第30話 文化祭巡り
「もしよかったら…一緒に文化祭回らない?」
「俺なんかでよければもちろん良いよ」
「ほんと!やったあ!えへへ」
ということで、俺はクラスの美少女と文化祭を一緒に回ることになりました。やったね!
「どこから行こうかなあ」
「とりあえず隣の一組から行く?」
「うん!そうしよ!」
一組はお化け屋敷をやってるみたいだ。いきなり王道のやつだな。暗い場所で男女が二人きり。まさか何も起きないとは思うけどな。期待してしまうのが男の性というものだろう。
「おーお二人さんいらっしゃい」
「え、二人ってそういう感じの関係だったの?」
教室前の受付に行くと、佐野さんと塩塚さんがいた。
「断じて違う」
「ふーん。ま、今日のところはそういうことにしておくよ」
「わ、私と宮野君が…えへへ」
「風香さん?どうかしたの?」
「なっ、なんでもないよ!早く中に入ろう!ほら!」
そういって風香さんは俺の手を掴んで、お化け屋敷の中へと入る。
中の作りこみは良く出来ており、昼間から本当に幽霊が出てきそうだ。
「うわあああああ」
「おお」
「キャー!!」
物陰からお化け役の人が出てくる。風香さんはお手本のような悲鳴を上げている。
「大丈夫?怖いもの苦手だった?」
「だ、だいじょぶだよ。」
「わっ」
「キャー!って宮野君!おどかさないでよー!」
「あは。ごめんごめん」
「もう!」
風香さんは怖いものが苦手っと。
お化け屋敷を出た後、俺と風香さんが向かったのは三組のボウリングだ。
「あら。お二方ともこんにちは」
俺と風香さんを出迎えたのは谷口さん。
「あれを見てくださいまし。あれを一投で全部倒したら賞品をプレゼントしますわ」
谷口さんの指す方を見ると、ボウリングピンがカーブ上においてある。
「このボールを使いますわ」
そう言って手渡されたのは、バスケットボール。
バスケットボールに回転をかけて倒すのは中々難しそうだ。
「よし。いくぞーそれっ」
必死にスピンをかけようとしたが、思うようにいかず、ピンを数本倒して終わった。
「残念でしたわね宮野君。さあ。お次は西園寺さんの番ですわ」
「俺の屍を越えてゆけ、風香さん」
「ふぅー。よし!頑張ります!」
風香さんはやる気に満ち溢れている。絶対に全部倒すという気概を感じる。
「いくぞおお!おりゃあああ!」
風香さんの放ったバスケットボールの軌道は直線を描く。ダメかと思ったその時。一つ目のピンにバスケットボールが当たると、その衝撃でピンがものすごい勢いで後方へと飛ぶ。そのピンは別のピンに当たる。また別のピンに当たり、連鎖していく。
そして、すべてのピンが倒れる。
「す、ストライクですわ!おめでとうございます、西園寺さん!」
「マジか風香さん!すげー!」
「やったー!えへへ」
風香さんは力技でギミックを破壊した。意外と力あるのか。
「賞品はこちらですわ」
「わあ!可愛い!」
そう言って渡されたのは、シロクマのぬいぐるみ。非常にかわいらしい顔をしている。
「良かったね。風香さん」
「うん!えへへ」
その笑顔は、太陽のように明るく輝いていた。




