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哀しいどこにでもある物語  作者: サン
第七章 動乱時代

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第百三話 再会


「ようこそケルグ要塞へ。我々黒曜騎士団は貴官等を歓迎しよう。」

「歓迎感謝します。」


赤竜騎士団側の部隊の纏め役がこちらと同じように決まり通りの言葉を言う。


現在は会議中なのだが歓迎式の代わりでもある。

本当なら、受け入れる騎士や新兵たちを集めて歓迎する行事をするべきなのだろうが、赤竜騎士団の騎士団長に必要ないと言われてしまえば仕方がない。


なので特に行事もなく、せめて相手の隊長くらいには歓迎の意を伝えようと思ってのこの打ち合わせだ。


「まさか新兵をこんなに受け入れてもらえるとは思っていませんでしたよ。黒曜騎士団と違って我々赤竜騎士団は何分、教育面にはノウハウがないもので……。にしてもあれほど受け入れられるのですか?」

「それは安心してくれ。さすがにケルグ要塞に全員纏めるわけではないからな。そもそも居住スペースが足りない。……にしてもこっちこそ、ちゃんとした騎士だけで一個師団近くも人員が増えてありがたい。それ以外の新兵たちだって、弱い魔物の討伐を訓練の一環でするので多くても特に問題はないし、良いことづくしだ。」

「それなら良かったですね。では、これからしばらく我々赤竜騎士団一同、世話になります。」


そのような会話をした後、部下たちに受け入れた赤竜騎士団のメンバーをそれぞれの寮へと案内させた。


これで魔物討伐などの問題は解決できるだろうが、また別の問題が増えるのは間違いないだろう。

新兵が問題起こしたり、違う騎士団同士でのトラブルだったりが予想できる。


頭痛がするほどではないにしても嫌な気分には変わらない。

最近、ただでさえ頭がぼ〜っとすることがあるというのに冗談ではない。

ネロにでも相談相手になってもらうかなと思いながら事務をするために部屋に戻ろうとしたその時、ふと後ろに気配を感じた。


「教官!」


自分を呼び止めたのだろうか。

だが、それなら騎士団長だとか、そういった言葉で呼ぶはずだが、教官とはどういうことか。

誰かに間違われたわけでもあるまいし、理由で見当もつかない。


すぐに振り向くと、赤い鎧を着た見覚えのない騎士が立っていた。

赤い鎧なので赤竜騎士団の人間らしい。

騎士としては中々珍しく、女だ。

見た目的には二十代前半ではなかろうか。


背は、カルドよりかはさすがに少し低いものの、体格はかなりしっかりしてて鎧越しでも鍛えられているのが分かる。

不安げにこちらに見上げている。


武器にも興味が湧いた。

変わった装飾の武器だし、形も普通とは違う。

カトラスやシミターの類にしては細長いし雰囲気がどうにも違う。

どっちにせよ、豪華でありながら実戦の邪魔にならないような装飾や雰囲気からしてかなりの一品のようだ。


そして、彼女の髪にふと目を向け、彼女が誰か分かった。




――――――――――――――――――――――



ああ、良かった。

気づいてくれた。

もしかしたら気づいてくれないかもと思ったけど、この髪のおかげかな?

何にせよ、懐かしいなぁ。

数年ぶりだけど、まさかまた会えるとは思ってなかったし、まさか騎士団長にまで出世してるなんて。


「私です。カーネです。」


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