守るのは得意?
「ごめん」
「抜かれたん気付かんかった」
「しょうがないよ」
「ガード置かんかったのが悪いんやしw」
「そない言ってもなぁ・・・」
「初めからハンバーガーヒルの際を這い進まれたら見付けるのは難しいわな」
「やっぱり1人くらいはガード必要やねー」
「次は下からやし気持ち切り替えていこう♪」
フラッグを落とされたのは悔しい
しかし戦闘その物は此方が優位だったのは確かだ
戦闘で勝利しても作戦で負ければ意味はない
戦術的な能力は急成長を遂げたが作戦・戦略の面では不安定さが残る
それでも何年もサバゲーをやってきた歴戦の戦士達に一年足らずで認めて貰えたのは僥倖である
けれど女豹姉様や番犬メンバーがいなければどうなのか?
その思いは皆も感じていたらしく今回の敗北は真摯に受け止めていた
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「どう攻める?」
「意趣返しでハンバーガーヒルからフラッグ狙うか?」
「いやいや」
「二番煎じはアカンやろ」
「それにたぶんさっきのは前にフォックス達がフラッグアタックした作戦の意趣返しやろ」
「それは言えてるな」
「別の作戦で行かなアカンよな」
「でもそんなにやれる事多くないよ?」
「やっぱり今回はすり鉢で行こう」
「けどさっきフラッグ落とされたせいでこっちが守りに入ると予想されてるやろ」
「それなら速攻で藤棚占領せなあかんよね」
「ソコは韋駄天・鉄人・家猫の3人に任せる」
「ハンバーガーヒル手前からクレリック・隊長・山坊主の3人で鉄格子取ってくれ」
「この6人が上を制圧出来んかったらこのすり鉢はほぼ失敗する」
「心してかかってくれ」
「了解!」
「続いて女豹とフォックスは可能な限り中階段まで接近してくれ敵の前列はスルーで良い」
「ハードな役割やねw」
「パトリオットにしといて良かった」
「マーベリックは付け入る隙を見計らってフラッグに特攻かけてくれ」
「マジですかーw」
「姫・ムーン・ハンターの3人は小道山側のブッシュで待機」
「見付かったら逃げ場無いから気を付けろよ」
「将軍さん・ダヤン・ジジは俺と裏の入り口で防衛に当たる」
「初戦はジジと将軍さんの狙撃で足止めする」
「敵のアタッカーが詰めてきてハンバーガーヒルの下に差し掛かったら俺とダヤンが撃ち始める」
「それぐらいのタイミングで姫達3人も攻撃開始してくれ」
「敵の第1陣を撃退したら姫とムーンはフラッグガードに下がってくれ」
「ハンターは俺等と合流」
「裏手を進んで中階段からフラッグを目指す」
「クレインちょっとエエか?」
「将軍さんどうしたんや?」
「裏回りは俺のナインと相性悪いねん」
「カーブの反りが反対になってまうんや」
「ほんなら家猫とかわろか」
「OK」
「ほな行くで!!」
「いっちょがんばろかー!!」
「おうっ!!」
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「アイツら今度は守りに入るかもなぁ」
「勢いは殺したくないから一気に攻めたいところや」
「大階段どうします?」
「せやなぁ・・・」
「スピード勝負は絶対負ける」
「アッチの韋駄天はアホみたいに速いからな」
「なら大階段捨てますか?」
「いや」
「そうは行かんやろ」
「ハウンド!!」
「この沿いを見付からんように大階段前まで行けるか?」
「やりますよ」
「おっしゃ任せた」
「裏回りは3班に分ける」
「一番隊は中階段から攻めろ」
「二番隊と三番隊は奥からや」
「残りはワシと一緒に本隊としてフラッグガードに当たる」
「中階段に中継役を3人回せ」
「戦況を見て本隊から援軍を出す」
「了解!!」
「イェッサー!!」
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「んーーーー?」
「韋駄天どうしたんや」
「敵さん来んのか?」
韋駄天が藤棚に到着した5秒ほど後鉄人が到着した
「なんや誰も来てないんかw」
将軍も到着して3人のスナイパーは暗闇に目を凝らす
「今回は待ちぼうけっぽいな・・・」
「そうとは限らへんでーw」
呟く韋駄天に不適に笑う将軍
「6人か・・・」
ナインを構えた将軍が呟く
「えっ?」
「どこどこどこ?」
「上手いこと隠れとんな・・・」
「真ん中辺りの花壇の裏や」
「後4つしかない」
「韋駄天向こう渡ってくれ」
「狭いから1人しか隠れられへんからな」
「わかった」
韋駄天は敵影を見付けられなかったが将軍を信じて道を渡った
韋駄天が半場まで差し掛かる頃将軍が仕掛けた
バシュンッシュアッ
「ヒット!!」
「此処は相性エエなぁ・・・w」
今にも高笑いが聞こえてきそうな程上機嫌な将軍のナインは的確に的を捉えている
続く2射目もヒットコールが上がり敵も反撃してくる
1射目で素早く左の藤棚側へ移動した鉄人も狙撃を開始する
バシュンッガスッ
「ヒット!!」
僅か5秒の交戦で3人を落とした将軍と鉄人
バシュンッビシバシビシッ
「ヒットヒットヒット!」
韋駄天は私の真似をして散弾スナイパーで2人を仕留めた残るは1人
韋駄天からは死者の影で狙えないが敵からは余裕で狙い撃てる
絶体絶命の大ピンチ
ビシュッッ
ゾスッ!!
鉄人の放った弾丸は韋駄天を狙った敵の額に突き刺さった
マスクとヘルメットの隙間から覗く地肌に直撃して悶絶する敵
ソコにヒットコールがあがらないため韋駄天がナインを向ける
「まってまってまって!!」
「ヒットヒット降参!!」
「痛すぎてコール遅れた!!」
「許してくれ堪忍や!!」
よほど痛かったのだろう必至にヒットをアピールする敵に韋駄天も思わず苦笑いしてしまった
「大丈夫ですか?」
「めっちゃ痛いわw」
「あんなとこからナイン撃たれたら悶絶もんやわw」
相当痛かった筈だが笑いながらセーフティへと帰っていった
藤棚制圧
この様子を見ていた赤チームに激震が走る
直ぐ様第2陣を編成すべきか?
攻め込まれる想定で守りを固めるか?
上に戦力を割いていると判断して裏からの攻め手を増やすのか?
考えた末に店長が出した結論は
「性懲りもなく大階段を攻め上がってくる」
と言うものだった
通路正面と藤棚にナインが配備されているため力押しでは被害が大きい
なのであえて攻めたりはせず守りを固めることにする
通路の花壇はナインがいるため大人数の配置は難しい
その結果通路を挟んだブッシュへ防衛隊を配備して突進を阻む作戦に出た
その読みは大きく外れお互いが守り・引き込みを狙う事になる
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「全く攻めてくる気配無いのは気のせいかな?」
「中階段の上にはいるみたいだけど・・・」
背後の稜線には味方が配備し終わっておるだろう
けれど前方中階段の上には人影は無い
そこまで速く攻めてはいない筈なんだけどね・・・
今回の赤チームは守りに入っているという見解で2人の意見は一致している
本来ならば見えていなければならないタイミングで何の気配も無いのだから・・・
気配を殺して中階段を通過する2人
この稜線を越えれば奥階段から見付かるだろう
「奥まで行くのは危険かな・・・」
前を行く女豹が静かにハンドサインで行き先を伝えてくる
どうやら稜線に張り付きながら斜面を登るつもりのようだ
私もその方が良いと思う
小さく頷くと稜線をはみ出さないように慎重にカーブを曲がって行く
そのまま緩やかな斜面を登る
ゆっくりと確実に
次第に傾斜が強くなり40度ぐらいの所を両手で地面を掴みながら登って行く
カサ・・・
カサカサ・・・・
カサ・・・・・
不規則に間を空けながらよじ登る
銃声がしないので音が誤魔化せない
慎重に
慎重に
亀のようにゆっくりと
しかし確実に斜面を登りきりブッシュへと入っていった




