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サバゲー狂想曲   作者: せな
新たなる野望のために
74/81

台風の目

「さっきは惜しかったね~」


「反撃で全滅しちゃいましたねw」


私の強襲で最前線は突破したものの最終コーナーを落としきれずそのままの勢いでフラッグを取られてしまった


私の強襲前に最前線で味方が削られていた事と山道ルートに人員を割きすぎたのが敗因と言えなくもない


けれど私達が全滅したのが直接の敗因でありそもそも私が気紛れで崖を飛び降りた為に味方の足並みが崩れたとも言える


今回通路は死守すべき防衛線であり攻め込む程の人員はいなかったのだ

私の勢いに乗せられて進撃した結果全滅を招き敵の反撃攻勢を止める事が出来なかったとも言える


だが両チーム共に攻撃の要にチームマカロゥが参戦していた事は周知され初参加ながらマークされることになる


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「このゲーム終わったらお昼ごはんかな?」


「お腹空いたねー」


「だねー」


「ほれほれ準備準備」

「次行くで次ー」


「上か・・・」


「どうした?フォックス」

「次やらへんのか?」


「んーとね」

「お腹空いたから動きたくないの」


クルツを置いてSG1を持つがなんと無くしっくり来ない

かと言ってハンドガン等は自殺行為だろう


そう言えば・・・


このゲーム会は「ガシャポン」と呼ばれるスナイパーライフル以外のコッキングエアガンは弾速チェックしなくて良い

強化してもたかが知れているからだ


私はSG1からスコープを外すとG3に乗せ変えた


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ぶふぉっ!!」

「フォックス正気か???」


私の手にした銃を見てマーベリックが吹き出してしまう

ダヤンは笑いながらお腹を抱えている


事情を知らないアップルジャックとジャックが近寄ってきた


「お二人ともどうしたんです?」

「何かおかしな事でも?」


アップルジャックの問いに私のG3を指差すダヤン

まだ笑いが止まらないらしく左手で口を押さえて堪えていた


「G3ですか」

「G3・・・・・・・ですか?」


2度見したジャックが違和感に気付いたようだ


「コレ」

「マルイのガシャポンや」


マーベリックが憮然として言い放つ


「ガシャポン?!」


「いや」

「ちょっとまって」

「嘘でしょ?」

「マルイってホップアップ対応のG3なんて出してませんよね???」


「お昼前で動きたくないからw」


「えーーーーーー」

「マジですか」


「でもなんか怪しい・・・」


2人は驚きと失望の混ざったどちらかと言うと落胆したトーンで驚いていた

それでもアップルジャックは何かを察したのか怪しんでいる


「魔改造しててもガシャポンはノーチェックだもんねw」


「確かにそうですが・・・」


ガシャポンG3にスコープが乗せられているのも違和感を感じる

普通はスコープで覗いた場所には逆立ちしても届きはしない

なのにスコープ?

索敵用???


怪訝な顔を隠すこともなく各々配置についた


「さてフォックスはどこに行く?」


「アタシは坂を登って上から狙撃するね」


「山道ルートか・・・」

「俺等は通路攻める」


「了解ー」


さっきの戦闘で私を放っておいても問題ないと判断したのだろう

ダヤンとマーベリックは各自好きなようにプレイするきになったようだ


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「この辺りが良いかな」


開始と同時に坂を駆け上がり全速力で獣道をひた走る


真ん中辺りの枝道に躊躇なく突っ込み狙撃地点に入ると少しブッシュを掻き分けて寝転がる


乱れた呼吸をゆっくりと沈めて聞き耳を立てながら静かに左のホルスターに差したCOLTポケットを取り出すと目の前に置いた


後ろでガサゴソと音が近付いて来るが敵か味方かわからない

用心のため踏み固められた狙撃ポイントから少し分け入っているが効果の程は疑わしい


眼下では銃撃戦が繰り広げられていた

スコープを覗き横を向いている敵を探す


いた

けれどかなり遠い


斜角を上げて狙いをつける

既にスコープの範囲外となっているのでソコからはイメージで着弾点を繋げていきターゲットに重ねる



重ならない

どう斜角を上げても届くイメージが湧いてこない


「遠すぎるか・・・」


諦めて別の敵を探す

ちょっと角度が悪いが正面の味方を狙うのに集中しておるせいかこちらはノーマーク


再びターゲットへとイメージを重ねる・・・


ガサガサッ

ゴソッ


物音に左を見るとソコには迷彩服に身を包んだ男が1人

ライフルを付きだし狙いを定めている


ターゲットは・・・


味方

腕章は赤


慎重にCOLTポケットを手にするとブッシュへと静かに手を差し入れて狙いをつける


銃口が触れそうな程の近距離

このゲーム会にフリーズコールの決まりはない


「お兄さんお独り?」


かろうじて聞こえるぐらいの大きさで囁きかけるとビクンッを体を震わせ頭を振って左右を確認する彼


気のせいかと再びスコープを覗き始めた彼に再び囁く


「フリーズお願いしてもよろしくて?」


再び身体を震わせた彼


今度は観念したらしく銃にセーフティをかけて両手を上げて頭に乗せた


まさか昼間にフリーズコールを取るとは思っても見なかった

後続がいないかと心配したが仕方がない


気を取り直して先程のターゲットに狙いをつけると静かに引き金を引き絞る


パシュンッ


少し間を置いて遥か遠くの敵が両手をあげる


カシャッ


我が魔改造ながら恐ろしく音が小さい

このG3は弾速こそ遅いものの非常識なくらい射程が長く精度が良い

だがその弾速の遅さが致命的であり正面で撃ち合うとほぼ躱されてしまい当たらない


フリーズを取った敵さんが手を頭に置いたままじっとこちらを見ている


帰らないため居場所がバレないのは有り難いがじっと見られているのも居心地が悪い


パシュンッ


だがお構い無しに2人目を射貫く


「3人目は・・・」

「っと!!」


スコープ越しにこちらを向いた銃口を見付け慌てて頭を下げる


ビシバシビシッ


ブッシュで無数の弾丸が弾け辺りを薙ぎ払う



狙われたのは私ではなかった


「ヒット!!」


既に死人の筈の彼がヒットコールをあげて立ち上がる

そのまま踵を返すと一瞬親指を立てた後左手の指を2本立てて斜め上へと空を切る


「味な真似してくれるじゃないw」


何故か彼に塩を贈られた私は先程こちらを撃ってきた敵を射貫く


「敵だけど仇は討ったよ」


何だか複雑な気持ちになりながら次の獲物を探した


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「ダヤン!」

「前線が崩れ始めてるな」


「そうやな」

「久し振りに中央突破背面展開作戦やってみるか?」


「そらまた豪気やなw」


「なぁに」

「上手く行けばめっけもん」

「失敗したら早目に飯が食える」


「言えてるなw」


ピュィイ!!


マーベリックは短く指笛を鳴らすと周りの味方に合図を送った

右手で2本の指を立て開いた左手の指の間を通し後ろから左手をつつく


そのジェスチャーで分かる者分からない者はいたようだが数人が稜線に向かい弾幕を厚くする


「GO!!」


マーベリックの突撃にダヤンが続く

その後にアップルジャックとラムが続いた


シュガガガガガッシュガガガガガッ

シュトトトトトッシュトトトトトッ


稜線に向けて一斉射撃を行い相手の頭を抑えつける

その隙に特効部隊が川のスナイパーを牽制しつつ通路をひた走る


スパン


風を切らない弾丸が飛来して敵の1人を討つ

最終コーナーへと差し掛かり横っ飛びに乱射しながら躍り出るマーベリック

しかしそこに待つ敵はなく両手をあげる死者ばかり


踵を返すと追い付いたダヤンと共にスナイパーの2人を仕留める


「なんや拍子抜けやなぁ」


「あー」

「フォックスか」


2人は崖の上を見上げるが何も見付けることは出来なかった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


シュバババババシュバババババッ

ガサガサガサッ!


「誰もおらんぞ?!」


至近距離で激しい銃声が鳴り響き荒々しく踏み入ってきた男が独り毒づく


「これは討ち取るべきか?」

「でも仲間がいそうだしな・・・」


マーベリック達の突撃を見て私は少し下がってブッシュを背に座り込んでいた

既にマーベリック達と相対していた敵は見える範囲で殲滅していたし前線が押し上げられたらここはもう用無しである


そこにブッシュを撃ち抜く銃声と踏み入る男が眼前に現れたのである


「くそっ」

「まだ温かい」

「さっきまでいたのか?!」


わざわざ手袋を脱いで押し潰された草むらを触って確かめている


そんな事する人本当にいるんだ・・・

けれど考えを巡らせれば分かる筈

まだ温かいならばすぐ後ろにいてもおかしくない事に


「お兄さんフリーズが良い?」

「それとも撃たれたい?」


再び背後から囁きかける


「うぐっ!!」


静かに両手を頭の後ろで組んで両膝を付く


「虜囚の辱しめを受けるくらいならいっそ殺してくれ」


なんともまぁ

堂に入った言葉である

しかしこちらは見つかるリスクを犯したくないからこそのフリーズコールなのだ


そう言えばナイフアタックの規定も無かったなぁ・・・


私は静かに彼に近付くと左手を彼の頭に置いて右手の人差し指で横一文字に喉を撫でる

すると彼は両手と首の力を抜いて項垂れ右手の親指を立てて見せた


人生初のナイフアタック成立である


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


近付く気配に素早く後ろへと下がる

刹那


ガサガサガサッ


「グレイブどうしたの?!」


両膝をついて項垂れる彼に駆け寄り左手で肩に触る


ドサッ


グレイブと呼ばれた男は躊躇なく右側へと倒れ込む

ホラー映画でよく観るシーンを彷彿させる


スサッ


私は素早く背後を取ると左手で口を塞ぎ右手の人差し指を相手の喉に添える


相手の背が低くて助かった

と言ってもつま先立ちにならないと届かないのが滑稽でどうにも締まらない


「ひぐぅっ!!」


甲高い声に女の子のような気がする

膝カックンの要領で膝裏に軽く膝を当てて相手を跪かせると幾分楽になった


「フリィーーーズ」


緊張して乾いた喉からしゃがれた声がホラーの様相を呈してしまう


余程怖かったらしく両膝をつきながらも上半身を震わせ抵抗してきた

ジタバタと足掻く時に相手の肘が私の胸に当たる


フニフニ

ポョポョ


確かめるように左肘でつつかれる


これで男だったらセクハラでぶちのめす!!


相手の子は両手をあげるとクルリと回ってこちらを見た


「良かったぁ」

「一瞬変質者かと思ったじゃないw」


思った通り女の子

それも声の張りからすると若い印象を受ける


シュガガガガガッ


「ミコミコ!!」

「大丈夫か?!」


彼女のチームメイトだろう

迷う事なく撃ち抜く度胸は良いが味方がいるんだからもう少し慎重さが必要なんじゃ無いかな?


「大丈夫じゃないわよ!!」

「私も一緒に撃ち抜くんじゃない!!」


彼女のローキックが彼の膝に炸裂した

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