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クロエの不思議な魔法の記録  作者: Sakusaku


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25/60

25: 優秀な学生候補者を選抜するための会議 1.

【クロエ……魔法を学びたい?】


【魔法!?そんなものが本当にあるんですか!?】


【ちょっと!……大きな声を出さないで!】


【どうしてですか?】


【聞いて……お母さん、これを私たちだけの秘密にしてほしいの……いい?】


【うん!】




【お嬢様が消えた!!!早く探して!!】


【警察と連絡を取って手配を!!】


【まさか……誘拐されたのか】


【悪魔の仕業ではないか……】


【そうだ!きっと悪魔に違いない!】


【奥方様が魂を悪魔に売ったという話を聞いたことがあるぞ……】


【そうだ……私も見たことがある。やはり奥方様は悪魔なのだ】


【違います!!!!お母様は悪魔なんかじゃない!!!!】


【大変だ……お嬢様が操られている!!!!】


【違います!!!!私は操られていません!!!!……お母様も悪魔じゃありません!!!!!!】


【お兄様、説明してください!なぜ黙っているんですか……お母様は悪魔じゃないって言ってください!!!!!】


【お父様も何か言ってください!!!!!お母様を愛していないんですか!!!!お父様!!!!!】


 001


 およそ一週間後、夕方近く


「さあ……行くわよ」


「かかってきて!」


 リボンが私たちを投げ倒そうと飛びかかってきた。でも私たちの方が速かった。腕を払いのけて、彼女を地面に押さえつけることに成功した。


「ついに……ついにできた!!!!!」


「やったね……おめでとう……」


 ウェンディ先輩とリボンが拍手して祝ってくれた。この一週間、懸命に練習してきてついに護身の型が使えるようになった。


「本当にありがとう。次の型は?」


「もう焦らなくていいわよ。少しずつ体に馴染ませていけばいいから」


 リボンはまだ床に寝転がったまま答えた。


「はあ……何か新しいことを習って実際に使えるようになると、言葉では言い表せないくらい嬉しいわね」


「まったくね……」


 私たちは手を差し伸べてリボンを起こした。壁にかかっている時計を見ると、もう夕方の六時になっていた。


「あっ……しまった。今日私の食当番じゃない。行くわよクロエ、お風呂は寮に帰ってから入ればいいから」


 そうだ……しかももうその時間だ。


「お先に失礼します、先輩。トーマスさんによろしくお伝えください」


「うん……運転気をつけてね」


「はーい」




 二人は着替えてから車に乗って帰った。リボンが窓を開けて走ると、汗が風に吹き飛ばされた。


 制限速度の二倍で走るリボンのおかげで、寮には十五分で着いた。


「ごめんなさーい、少し遅くなって……」


「今日の夕食がお寿司でよかったわね……作る時間がたっぷりあるから……」


「じゃあ先に着替えてくるわ!」


 夕食ができあがるまでの時間を借りてお風呂に入ることにした。


「はあ……」


 この一週間で魔法について前よりも少し多くのことを学べた。動きも以前より速くなった。でも体の痛みはまだそれほど和らいでいない。


「……………」


 残酷な裏側を目の当たりにし続けてきた貴族の生まれが、今は夢に見ていた普通の中学生のような生活を送っている……


 消えてしまいたいと思っていた。あんな嫌悪すべき社会から逃げ出せればと。でも今は、死なずにいてよかったと心から思っている。


「今頃、お母様はどこにいるのかしら……」


 私たちは壁に向かって呟いた。美しいお母様の顔が頭に浮かんだ……


「約束通り、魔法を学びましたよ……」


 でも今お母様はそこにいない……私たちが初めてルーンを使ったあの瞬間も……せめて褒めてほしかった……でも、もうそれは叶わない。


 それからすぐに、私たちはお母様の姓を名乗るようにした……あの家の人たちをもう二度と信じないと決めたから。


 みんなただお母様を傷つけた。みんなただお母様を憎んだ。みんなただお母様が魔法を使えることを妬んでいただけ……


 だからお母様はいなくなってしまった……永遠に。


「結局……私たちを受け入れてくれたのは、それまで一度も会ったことのない赤の他人だった」


 ここへ来ると……みんなが温かく迎えてくれた。私たちもそれに応えたいと思っている。


「周りにいた人たちは最低だった。全員死んで当然……だからこそ、出会ってまだ十日の友人たちこそが本当の家族よ」


 そうだ……友人との絆は、何物にも勝る。


 あの人たちこそがお母様を消した原因だから。


 本当に敬うべき人は、自分に優しくしてくれる人だ。


 イムプリジャンの……みんなが……私たちの家族だ……


 もう迷わない。前の世界のことはお母様のこと以外……全部忘れる。


 できることなら……あの記憶を灰も残らず燃やし尽くしてしまいたい。




 翌日……十時


 館内放送がある告知を流そうとして、短い音楽が鳴り響いた。教授と教室にいる全員が書く手を止めた。


【生徒会からのお知らせ……繰り返します。生徒会からのお知らせです。各寮の寮長および副寮長は、選抜候補生の選考会議のため、生徒会室までお集まりください。繰り返します……】


 恵先輩の声だ。マ―ベルとリボンが席を立った。リボンが臨時副寮長だったとは今初めて知った。二人は教室を出ていった。


「おっ……思ったより早く来たな……」


 教授が呟いた。


「選抜候補生の選考って何ですか?」


 私たちが聞いた。


「今、探索隊のライオット寮が……魔女の領域を発見したんです……」


 !!!!!来たのか……でも今の私たちはまだ魔法を十分に学べていない……


「でも心配しなくていいですよ……今はただ領域を発見しただけです。学院は各寮の代表を送り込んで魔女の能力を分析する戦いをさせて、それからいよいよ選抜候補生を突撃させるんです」


 なるほど。


「その間に……特殊なルーンを持つ生徒や、魔女の討伐に頻繁に参加してきた生徒には……しっかり準備しておくことをお勧めしますよ」


 教授がこちらにちらりと目をやった。召集される確率は百パーセントだろう。


「一ヶ月後に……準備を整えておくように」




 生徒会室・会議スペース


「さて……全員揃ったな……ラケス……」


「はい……こちらが、実戦に向けて皆さんに指導をお願いしたい選抜候補生の名簿になります」


 ラケスは十枚ほどの書類を二十部用意し、全員に均等に配った。


 生徒会の新メンバー、ルイス・シルバーウィングストンにも。


 二十人の会員が十枚の書類を読み終えると、ウィリアムが口を開いた。


「さて、この生徒たちについてどう思う?」


 今日の会議に呼ばれた者たちの名簿……


 ジャイアント寮長 トーマス・ターナー(28)ルーン:Gear Box


 ジャイアント副寮長 ウェンディ・フェリックス(19)ルーン:Daichi Arena


 ライオット寮長 シーモー・苗字なし(25)ルーン:Heat Weapon


 ライオット副寮長 エミリー・シーモーに倣い苗字を捨てた(7)ルーン:Target Locketup


 アッキ寮長 アーディタク・カンラ(22)ルーン:Fire Attention


 アッキ副寮長 マーラム・ラットナ(17)ルーン:Mirror


 フブ寮長 エバリン・苗字を捨てた(22)ルーン:冬永久


 フブ副寮長 ローゼント・ローゼンタル(16)ルーン:Ice Barrel


 ヴェント寮長 ドニー・ベネベント(28)ルーン:Oxygen Distortion


 ヴェント副寮長 チャンニニー・ラスプラカス(26)ルーン:Hurricane Cyclops


 らい寮長 雪村雪雄ゆきむらゆきお(17)ルーン:Tycoon Booster


 らい副寮長 杏里野崎麻里あんりのざきまり(17)ルーン:Teleporter


 ニトラ寮長 ルンラーマー・苗字を捨てた(23)ルーン:Acrylic


 ニトラ副寮長 青山あおやま池田いけだ(20)ルーン:レプリカ


 コウカ寮長 ラケス・パティスン(30)ルーン:月を養い……日を支えよ


 コウカ副寮長 中野恵なかのめぐみ(24)ルーン:メガミ☆マジェスティ


 エイガシ寮長(代理) マ―ベル・チョンティチャ(17)ルーン:Plague Misfortune


 エイガシ副寮長(代理) リボン・ボルヤノヴィチ(17)ルーン:神の粘土人形


 コウカ寮所属生徒会員 ルイス・シルバーウィングストン(16)ルーン:Good Day


 そして、メギロディアン学院生徒会長 ウィリアム・クレイ・アンダーソン……イムプリジャン人

昨日は少し投稿が遅れてしまったので、今日は予定より早く投稿します!今日もいつも通り楽しい一日でした。皆さんに私の作品を楽しんでいただけたら嬉しいです!

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