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クロエの不思議な魔法の記録  作者: Sakusaku


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21/60

21: 護身術トレーニング1

 001


 放課後のベルが鳴ると、生徒たちはそれぞれクラブに行ったり、寮に戻ったり、遊びに出かけたりしていった。


 ここ数日、私たちはこのイムプリジャンに召喚されてきた。正直なところ、自分の生活はかなり変わった。


 まるで地獄のような苦しみだったいじめと侮辱の日々から、夢のような土地へとたどり着いたのだ。


 そして以前も言ったように……元の世界なんてどうでもいい。ろくに世話もしてくれなかった父上も、いつも私たちをいじめていた兄上も、あの意地悪な貴族たちも、全部どうでもいい。ここの新鮮な空気でも吸っていた方がずっとましだ。




「ねえ、リボン……」


 荷物をまとめているリボンに声をかけた。


「何?」


「今日、ジャイアント寮で練習するって言ってたよね?」


「そうだけど……何で?」


「一緒に行きたいんだけど……いいかな?」


「別にいいわよ……じゃあ生徒会室まで一緒に来て。練習申請書をもらってくるから」


「了解」


 午後に模擬戦をやってみて、自分に何が足りないかをいろいろ考えていた。


 正直なところ最初は魔法の練習をしたかった。でも今はまだ早い。ある種の魔法を練習するには、その魔法を持つ者と同等にその魔法の『本質』を理解してからでなければいけないから。


 だから今の自分にできることから鍛えようと決めた。武器の使い方や身体的なスキルの訓練だ。


 生まれてから一度も運動をしたことがなかったので、ニーナのように素早く動くのは難しかった。模擬戦が終わると激しく息が切れてしまったし、今も筋肉が全身痛い。


「クロエ……」


「何?」


「今日の午後、けっこうよかったわよ」


「そう……でも自分ではまだまだだと思うんだけど」


「謙遜しちゃって。あなたみたいなお嬢様が、走りながら片腕で銃を撃てるなんて普通じゃないわよ」


「まあ、そうかもしれないけど……」


「まあいいわ。普通の人より速く走れるのが魔法の副作用だとしても――現代英語が話せたり日本語が読めたりするのと同じように――それでもあれはすごかったわよ。短期間で魔法をスムーズに使いこなせる新入りなんてそうはいないもの」


 確かに言われてみれば。もしかしたらこれは首席優等生だったことの賜物なのかもしれない。


「あなたって……性格はアレだけど、いい人よね」


「心の中に留めておくべきことは留めておいてもらえる?」


「ははは、ごめんごめん。でもあなたってロシア出身なんでしょ。ロシア人がバスに火炎放射器で火をつけてる動画を見たことあるんだけど、笑えたわ」


 あっ……そういえば話すのを忘れてた。歓迎パーティーが終わった後、女の子たちが「スマホ」というものを買いに連れて行ってくれて、丁寧に使い方を教えてくれた。おかげでひと通りは使えるようになった。


 リボンがインターネットの使い方も教えてくれて、赤いアプリの動画をたくさん見た。ほとんどが猫の動画や料理動画で、運がよければ面白い動画もあった。不思議な娯楽だと思う。


「あれって本当にお笑い動画なの?」


「まだあるのよ、ピアノでエ――」


「それ以上言わないで!!!!絶対にその曲の話はしないでよ!!!!」


「え?……なんで?」


「知らない方があなたのためよ」


 何なのだろう……今朝も一回あったし。日本の中央線がなぜ止まるのか不思議に思っただけなのに、エリカの曲の話もさせてもらえないなんて。まったく意味がわからない。


「まあいいわ……ところで、ジャイアント寮で練習させてもらうって、何を練習するの?」


「護身術よ」


「護身術?」


「そう……近接格闘の様々な武術のことよ。空手、テコンドー、柔術、合気道、あとは旧ソ連軍の訓練に使われていたシステマとか」


 種類が多いな……でも近接格闘って、全部同じような動きなのかな……それとも違いがあるのだろうか。


「あなたのルーンは鍛錬と理解が必要な力だから、その間は他の分野で自分を鍛えてみて。合気道とか試してみる?」


「やってみる!」

さて、これからは計画通りに進めば、1~3日おきに集まる予定です。もう1ヶ月も待つ必要はありません!気に入っていただけたら、ぜひコメントや評価をお願いします!

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