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死亡フラグが全部付箋で見えるんですが  作者: 絵宮 芳緒
第四章 結ばれ始める縁

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第十二話 帰り道

食堂をあとにすると、レオンはゆっくりと、歩き始めた。


「ご案内できる場所は、この辺りまででしょうか。」


リシェルは歩みを止めることなく、穏やかに微笑む。


「本日は貴重なお時間を、ありがとうございました。騎士団は、戦う方々の場所という印象しかありませんでした。ですが、今日一日で、その印象が大きく変わりました。」


レオンは、静かに耳を傾ける。


「皆様が互いを支え合い、それぞれの役目を大切になさっていることが、よく伝わってまいりました。とても温かな場所なのですね。」


レオンは、少しだけ足を緩めた。


「そう言っていただけると、嬉しく思います。」


短い言葉だった。

けれど、その声音には自然な温もりがあった。


「騎士団は、決して一人では成り立ちません。互いを信じ、支え合うことが何より大切です。」


リシェルは、静かに頷く。


「それは、伯爵家も同じですね。家族だけではなく、執事や侍女、料理人や庭師……。皆がいるからこその家として、成り立っています。」


レオンは、穏やかに微笑んだ。


「やはり、リシェル嬢と私は考え方がよく似ています。」


リシェルは、少し照れたように微笑んだ。


「光栄です。」


レオンも小さく頷く。

二人は穏やかな空気のまま、歩みを進めた。


石造りの廊下を抜ける。

窓から差し込む午後の陽射しは、少しだけ傾き始めていた。


やがて、正門が見えてくると、門のそばでは、静かに待っていたマリアが二人に気付き、一礼した。


「お嬢様。」


「待たせてしまったわね。」


リシェルは優しく微笑む。


「待たせてしまいましたね。」


「いいえ。お嬢様が楽しい時間を過ごされたようで、何よりでございます。」


その言葉に、リシェルは少しだけ頬を染めた。


レオンは、そのやり取りを穏やかな表情で見守っている。


門の外では、伯爵家の馬車が静かに待機していた。


リシェルはレオンへ向き直り、優雅にカーテシーをした。


「本日は、本当にありがとうございました。おかげで、騎士団のことをたくさん知ることができました。」


レオンも静かに一礼する。


「こちらこそ、お越しいただきありがとうございました。リシェル嬢にそのようなお言葉をいただけて、私も嬉しく思います。」


リシェルは、穏やかに微笑んだ。


「また、お話を伺える日を楽しみにしております。」


その一言に、レオンはほんの僅かに目を細める。


「ええ。その時は、喜んで。」


午後の柔らかな風が、二人の間を静かに吹き抜けた。



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