうなぁ……欲しいなぁ……。」


ちゃんと理性のあるシンなので未練がましく呟きながらも解体に取り掛かったのだった。

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