第6話 終戦
「みんないったん落ち着いてくれ」
いろいろ複雑なことになってややこしくなっている。一つずつ解決していこう。
「まず悠月。俺は仕事に行くとは一言も言っていないぞ。今日のところは引き下がってくれ」
「ちっ。どさくさに紛れて連れて行こうと思ったのに」
「そういう手には乗らないからな」
これで悠月の件は一旦何とかなったか。仕事は明日以降の俺に何とかしてもらおう。任せた。
「次に塩塚さんと風香さん。塩塚さんには悪いんだけど、今日は先に風香さんと約束してたんだ。観れないのは残念だけどごめんね」
「ならしょうがないね、また今度観よう。今日じゃないと観せてあげないってのは冗談だよ。そう言った方が面白いかなーって」
「なんだ冗談かよ。良かった」
塩塚さんは意地悪な人である。
「てことで風香さん。本屋、行こうか」
「うん!えへへ」
とりあえず一件落着だ。俺と風香さんは駅ビルの本屋へと向かった。
「さてと、風香さんはどんな本を買いに来たの?」
「えっとね、、これ!」
そう言って俺にスマホの画面を見せてきた。そこには何と
「え、俺もこれ買いに来たんだ」
「ほんと!?宮野君はこういうの読むんだあ。私も読んでみようかな」
「こういうのばっかりではないが、この作品はかなり好きだ。全巻持ってるぞ」
「すごい!お母さんもこの作品が好きみたいで、私の家にも全巻あるよ!」
「そうなのか。風香さんのお母さんとは趣味が合いそうだ」
「仲良くなれそうだね!」
風香さんのお母さんが「正妻ポジの幼馴染は、負けヒロインにその座を奪われます。」を好きだとは。
その後は、少し雑談をしながら店内を歩き回った。
本の購入を済ませ、風香さんを見送ることにした。
「宮野君、今日はありがとう!何とか買えたよ」
「こちらこそありがとう。一人で来ることが多かったから、新鮮で楽しい時間だったよ」
「そ、そう?えへへ。良かった」
「うん。また何か用があったら言ってくれ」
「うん!あ、そろそろ電車が。またねー!宮野君!」
「またね、風香さん」
風香さんは大きく手を振ってきたので、俺も手を振り返した。




