抜き足差し足忍び・・・
セーフティゾーンへ戻るとクレインは非難囂囂であった
「だからごめんってw」
「わざとじゃないのはわかるけどなぁ」
セーフティゾーンがフィールドに隣接しているため流れ弾は仕方がない
ゲーム中は極力マスクを付けようと言うことになった
「それはそうと」
「ちょっと皆撃ちすぎじゃない?」
簡単にトリガーハッピーについて説明を行った
「連射し過ぎると近付けないから遠距離の撃ち合いになって面白くなくなると・・・」
「そうなったら飽きるでしょ?」
「それは言えてる」
「撃ちすぎたら弾代かかるしな」
「それ言えてるw」
素直にトリガーハッピーのデメリットを理解してくれた
そこで対策として指切りバーストを教える
シュトトトン
シュトトトン
シュトトトン
「こんな風に3発くらいで指を離すの」
「ほぅほぅ」
「さっきからフォックス達はやってたよね?」
「アタシのは基本的にセミオート連射だよw」
「激戦区ではフルオートにするけど混戦になるとフルオートだと味方まで撃っちゃうからね」
オーバーキルの観念からも2秒以上のフルオートは推奨されない
等と言いつつも単純にセレクターをカチカチ操作するのが好きなだけだったりする
「それじゃ次行きますかー」
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今回は上から攻める
三角州は簡単に取れるがさっきの戦闘で陸上競技場側から攻略したので相手もやって来るだろう
それを踏まえて三角州へは3人向かい1人は陸上競技場を警戒する事になった
「フォックスはどうする?」
「アタシは遠距離戦嫌いだわ」
「沢筋通って後ろ攻める」
「了解」
「フォックスは後ろ好きやなw」
「無理やり卑猥にせんでエエよw」
笛が鳴りゲーム開始
鉄人・ムーン・Kの3人が三角州へ向かう
同時にハンターが中央通路へ
「フォックス来おへんの?」
「ちょっと・・・・・・ねw」
一呼吸置いてハンターはブッシュの影に消えて行った
さてと
私もぼちぼち行きますかね
クルリと踵を返し芝生地帯へと足を踏み入れた
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シュドドドドッシュドドドドッ
パココココッパココッ
「敵3人カーブ入り口のブッシュ!!」
シュトトトンシュトトトン
「陸競側2人!!」
「下がった!!」
長距離での撃ち合いが始まり陸上競技場方面への警戒も怠らない
こうなれば本当に戦線は膠着してしまう
それを見越して初めから隊を分けたのだが
向こうは3方向へ分散するより三角州攻略を優先したようだ
戦力分散は各個撃破のリスクを孕む
「三角州から裏手狙われてる」
「三角州方面はキツいな」
後方へ下がったクレインと韋駄天
彼等でなければ戻るのも難しく討ち取られてただろう
「沢から前進するか」
「了解」
カーブ入り口の味方に声をかけそのまま階段広場へとスロープを下りていく
シュドドドドッシュドドドドッ
スロープの壁が銃弾を弾く
「うわっ!!」
「下にもおるやんけっ!!」
何処から撃たれたのかわからなかったのでとりあえず東屋へ撃ち込むクレインと韋駄天
カカカッカキンッ
再び銃弾がスロープの壁をなめて上の手摺りに当たる
「ヤバい雪隠詰や」
「コッチも消耗戦やな」
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「おっ?」
「スロープ下りてきた!!」
この時ハンターは中央通路にあるベンチの影に隠れていた
この先は真ん中の通路があるため隠れる場所が無い
上での銃声に足を止めた後渡るのを躊躇っていたのだ
シュドドドドッシュドドドドッ
パココココッ
シュトトトンシュトトトン
どうやら東屋の柱にいると勘違いしてくれたらしい
ベンチは見え難く隠れやすいが如何せん足元には何もない
見付かれば一貫の終わりである
「まだ気付くなよ・・・」
冷や汗が背中を伝っていた
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芝生の坂を下り境界線のブッシュを跨ぐ
足元には石垣があり下までは2m弱
暗闇で飛び降りるのはちょっと危ない
しかし私はこの場所に岩が置かれているのを知っていた
岩の高さは80cmくらい
上に飛び降りればちょうど良い高さである
着地の瞬間脚を曲げて衝撃を吸収する
フワリと音もなく岩に降り立ち更に岩影へと飛び降りる
彼方に銃声が聞こえ始めた
静かに渇いた川を渡り奥の石垣に張り付く
明るければ丸見えなのだがこの2mの石垣の上にはたくさんの桜が植えられているため石垣の袂には濃い影が落ちている
左側に注意を払いながら足早に影の中を進む
するとスロープに人影が現れ続いてハンターのG3が火を吹く
瞬く間に撃ち合いが始まり沢中に銃声が轟く
「見付かったら蜂の巣確定やね・・・」
途中から腹這いになり匍匐前進になりやがてスロープの真横へと到達した
「スロープ入り口迄は10mぐらいか」
「刈り取るのは簡単だけど上の連中に見付かると即死確定やな」
気付かれない事を祈りつつ更に這い進む
やがてスロープから見えない石垣に挟まれた川沿いの散策路へ辿り着くと身体を起こし川を渡る
此処を真っ直ぐ行くと左側に上がれるのはスタート地点の更に奥の方
この石垣の上には芝生地帯が広がっていて低いブッシュがスロープとの間に植えられている
此処まで来れば後一息
静かに
しかし急いでスタート地点へと走った
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スタート地点についたがまだ銃声は続いている
完全な膠着状態である
銃声に紛れ芝生を活かし忍び寄る
カーブの入り口のブッシュに3人
まだ誰もやられていない
左手のスロープからも2種類の銃声がする
こちらもまだ健在
問題はこの両者の間は5mくらい離れただけでどちらからも容易に視認出来る事
つまりどちらを討ち取っても私は見付かり隠れる場所の少ない私はほぼ瞬殺確定
これでは特攻と同じである
はてさてどうしたものか
幸い左側は緩やかに下っていてスロープの際にはブッシュがある
これを利用すれば生き残れるか?
意を決して芝生を滑り降りる
注意深くブッシュに近付くとクレイン達の息遣いまで聞こえてきた
静かにセレクターをフルオートへ切り替える
「はぁはぁはぁっ」
「くそっ1人の筈やのにな」
「東屋と違うんやろか?」
「ほんなら何処や・・・」
「方向的には東屋やと思うんやけどな」
「あっちの木の下じゃない?」
「撃ってみるか」
シュドドドドッシュドドドドッ
「???」
「姫?」
「2人とも手を上げてもらえるかな?」
「じゃないと至近弾プレゼントしちゃうよ♪」
2人はほぼ同時に振り向きブッシュに突っ込まれたSG1とM645の銃口を見つける
「俺はハンドガンやから撃たれてもエエけどw」
「クレインはSG1やで?」
次の瞬間クレインが動く
シュトトトン
タキンッ
「ヒッッドォォぉぉおーーーーーぉ」
「ヒットw」
笑いながらコールする韋駄天と悶絶しながらコールするクレイン
フリーズ受けなかったアンタが悪いのよw
容赦なくトリガーを引き絞るとそのまま立ち上がる
カーブ入り口の3人は不意の銃声とヒットコールに慌ててこちらを見るがもう遅い
無慈悲に放たれたSG1の弾丸は3人を蜂の巣にしていた




