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クロエの不思議な魔法の記録  作者: Sakusaku


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50/59

50: 月の王子ツクヨミと太陽の姫アマテラス。

 ## 009


 ガキッ……《117,988,751→117,988,750》


つきやしない……ささえる……』


 ラケスがルーンを起動きどうすると……クロエとルイスはあふれんばかりの膨大ぼうだいちから身体からだれるため、つよにぎった……


 金色こんじきひかりがたちまちあらわれ、金色こんじき魔力まりょく二人ふたり全身ぜんしんつつはじめた……


 ラケスの能力のうりょくとは、二人ふたり人間にんげんつきかみ太陽たいよう女神めがみやくてはめることだ……その二柱ふたはしらちからがラケスのわせた相手あいてさずけられ、えらばれた二人ふたり魔力まりょく各種能力かくしゅのうりょくかみ匹敵ひってきするほどたかまる……ただし制約せいやくとして、二人ふたりはあらゆる行動こうどう可能かのうかぎ同調どうちょうさせなければならない……すこしでもどちらかがずれると、片方かたほうはウケモチのごとく即死そくしする。


 しかしそのわりにられるのは、メグミでさえ容易たやす相手あいてにできないかみいきちからだ。


 やくになもの性別せいべつわない。だれでもツクヨミにもアマテラスにもなれる。


 通常つうじょうちからったもの外見がいけん変化へんかはなく、ほか支援魔法しえんまほうおなじだ。


 しかしまれに、わされた二人ふたり信頼しんらい非常ひじょうふか場合ばあい、ラケス自身じしんにも理解りかいできない奇跡きせききることがある。


 たがいへの信頼しんらいきわめてたかものちからけると……その衣装いしょうわる。


 金色こんじきひかりえると、アマテラスのやくになったルイスは束帯そくたい姿すがたあらわれた。ただしかんむりしゃくはない。それまで無造作むぞうさろしていたかみはうしろにでつけられ、するど眼光がんこうあらわになった。


 一方いっぽう、ツクヨミのやくになったクロエは十二単じゅうにひとえつつんでいたが、檜扇ひおうぎっていない。ながれるような金色こんじきながかみはやや不釣ふついにえたが、ルイスのには彼女かのじょ七百万倍ななひゃくまんばい可愛かわいうつった……


 金色こんじきのオーラがかがやはじめると……魔女まじょたたかっていた学生がくせいたちもおもわず一瞬いっしゅんかえるほどだった。


 世界せかい魔女まじょ自身じしんも、二人ふたりちから以前いぜん数百倍すうひゃくばい——いや、数十万倍すうじゅうまんばいにまでがったことをかんった。


 そしていままでかくしていたたくらみが、すべて相手あいてまれていると即座そくざさとった……


 魔女まじょ地中ちちゅうばしたつる使つかい、結界けっかい外側そとがわから魔力まりょく吸収きゅうしゅうして自身じしん回復かいふくさせようとしていた……たたかいながら回復かいふくするにはなが時間じかん必要ひつようだった……


 ルイスとクロエは同時どうじ魔女まじょへとのひらをけた……金色こんじき光線こうせん両手りょうてからはなたれ……魔女まじょ両腕りょううでふせいだ。


 その結果けっか両腕りょううでくずれた。


 うで回復かいふくしようとしたその瞬間しゅんかん……


「マジェスティ☆セイバー!」


「やあああああ!!!!」


 メグミと千吉せんきち一太刀ひとたち両腕りょううでとした。


「ウェンディ!!」


了解りょうかいです先輩せんぱい!!」


 ガキッ……《8,213→8,212》


『Daichi Areana……』


 ずっと好機こうきっていたウェンディがすかさず自分じぶんのルーンを起動きどうした。半径はんけい500メートル以内いないにボクシングリングが出現しゅつげんした。


 Daichi Areanaは戦闘せんとうけい分類ぶんるいされる拘束こうそくがたのルーンだ……てきをボクシングリングないめ、やく20分間ふんかん一時的いちじてき魔法まほうふうじる。その20分間ふんかんのうちに相手あいてをノックアウトしなければならない。成功せいこうすれば勝利しょうり失敗しっぱいすればてき魔法まほうもどし、リングないけたきずもすべて回復かいふくする。


 だからウェンディは、魔女まじょ本当ほんとううごけなくなる瞬間しゅんかんってからルーンを使つかったのだ。


 この能力のうりょくないてんは、だれでもリングにはいれることだ。両陣営りょうじんえいとも何人なんにんでも参加さんかできる。ウェンディがわ武器ぶき魔法まほう自由じゆう使つかえるが、けたがわは20分間ふんかん魔法まほうふうじられる。敵側てきがわ魔法まほうふうじられるのは一人ひとりだけだ……魔女まじょはそのことをらなかった。


 学生がくせいがわ圧倒的あっとうてき有利ゆうりだった……


 メグミと千吉せんきち魔法まほうけん魔女まじょを次々(つぎつぎ)とりつけ、リングないではやく20にん学生がくせい交互こうご攻撃こうげきくわえていった。


 テラシマの兄妹きょうだいたすけられた、魔女まじょ手下てしたにあやうくころされかけた男子だんし学生がくせい、メリンの氷柱つらら魔女まじょ眼窩がんかさり、すでに空洞くうどうだった貫通かんつうして後頭部こうとうぶまでたっした。


「よし!」


 氷柱つらら頭部とうぶつらぬいたのを確認かくにんしてから、かれはリングをた。


 全員ぜんいんすこしずつ攻撃こうげきくわえてはリングをて、そと体勢たいせいととのえた。


 医療部隊いりょうぶたいからインターコムで連絡れんらくはいり、負傷者ふしょうしゃ二名にめい安全あんぜん確認かくにんされた……池田いけだはそのはなれ、さき姫子ひめこ様子ようす確認かくにんしにかった。


 リングないのこったのはごく少数しょうすうだった。


 ルイスとクロエはおおきな魔法まほうけんした……二人ふたりつないだまま魔女まじょびかかり、完全かんぜん同調どうちょうした一撃いちげき胴体どうたいふたつにいた。


「「先輩せんぱい!!」」


 メグミ、太陽たいよう女神めがみつきかみのひらに魔力まりょくあつめた……


おく!! マジェスティ☆アーマゲドン!」


「「月明つきあかり!!」」


 のひらから光線こうせんはなたれた瞬間しゅんかん……かみ二柱ふたはしら匹敵ひってきする圧倒的あっとうてきちからと、四時間よじかんにわたってはげしくきずつけられた魔女まじょ身体からだあいまって、魔女まじょ身体からだすこしずつくずはじめた。


 {あ……}


 {なぜ……こんなにも……いたい……}


 すこしずつ……えていく……


 あのかたによって……つくられた……この身体からだが……いま……すこしずつ……ろうとしている……


 四時間よじかんもの苦痛くつうつづけた世界せかい魔女まじょは、てんからちてくるまえのことをおもかべた……


 だれかの笑顔えがおを……こうっただれかの笑顔えがおを……


あたらしい実験体じっけんたい……なかなか使つかえるじゃない……』


 まえ光景こうけいすこしずつうすれ……やがてちりとなった……


 地中ちちゅうつるすこしずつれていき……そして最後さいごに……


 世界せかい魔女まじょは……ついにほろぼされた。


 たった20分間ふんかんで。


 ---


 クロエとルイスの身体からだもと姿すがたもどった……二人ふたりとも自分じぶんしんじられなかった……シズクの結界けっかいえていた。


 弱点じゃくてんにも異常いじょうはなかった。


「やった……やったーーー!!!」


 クロエはうれしさのあまりおもわずルイスにびついてきついた。ルイスもかえして、一緒いっしょ勝利しょうりよろこんだ。


「トリックスター☆カムバック……」


 メグミはふたたび24さいのオフィス姿すがたもどり、インターコムで勝利しょうり宣言せんげんした。


世界せかい魔女まじょ討伐とうばつ任務にんむ完了かんりょうです!!!!!」


 あた一帯いったい歓声かんせいひびわたり、みなたがいに感謝かんしゃ言葉ことばわしった。わか学生がくせいたちのにぎやかなこえがしばらくあたりにあふつづけた。


 ---


「きゃーー!! やったやったーー!!」


「おつかさまでした、エミリーさん」


「い……い……いや……ほんとに……」


 メグミの宣言せんげんあと、エミリーはおおきな歓声かんせいげた。エミリー、ユイカ、ヤグチはつないでつくり、くるくるとまわはじめた。ユイカは表情ひょうじょうこそ平静へいせいだったが内心ないしんすこたのしんでいた。一方いっぽう双子ふたごおとうとのヤグチはまわっていまにもきそうなかおをしていた。エミリーはすっかりがっていた。


つかれましたね……」


 ラケスがかんのジュースをシーモに手渡てわたした。


「ありがとう……しかし……クロエはどんどん成長せいちょうしているな」


「キャサリンのようにすぐに上手うまくなるわけじゃないですが……それでも十分じゅうぶん頑張がんばっていますよ。それに意外いがいきもわっているし」


「そうですね……キャサリンがえてなければよかったんですが……」


 シーモのかお一瞬いっしゅんくらかげした。


「まだあののことがわすれられないのか?」


「ええ……あの二人ふたり(ルイスとクロエ)がちからけて衣装いしょうわった瞬間しゅんかん……はじめてキャサリンにこいちたときのことをおもしてしまって」


「……まったく、おまえというやつは」


「そういえば……あなたが支援しえん魔法まほう使つかって衣装いしょうわったのは、これで二度目にどめですよね」


「そうだな……自分じぶんちからをまだ完全かんぜんには理解りかいしていないが……たがいへの信頼しんらいふかければ……ほんちからあらわれるのかもしれない。最初さいしょ衣装いしょうわったのはおまえとキャサリンだったな」


「あのときおれくろいスーツで……キャサリンはしろいドレスでしたね」


 ラケスとシーモはまだづいていなかった——いや、見落みおとしていたのだ。ラケスのもうひとつの能力のうりょく——わされた二人ふたりたがいに純粋じゅんすいあい感情かんじょう場合ばあい二人ふたり衣装いしょうもっともよく似合にあかたちわるというものだ。


 その純粋じゅんすいあいは、両者りょうしゃたがいにおな感情かんじょうってこそ、条件じょうけん成立せいりつする……


 シーモはルイスをながめながら、かつての自分じぶん自身じしんおもかべた……


 学生がくせいたちの歓声かんせいちたそのよるに。


 〔つきがきれいだとおもわないか? キャサリン……〕

ついに全50章を書き終えました!やったー!いつも私の作品を応援してくださって本当にありがとうございます!これからも応援よろしくお願いします!

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