第9話 宮野の秘密
―――悠月視点
「ねー悠月ー」
「ん?どうした、桃?」
「宮野君ってどんな人?中学一緒だよねー」
えー。難しいな。あいつを一言でなんて言ったらいいのだろうか。あいつの秘密はいろいろ知ってるけど、それはいざという時あいつを使うために必要だからあんまり言えんな。
「優しいマイペースな奴だよ」
「へー!優しそうな感じはしてたけどマイペースなんだ」
「そうだよ。あいつ、昼休みに生徒会室でいつも寝てんの。チャイム鳴っても起きないからその度起こしてた」
「あはは!結構意外かも。もしかしたら高校でも昼寝するかなあ」
「どうだか。もう起こすのは御免だからその時は桃、よろしくね」
「えー?一緒に起こしにいってあげようよー」
「めんどくさーい」
なんであいつのためにわざわざ私が出向いて起こしに行かないといけないんだか。私が仕事している目の前で寝ていたから仕方なく起こしてあげてただけなんだからね。
「てか、なんでかなめのこと知りたいの?」
「お友達になりたいなーって思って。ほら、宮野君、生徒会では男子ひとりぼっちじゃん。アタシ達から話しかけた方がやりやすいかなーって」
「ふーん。優しいね、桃は」
「そうでしょー」
桃は優しいな。あいつに振り回されそうだね。頑張れ!
「よし!ちょっと話しかけてみるわ!」
「おーがんばれー」
―――宮野視点
暇だ。スマホをいじるくらいしかやることが無い。こんなことになるなら参考書の一つでも持ってくればと後悔していると、後ろから声を掛けられた。
「ねえねえ、宮野君」
桃さんだ。いったいどうしたのだろうか。
「ん?どうかしたの?桃さん」
「今、暇?」
「めっちゃ暇」
「だったら、ちょっとお話しない?」
「全然良いよー」
こうしてしばらくの間、桃さんと会話をした。趣味から世間話まで様々なことを話した。
「宮野君って結構面白いね!聞いてた話とちょっと違うかも」
「それは良かった。誰から俺の話を?」
「悠月から教えてもらったんだー!優しくてマイペースな人って」
げっ。悠月からか。余計な事吹き込まれてないといいんだけど。優しくてマイペースって、あながち間違ってないな。悠月が俺の方を見てくる。めっちゃ笑顔でピースしてきた。絶対いらんことまで言っただろあいつめ。
「悠月は他になんか言ってた?俺のについて」
「昼休みに生徒会室でひr」
思わず桃さんの口をふさぐ。なんでそんなこと話してるんだよ。恥ずかしい。
「桃さん、あんまりそれ言いふらさないでね?ああごめん。手、どけるね」
「びっくりしたぁ。もしかして、秘密なカンジ~?良いこと知っちゃったー」
「絶対言わないでね」
「どーしよっかなー」
「悠月の秘密教えてあげるからー。どう?」
「え!教えて教えて!」
よし、何とかなりそうだと思った矢先、後ろから物凄い力で肩を掴まれる。
「いいのかなかなめ君。あの写真、みんなに送っちゃうよ?いいの?」
「すみませんでした、悠月様。」
「物分かりが良くて助かったわ。」
「ねー写真って何の話ー?」
「それは秘密よ。」
「えー!」
俺は悠月にあの写真を持たれている限り、下手なことは出来ない。あれを晒されてしまえば、恥ずかしくてお嫁に行けなくなっちゃうわ。
秘密はともかく、桃さんとは仲良くなれたような気がする。嬉しいことだ。




