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ダンジョン、一応の完成をみる

 1ヶ月。それはもうあっという間に過ぎる。リベルといちゃいちゃしながら寝たりだとかキスしたり、キスしたりしてたらあっという間だった。人はこれをバカップルと言う。俺がそう認識しているのだから間違いない。カップル以前に夫婦気取りなんだけどね。キスの回数が何気に千回を超えた辺りから数えるのをやめたのだが何回やっても飽きない。

 閑話休題。

 まぁそんなわけで1ヶ月が過ぎたのだ。それはDPが沢山増えるのと同義で使いたい放題なわけで。


「流石にやりすぎた」


 ダンジョンが魔界化しました。なんてことも起こったりする。何をしたかというとまずはフロアを一気に20階層まで増やした。これは基本だな。冒険者に踏破される階層を増やすのは当たり前だ。これをしなきゃダンジョンを守れない。一応ダンジョンマスターをやっているが外に出るときはダンジョンコアを置いておかないと外に出れない仕様になっている。つまり、外に出ている間にダンジョンを踏破されたら死んでしまうというわけだ。なかなかに困った仕様だ。

 そしてそのフロアに魔物とフロアボスと眷属を設定した。魔物とフロアボスは十階層まではそれぞれに関するもの、眷属は十一階層以降から配置した。魔界化というのは主にここだな。何を設定したのかは以下の通りだ。


一階・薬草の間 フロアボス 鎌カエル

二階・ゴブリンの間 フロアボス ゴブリンエンペリアル×2

三階・蟲毒の間 フロアボス ジェノサイド・ヒル

四階・天国の間 フロアボス サキュバス・ヘヴンズクイーン

五階・地獄の間 フロアボス セブンスジンズ・デーモン

六階・二つ目の地獄の間 フロアボス インキュバス・ヘルキング

七階・暗殺の間 フロアボス レスト・ブラッドアサシン

八階・陸と海の間 フロアボス ランズリヴアイアサル×5、シーズウォルフ×3

九階・神々の間 フロアボス ディバインズ・ヒュドラ

十階・正義の間 フロアボス 絶対正義の神リカエル(偽)


 うん。とりあえず十階層までを見てみたが酷いこと間違いなしだな。一階層以降から殺しに行ってるからね。初見殺し大歓迎。死にたければ来いよな仕様となってる。

 まずは一階から説明してみようと思う。健全なダンジョン代表薬草の間。その名の通り薬草を取れるダンジョンにした。ダンジョンの性質を薬草(良質)にしており、ダンジョンに入ればすぐに薬草を拾えるレベルになった。その代わり迷宮のような複雑なフロア構造ではなく、ただ薬草が生えてるだけの何の障害のないフロアになっている。しかし、そこはダンジョンマスターとして危険がないなどと言われてほいほい来られても困る。というわけで鎌カエルを五体フロアボスとして薬草の間に放った。この鎌カエルはどんなものかというと鎌を持ったカエル人みたいな感じだ。うん、カエルが擬人化するとああなるのかっていう気持ちになった。正直気持ち悪い。そして、この鎌カエルの質の悪い所は索敵範囲がフロア全域に及ぶ。つまり、ダンジョンに入った瞬間に探知されるのだ。何ともえげつない仕様。これじゃあ健全なダンジョン代表などとは呼べない。まぁでも健全なダンジョン代表なのだ。

 二階層ゴブリンの間。ゴブリンに関しては説明は要らないと思う。小学生位の背丈に緑色の体に醜悪な顔に鋭い牙を持ち、集団で襲いかかるテンプレのゴブリンだ。小説でも弱いと定評のゴブリンだがここのゴブリンは一味も二味も違う。何せフロアボスに統率されているのだ。そのフロアボスのゴブリンエンペリアルはゴブリンの中でも最高位の皇帝の名を持ち、知能、武力共にゴブリンで最高に高い。それが二体もいる。それがどういうことか分かるだろうか。それはゴブリンの軍隊が二つに別れているということだ。二つの統率された軍勢が襲いかかるフロア。それがゴブリンの間だ。自分で作っときながら何だが攻略できる気がしない。おまけにゴブリンキング、ゴブリンジェネラルの王クラスや将軍クラスのゴブリンにゴブリンナイトやゴブリンメイジ、ゴブリンアーチャーなどの普通のゴブリンの上位種まで完備している。まさに軍団、王国だ。もはや一国の軍勢を引き出さないと勝てないような鬼畜仕様に出来上がってしまった。そう、出来上がってしまったのだ。俺は手を加えていない。ただ餌となる魔力水の溜まり場を設置しただけなのだ。本当に恐ろしいフロアである。

 そして三階階層の蟲毒の間。こちらは虫のだらけのフロアだ。もう何から何まで虫だ。もちろん、毒持ちが多いし、それらは敵対するようにして設置した。今ではなわばりも固定されて生まれたてのもの以外はなわばりから外には出ない程だ。そして、そのなわばり争いを生き残ったのをフロアボスにしたのがジェノサイド・ヒルだ。巨大なヒルが階段の前で居座っている。まさに蟲毒の壺をフロアに見立てて作ったのだが予想以上に凶悪になった。触れただけで振れた部分から溶け落ちていくのだ。そして、それは金属をも溶かす。物理攻撃が一切効かないという凶悪さと毒々しさを持つのだ。ただし、魔法攻撃には耐性がない。強さ故に弱さもあるそんな個体だ。

 四階層、天国の間。その名の通り天国にも至る気分を味わって貰おうと思い、作ったフロアだ。おふざけで作ったフロアもまた凶悪なものになってしまった。サキュバスを配置して誘惑に耐えた者のみが通れるようになっている極悪仕様なフロア。それだけなら何も普通のフロアだがサキュバス・ヘヴンズクイーンを召還した途端にそれが変わった。俺は分身体を外からきた冒険者という設定でフロアに入れたのだがあれは恐ろしい。サキュバス・ヘヴンズクイーンの指示で乱○が始まるのだ。我先にと精を絞り尽くそうとするサキュバスが群がり襲ってくる。そして、終いにはサキュバス・ヘヴンズクイーン自体がやってきて相手になる。単純すぎる行為なのだがものすごく気持ちよさそうにしている分身体だったのだが突如、サキュバス・ヘヴンズクイーンが暴れるように腰を降り始めて分身体が気絶した。それからもそれが永遠に続き、サキュバス・ヘヴンズクイーンに吸収されてしまった。淫靡な表情をしながら満足したのかサキュバスを抱き枕にして寝始めたのだった。どんな絶倫野郎ならクリアできるのやら。まぁあえて何も言わないでおこう。

 五階層、地獄の間。セブンスジンズデーモンをフロアボスに据えた悪魔たちのフロアだ。七つの罪の名を持つ悪魔はそれぞれの力を使い、人間を堕とす。あらゆる罪を跳ね返し、その上で倒せば先にいける仕様となっている。勇者でないといけないようなそんなフロアが地獄の間だ。

六階層、二つ目の地獄の間。これはもうひどい。何がひどいかというと別名ホモの間とも言えるようなフロアになっている。インキュバスとインキュバス・ヘルキングを設置してから女の子の分身体を作って入れてみたのだがあまりいい反応を示さなかった。そこで男の分身体を入れてみるといい反応が返ってきた。流石にそこまで見たくはなかったので説明はできないが。ホモのインキュバス、恐るべしとだけでも言っておく。

七階層、暗殺の間。ここはフロアボスのみという一階層以外で初めてのフロアだ。もちろんそれに見合うだけの力がフロアボスにはある。レスト・ブラッドアサシン。安息と血の名を冠する暗殺者は誰に気付かれることもなく忍び寄り対象を殺す。ここはフロアボスを倒さずともくぐり抜ければいいように設定してある特別フロアでもある。

 八階層、陸と海の間。陸と海の魔物が混ざり合えばどうなるのかを試してみたフロア。ぶっちゃけここだけ難易度易しいで作られている。フロアボスはランズリヴアイサル×5とシーズウォルフ×3だ。陸のリヴァイアサンと海の狼という安直な名前で試しに召還してみたのだが失敗した。海の生き物が陸で生きれないように陸の生き物が海では生きれないのだ。この召還には合成を使った。魔物を掛け合わせてできた魔物は総じて強くなるのだが今回は例外を作ってしまったようだ。素材自体はそれなりに使えるのでボーナスフロアとして残しておこうと思う。

 九階層、神々の間。フロアボスはディバインズ・ヒュドラ。神々の力を模した多頭のヒュドラ。多分だが日の目を見ることはないと思う。常に居眠りをしているので通り抜けることも可能なのだ。ただし、そのためにはフロアに設置したゴーレムやラッパ貝、フミフミ草などの音がでるものを相手にしなければならないので高等テクニックが必要になるだろう。

 最後に十階層。正義の間。フロアボスを決めているときにリカエルが我の分身体を置いておけなどとふざけたことを言っていたので設置した。ダンジョンのルール上はフロアボスとされていないがまぁいいだろう。リカエルも暇人みたいだからな。一応ここもフロアボス以外いない。


 以上が十階層までのフロアボスだ。魔物もそれに連なるものを置いておいたのでようやくダンジョンらしくはなった。これで晴れてダンジョンマスター初心者卒業と言った所だろうか。

 残りの十一階層以降は全てスライムで埋めてある。魔力水の溜まり場を設置しまくったのでまだまだ増殖することだろう。増殖舌先から合体して大きくなったりしているので数もまだ十万を超えた辺りをキープしている。こちらもまたリベルと一緒に確かめに行きたい所だな。


「うーん、こんなもんか。レベルも50以上あるしサービスエリアが二つもあるからな」


 ちなみにフロアボスは最低でも60、最高で75である。言わずもがなリカエルである。


「さっきから思っていたのですがお兄ちゃんは誰と戦争するつもりなのですか?」


「…………………」


 そんなことを言われても作ってしまったものはしょうがないじゃないか、と言いたい所だがそう言われるとそうである。


「ダンジョンコア守らないと俺、死んじゃうしな」


「外に出るのですか?」


「リベルとデートするって言ってなかったっけ?」


「……調べ物をする予定だったはずですが」


 顔を真っ赤にしてそんなことを言われても説得力の欠片もない。リベルめ、俺を試したな。


「まぁいいじゃないか細かいことは」


「それもそうですね」


「これでダンジョンは一応完成したからな。精々ゴブリンの間で死体を晒してくれるとありがたい」


「やっぱり戦争するんですね」


 もう何も言わない。今日は構ってやれなかったから拗ねているみたいだ。こんな小動物みたいな奴をほっとける訳がない。俺はリベルのご機嫌をとるためにとりあえず抱きしめてやった。ほっぺたをぷにぷにしたりしてたらすぐに機嫌がよくなった。何というチョロイン。俺、キャラ換えしそうなレベルでリベルを愛してる。まぁそんなことより。


「寝るか。明日のために」


「何でいつも寝て終わるのでしょうか」


「それは、ほらあれだよ。宿屋に泊まると画面が切り替わる的な?)


「?よく分かりませんがそれは言ってはいけない気がします」


 鋭い奴め。そこは何も言わなければ穏便にすんだのに。気づく奴は気づくではないか。


「それよりもお兄ちゃん」


「リベル?」


 毎度ながら妹キャラが定着してしまったリベル。可愛い。そんな上目遣いで目を潤ませなくても分かってるというのに。そんなあざとさすら評価ポイント。俺はそんなリベルを見て苦笑した。


「ああ、わかってるよリベル」


 そっとキスをしてお休みの挨拶をして眠る。それが俺の日常となっている。今日も同じことをして眠りについた。

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