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クロエの不思議な魔法の記録  作者: Sakusaku


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30/58

30: 地獄2

 002


「おっ……まだ立ち上がれるのか」


「はっ……はっ……」


 なんとか立ち上がれたものの、膝がガクガクで体勢を保つだけで精一杯だった。


「もういいんじゃないか……もう少しで気を失うだろ」


「……………」


 今は……相手に勝つ方法を絞り出さなければ……


 ただ……触れさえすれば……


「うーん……体が回復するまで待ってもいいけど……時間は待ってくれないぞ!!!!」


 先輩が素早く左手を上げた。地割れの隙間から炎が火山のように噴き上がった。


 ガキッ!《364→363》


『YukiHime(雪原の姫君)』


 ドサッ!!!右手から大量の雪が飛び出した。私たちはそれで炎を消すことができた。しかし初めて氷の魔法を使ったばかりで、長く保てるわけではなく、すぐに消えてしまう……だから。


「ふむ?……」


 私たちは右腕を高く掲げた。模擬戦闘室は密閉された空間だ。部屋の温度を下げる作戦に使えるはずだ。


 雪が手から飛び出し、高速で天井へと飛んでいった。上まで届くと雪は氷の結晶となって広がり、部屋の中が徐々に冷えていった。


「なるほど……部屋の温度を下げようというわけか……でも熱射病が治ったからといって、俺に勝てるわけじゃないからな!!!!!!!!!!」


 アッキ寮長の顔がヤンキーそのものに変わっていった。漫画の悪役のような笑みを浮かべながら両手を広げると、手のひらに轟々と燃える炎が現れた。炎はそのまま彼の服を焦がしてしまったが、彼はまったく気にしなかった。


「よし……これだよ……さすがは教授陣が見込んだ選抜候補生!!!!!!!!!!!!!!!!!」


 アーディタクさんが腕を振り回すと炎が雪をすべて溶かしていった。


「はっ……」


 しかしそう簡単には溶けなかった。


「チッ……雪を見るたびにあの氷みたいな奴のことを思い出すんだよな……」


 空気が少し暖かくなったが、それほど問題にはならない。


 ガキッ!《363→362》


『Professor Compressor(大気調整装置)』


 私たちは風の魔法を使い、風の流れをコントロールして部屋をじわじわと冷やしていった……この能力はエアコンと同じような働きをする。だから上から流れてくる空気が下の雪と混ざり合い、部屋の温度をいくらでも下げることができた。


「……氷の粒子が辺り一面に広がって……何も見えない」


 今がその反撃の好機だ。


 彼が火属性の魔法を得意としているのはわかっている。だから彼の弱点が氷属性であることは言うまでもない。


 でも、アーディタクさんはあらかじめ勝利への道を塞いでいた。


【一ヶ月以内に火の魔法を使って私の体に触れることができたら……練習の認定証にサインしてあげるよ】


 火の魔法を使って攻撃して気絶させることは最初から不可能な話だ。


 でも……もし「魔法を使って触れる」という条件なら……私たちが持っているこの銃と弾丸も魔法と同じものだ……


 私たちは風の速さをどんどん上げていった。霧が濃くなって何も見えなくなってきた……


 ガキッ!《362→361》


『Molotov(火炎弾……)』


 小さな炎が再び現れた。私たちはそれを銃弾に溶かし込んで、彼の頭部に向けて正確に照準を合わせた。


「死んでも恨まないでくださいよ」


 これくらいしなければ勝てない……


「パン!」


 乾いた銃声が辺り一帯に響き渡った。目では見えなくても、彼の手にある炎を目印に狙いを定めた。


「……………????」


 銃声は確かに鳴った……でも当たった音もするはずで……


 ドカン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!


 その瞬間、私たちが持っていた銃がその場で爆発した。


「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!うっ……あぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」


 激しい痛みが全身を走った。爆発で生じた霧と煙で自分の傷が見えない。


 でも両腕に……もう何も感じなかった。


「まさかここまでやり合うとは思わなかったな……」


 どう……して……


 アーディタクさんが煙の中から歩み出てきた。目の前の光景が理解できなくて処理が追いつかなかった。


「でもまあ……わかってないんだろうな。弾丸が飛ぶには熱が必要なんだよ」


 銃弾が彼の額の真正面に迫っていた……しかし今は静止して、その場に浮かんでいた。


「弾丸の熱を止めただけで、弾丸は止まった……ああ、腕のことはごめんね」


 腕……!!!!!!!!!!!!!!!!!


「腕が……ない」


 あの爆発のせいだろう……突然痛みが消えるとはこういうことだったのか。


「ああ、心配しなくていいよ。もう焼いて塞いだから。怪我についても心配いらない。この部屋の中ではそれほど痛みを感じないから」


 反撃……できない。


「じゃあ今度はこちらから反撃させてもらうよ」


 彼が手を広げた……するとすべてが燃え始めた……


 あ……あ……これは私が……燃えているということ……?


 でも全然痛くない……VRゲームで一人称視点のまま燃やされているキャラクターのような感覚で……


 痛くない……何も起こらない……まるで……まるで……


 轟々と燃え盛るその炎が……私たちを解放してくれているかのようで……


 世界で一番優しい炎だった……それは……炎で……


 ……あの悪魔の炎とは、まったく別物だった。




「さあ……もう夕食の時間だな……」


「いつでもいいよ……また来たいときはさ……」


 来ればいい……




 最終的に……私たちはあっさりと負けた……


 不思議なのは……この模擬戦闘室は戦いで死んだ者を蘇らせることもできるということだ……


 次に戦う前に……まず火の魔法の本質を鍛えておかなければならない……

今日は祖母に「お前の作品は価値がない」と叱られたせいで、少し遅れてしまいました…。おかげで、読者の皆さんが今の私の家族なんだと改めて実感しました。昭和生まれの大人たちと暮らすのは、本当に大変なことですね。

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