お姉様と私と・・・魔の三角地帯
「こんばんは~」
「おばんですー」
今夜は鷹の目の定例会である
「今日は少ないなぁ」
「昨日の雨凄かったからなぁ」
「おうにぃちゃん」
「折角やけど今夜は定例会無しや」
「有志だけでのゲームんなる」
見るとSの店長は私服のままである
自身はゲームをやる気がないのは明らかだ
ガスと弾を売ったら帰る気なのだろう
全員でフィールドを見て廻る
上は問題ないが下ルートは舗装されていないため足元がぬかるんでいる
ハンバーガーヒルやブッシュの中は惨憺たる物だろう
「今日は仕方無いね」
「帰るか」
屋外でやる以上サバイバルゲームも天候に左右される
当日が晴れていても水捌けの問題でゲーム不能になるのは良くあることである
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「今日もできなかったね」
「そうね」
「人間撃ちたいわ・・・」
「危ないから人前では言っちゃダメよ?」
「俺に・・・」
「銃を撃たせろ!!」
「弧雪ちゃんってそんなキャラだったっけw」
この所ゲームが出来なかった日は姉様と遊んでいる
他のメンバーもカラオケや飲み会やっているようだがそっちは平日にもお誘い有るし週末は姉様優先
「この夏は海とか行くの?」
「海は好きなんですけどね」
「お姉様みたいにスタイル良くないから・・・」
「スタイルってw」
「背が低いだけでスタイルは悪くないでしょ?」
「背丈が問題なんですってば」
「行っても田舎の人気の無い浜辺ですねー」
「プールとか海水浴場とかは人が多くて苦手です」
「そっかぁ」
「じゃあ今度泊まりで海行こうね♪」
「・・・・・・・・・・・・」
「シフト有るんで早目にお願いしますね」
タチアナ姉様は好き嫌い無く色んな物を食べる
ラーメン等の大衆中華も食べるし定食屋にも物怖じしない
回転寿司でも気にした風もない
私としては気兼ねなく楽で良いのだが金銭感覚や立ち居振舞いから育ちの良さを感じる
20代半ばで街中で暮らし新車のセリカに乗るくらいなのだから稼いでいるのはわかる
それとも実家が資産家なのだろうか?
壊滅の6月に続き7月も雨や台風に祟られたいしてゲームが出来なかった
その分2人で遊び歩き親密な関係が築かれていった
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「明日は何着ていこうかなー?」
「露出少なめでお願いしますw」
明日は日曜日と言う事でチームメンバー数人で街遊びすることになっていた
傍目にはグループデートなのだろうか?
タチアナの家に泊まるのも何度目だろう
集合場所まで近いので今夜もお泊まりである
「弧雪ちゃんってどんな服装で行くの?」
「アタシはこんな感じです」
淡いベージュのブラウスに紺色のロングスカート
頭にはラピス色のキャスケットをかぶる
ウェストにはタオルで補正してお下げに眼鏡
メンバーと遊ぶ時の定番地味コーデである
それを見たタチアナはテーブルに突っ伏していた
「こんな地味ダサな弧雪ちゃんとデートとか萎えるわ・・・」
「この前のカットソーどうしたのよ?」
「アレは胸元空きすぎてるのでメンバーと遊ぶ時はNGです」
「勿体無いなぁー」
「せめてコルセット着けない?」
「補正の上からだと暑いんですよねーw」
「その補正とりなってば」
「やですよそんなの」
暫く文句を言われたが仕形がない
メンバーの中で女らしい格好するのはやっぱり気が進まない
その夜は勧められるままワインを空けて眠ってしまった
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「お・ね・え・さ・ま?」
早朝から怒りのこもったモーニングコール
「おはよー♪」
「良い朝だねぇ♪」
深酒した気はするのだが何時ものように5時に起きて支度を始めたのだが・・・
歯磨きと洗顔を済ませ部屋に戻ると用意していた着替えが無い
「私の服と補正ベルト何処にやりました?」
自分でも顔がひきつっているのがわかる
「あらあら」
「無くなっちゃったの?」
まさかこんな手で来るとは・・・
用意していた服が見当たらずゲーム用の黒服しかない
しかも補正ベルトとゲーム用のボディアーマーも無い
パジャマ代わりの服では外に出られないし・・・
「お洋服無いなら貸してあげるから心配しないでーw」
「はぁ・・・」
家捜しするわけにもいかず私はお姉様の着せかえ人形になってしまった
「ミニスカート♪」
「却下」
「って言うかミニの筈が膝上のスカートになっちゃうけど良いんですか?」
「じゃあワンピースかな♪」
「ワンピースって言うよりドレスですよね」
「何処の夜会に行くんですか?」
「ブラウスとスカート♪」
「なんでそんなに胸元空いてるんですか・・・」
お揃いで悩殺コーデにしたいのだろうか?
お姉様曰く
「もっとお洒落を楽しまなければ勿体無い!」
だそうです
着飾って見せたい相手がいるわけでもないし正直面倒かなぁ・・・
けれど可愛がってくれているお姉様が恥ずかしくない程度には身嗜みに気を付けようと思うようになった
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「女豹さんおはよー」
「その娘は・・・?」
「皆おはよー」
「フォックス???」
「えっ?」
「はぁ?」
「ちょっお前胸腫れとるぞ!」
「蜂に刺されたんか?」
「女豹さんに張り合ってパッドで誤魔化してもアカンやろーw」
クレインの一言に視線を反らすムーン
そのムーンの胸は不自然に尖っていた
「弧雪ちゃんって私より大きいのよ?」
「マジですかっ!」
女豹の言葉に食い付いたのは姫
普通ソコに食い付くのは男じゃないかな?
「胸もやけど」
「ウエストほっそ・・・」
心無しか意気消沈な姫とムーン
皆と会うときは補正ベルトぐるぐる巻きでウエスト太く見せてたからね・・・
結局今回のコーデで残った私物はキャスケットと靴だけ
お姉様から袖にリボンの付いた半袖の白いブラウスと裾を紐で絞れる七分丈のブルーのパンツを借りていた
このパンツって私が履くと七分丈だけど本来は絶対膝丈だよね?
新調した先の丸い革靴はチビに優しい厚底仕様
微々たるものだが私にとって5cmのヒールの価値は大きい
女豹姉様は胸元の空いた白い半袖のカットソーに七分丈のジーンズに低めのヒール
胸元に輝くアメジストのネックレスが否応にも視線を集める
皆はカジュアルな感じでジーンズとTシャツ姿
なんだか私達2人だけ気合い入れてるように見えなくもない
とりあえず前回同様高架下を通りミリタリーショップとガンショップを巡る
昼食は定食屋で済ませ一息付いた
「とりあえず予定は廻ったよね」
「買うものはこれで終わりやな」
「今は・・・16時か」
「どうする?」
「何処か行く?解散する?」
一瞬微妙な空気が流れる
半日の行動で皆にはそれぞれ下心が有るように感じる
ムーンはクレインへのボディタッチが多めだった
韋駄天とハンターは姫の両サイドを固めるように歩いていた
鉄人は私と女豹お姉様の間を行ったり来たり
姫は気に止めず2人と普通に接していたが露骨に迫るムーンにクレインは満更でもない様子
ここで解散して喜ぶのはクレインとムーンくらいなものか?
姫を取り巻く三角関係がなんと無く怖い
とりあえず
私は晩御飯に美味しいパスタが食べたい
「ちょっと距離あるけどハーバーの方に行かない?」
「どうせなら晩御飯にパスタ食べたいんだよね」
「それ良いねー」
「行こう行こう」
皆2つ返事で提案に乗ってきた
歩いていけば1時間ほどでつくだろう
皆で話ながら歩けばさほど気になる距離でもない
ジュースを買うついでに最後尾に回る
後ろから見ていると皆の挙動が良くわかる
先頭を歩く2人はクレインが応じた形ですでにイチャ付きバカップルの一歩手前的な感じ
姫達3人はそれを見て触発されたのか男2人が競いあっているようだが姫はちょっと引き気味
目の前のお姉様達は少しぎこちなさを感じる
鉄人ってそんなキャラだっけ?
さりげなく速度を落として私の合流を促すお姉様
ここでバックレる意味はないので素直に合流した
「お姉様・・・」
「前の5人なんか変ですよね」
「クレイン達は付き合ってるのかな?」
「韋駄天達は姫争奪戦?」
「色恋はパーティクラッシャーだからあんまりかかわりたくないな」
「同感ね」
「頃合い見て離脱しようかしら?」
「鉄人があぶれちゃって可哀想かも?」
「夜は彼女と合流するみたいよw」
「だったら食後は解散にもっていきましょ」
「そうしましょー」
早めの夕飯だったが適当に理由をつけただけであっさり解散
クレインとムーンは電車で帰ると言い出した
帰りのRAV4の中はどんな雰囲気だったのだろう?
聞くのも怖いのでそのまま聞かないことにした




