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クロエの不思議な魔法の記録  作者: Sakusaku


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62/66

62: デートに行く2

 012


 パフェを食べ終えてから、私たちはショッピングモールで映画を観ることにした。


 映画館のゾーンに着いて上映スケジュールを見てみると……インド映画まで入っていた……なんだか妙なことに、チケットの値段が普通の映画の半額だった。


「クロエはどの映画が観たい?」


 ラブロマンス系もいくつかあったが……なぜかインド映画のチケットがあんなに安いのかが気になってしまった。


「これにする……」


「インド映画?……ロマンス系のものを選ぶかと思ってた……」


「私、どのジャンルでも観られるよ……幽霊さえ出てこなければ……」


「あら〜、アンダーソンさんも幽霊は怖いんですか……」


「全然怖くないけど……」


 私たちはチケットを買う列に並んだ……スタッフにどの映画を観るか聞かれると、私はインド映画を指差した。スタッフはちょっと待ってくださいと言ってから、巨大なポップコーンのバケツと花火を持って戻ってきた。


「はい……合計で銀貨20枚になります」


 合計金額は普通の映画のチケットと同じくらいだった。


「チケットが半額なのって、このためなんですか?」


 ポップコーンはまだいい……でも花火って何なの。


「あら……インド映画を初めて観るんですね。では簡単にご説明しますね。インド映画はとにかく豪華絢爛で、プロットの穴は一切気にしないスタイルなんです。辻褄が合わないことがあっても、映画だから仕方ないと思っていただければ……」


「……はい」


 私とルイスは顔を見合わせた。


「あと、インドの農村地帯には映画館がないんです。誰かが映画を観たい時は村長に車で連れて行ってもらうようにお願いして、村長が村の人たちも誘って街の映画館まで行くんです。だからインド映画はとても長くて、だいたい三時間半くらいあります。観客が一番お得に感じられるようにしてるんですよ……ポップコーンのバケツと花火をお持ちしたのは、インドでは主人公が登場するシーンになるとみんな嬉しくてポップコーンを投げて花火を打ち上げるんです……」


 え。


「花火を……映画館の中で……危なくないんですか?」


「そうなんです……映画の上映権を買い取って、その地域の風習に従っているわけです。あ、ご心配なく、お渡しする花火は紙製なので絶対に火は出ません……楽しんでくださいね……」


 私はもう一度ルイスの顔を見た……


 スタッフの「楽しんでください」という言葉が、脳みそに深く刻み込まれてしまった。


「……たぶん大丈夫だよ」


「そうだといいんだけど……」


 私たちは一番上の段に座った……そして映画が始まった……最初はそれほど変わったところはなかった。


【リボンによるインド映画についての知りたくもない豆知識・その一】インド映画はインドのCMがとても長いため、一時間ごとに休憩が入る。CMの後には必ずあらすじのおさらいが流れるが、特にアクション映画はひどいもので、例えば主人公の友人が序盤で死んだとすると、十分後にその友人がどのように死んだかのおさらいが流れる。その後また誰かに友人の死について尋ねられると再びおさらいが流れ、主人公が悪役と戦いに行く前にもまたおさらいが流れる。これが最後まで続く。つまり一時間遅れで映画館に入っても普通についていける。


 私たちが観たのはスパイ映画だった。ざっくりとこんな内容だ。


 悪役が大統領に電話して「あなたとご家族を殺す」と告げると、大統領は飛行機で空に逃げた。するといきなり、十一年間仕えてきたボディガードが機内の全員を撃ち、大統領も撃ってしまった。大統領は言った。


「私は……ずっと……あなたを信じていた……なぜだ……」


 ボディガードはマスクを外しながら答えた。


「なぜなら私は……二重スパイだからです」


「な……なぜ……」


「あなたは……私のことを一度も評価してくれなかったから……」


 そしてまたフラッシュバックシーンが入った。二重スパイはもう一発撃とうとしたが、弾が切れてしまった。大統領はすかさず銃を抜いて撃ち返した。


「さあ……撃ってみろ……」


 大統領は言った。


「私は大統領ではない。実は私こそがあなたの本当のボスだ……」


 そしてマスクを外した。


「さあ……自分の大統領を撃てるか?愛国心があるのか!インド・ファースト!」


「ぐっ!」撃てなかった。


「結局……できないか……」と撃とうとしたが、「実は……私も二重スパイなのだ」と言ってさらにもう一枚マスクを外した。


 すると別の悪役グループが忍び込んできて大統領は片付いたかと尋ねた。大統領に成りすましていた人物は片付いたと答えた。


 するとたまたま!その会話を聞いていたパイロットが機内の全員に向かって言った。


「貴様らは二重スパイだな!俺はこの飛行機を爆発させる」そしてナイフで自分の首を切って飛行機を墜落させようとした。大統領に成りすましていた二重スパイは言った。


「実はスパイになる前は空軍大佐だった。飛行機の操縦ができる」そして飛行機を操縦して見せた。


 するとその瞬間……F-16戦闘機が撃ちに来た。


「待て!大統領はどうした」


「大統領は……もうずっと前に亡くなっている。新しい首相が見つかるまで私が代わりを務めているのだ」


「じゃああの人の家族は……あなたが殺したのか」


「それも計画の一部だった……怒らないでほしい」


 だが幸いにもそのF-16はインドのものだったので、緊急着陸しようとした。でもミサイルが飛んできて、それはパキスタンのF-16が放ったもので、そのミサイルがインドのF-16に命中して墜落させた。さらにもう一発撃ってくると、ボディガードに成りすましていた二重スパイが脱出しようとした。


「パラシュート!!!一つしかない」


 飛行機を操縦していた二重スパイはボディガードに成りすましていた二重スパイを下に突き飛ばした。


「インド・ファースト。幸運を祈る……」


 そして自分も飛び降りた。ウィングスーツを着ていたが、撃たれてウィングスーツが破れてしまった。仕方なく機首が今にも折れそうな飛行機に戻った。


「ゆっくり滑空していくしかない……あとは死ぬ時に死ねばいい」


 するとなんと!ステルス戦闘機が飛んできた。撃ちに来たのではなく、扉を開けてニンジャを五人放出し、彼が下に落ちないように押さえた……


 ニンジャ!これは誇張じゃない……映画に本当にこういうシーンがあった。


 そして彼はニンジャと戦った……高度五万フィートの飛行機の上で、空中で。


 映画館の観客たちは一斉に大騒ぎし始め、みんな一斉に紙の花火を打ち上げ始めた。ポップコーンを投げている人もいた。


 ライブ配信までしている人までいた……本当に面白い映画だった。


 ニンジャが打ち負かされて銃を取り出すと、彼は爆弾を投げ返した。爆風で彼は落下してエンジンに吸い込まれそうになった。ニンジャから奪ったパラシュートを広げると、パラシュートがエンジンに吸い込まれて飛行機が目の前で爆発し、フラッシュバックシーンへ。


「インド・ファースト……私にはここまでしかできなかったな……みんなを愛している……この国を愛している……」


 ところが……ボディガードに成りすましていた二重スパイは、ふと気づいた。あの男はただの上司ではなく、内戦の頃から知っている旧友だったのだ。


 彼は自分の体に電気を流し……体が空中に浮かんだ……そして友人を抱きしめた。


 そしてパラシュートを広げて無事に地面に着陸した。


「やったああ!!!!」


「最高だぞ!!!!!!!!」


 ポップコーンを投げる人もライブ配信する人もさらに増えた。


「クロエ……」


「ん?……」


「帰ろう……」


「そうだね……」


 そして私たちは映画館を出て、そのまま寮へと向かった。


「送ってくれてありがとう……」


「なんていうか……今日は驚きの連続だったよね……」


「ははっ……本当に……あんな映画があるなんてびっくりしすぎ!!!」


 二人で自然に笑い合った……初めてのデートだったけど……悪くはなかった。


 8点満点中10点をつけてあげよう。

ここタイの映画館でインド映画を観る機会があったのですが、ネットで話題の動画にあるような花火(館内への持ち込みは禁止ですからね)こそなかったものの、実際にポップコーンを投げたり、映画をライブ配信したりする人たちが本当にいました。

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