IT'S New FIELD
シュタンシュタンシュタタタタン
シュトトトンシュトトトンシュトトトン
パカカカカッパカカカカッ
キュドドドドドッ
真新しい銃声が鳴り響く
同じM16でも銃声には個性が出るものだなと実感していた
フラッグ持ってくれば良かったなぁ・・・
私は1人フィールド中央のブッシュ身を潜めている
開始早々中央部でかち合い消耗戦となっているのだ
そこから打開すべく芝生を駆け抜け石垣の低めの所を降りたものの見通しの良い沢筋を渡る勇気もなく日和って石垣沿いを進みブッシュに入ってしまったのだ
敵味方に別れた鉄人とクレリックの使うシュアファイアが闇を切り裂きブッシュを照らし出す
照らしながら撃ち出された弾丸は白い軌跡を残し着弾修正を容易にしているため迂闊に前へ出られなくなっていた
やばい
膠着状態やん?
こう言うの嫌いなんだよね~
開始早々三角州を占領できた我々上チームはかなり優位である
ここからは下り坂と緩やかなカーブの為下チームのスタート地点こそ見えないが道路側の下半分がほぼ見渡せる
加えてフィールド中央部の東屋や沢の通路の大半が見渡せる
下チームは道路脇のブッシュからなんとか三角州を攻め落としたいようだが・・・
アスファルトに沿って1,5mくらいの低い気が等間隔で植えられているもののそれを楯に前進するのも難しい
かと言って芝生を挟んだブッシュを前進すれば緩やかな下りとなり三角州が狙えなくなってしまう
全員が電動ガンを装備した今となっては弾幕も厚く前進も困難である
あー
トリガーハッピー起こしてる
指切りバースト教えないとなぁ・・・
トリガーハッピー現象
気持ち良くフルオート連射を行う事に魅せられ実銃ではあり得ない長時間連射や乱射等辺り構わず撃ちまくってしまう現象である
初心者に多く他のゲーム会では嫌われる行為であり禁止のチームも少なくない
現状を打破しなければ
だが目の前のブッシュはたぶん誰か潜んでるよね
どうしたものか?
等と考えても仕方がない
前に進むしかないのだから
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
隠れていたブッシュを這い出し広場の外周に沿って影を渡る
ベンチの裏を這い進み闇の濃い所を選んで進んで行く
問題はここからだ
中央部の広い通路は5m近くある
ここを渡らなければならないが完全に無防備な状態となるし三角州から丸見えである
音を立てないよう細心の注意を払いつつ可能な限り先を急いだ
目の前のブッシュに敵が隠れていれば勿論蜂の巣である
三角州から見られても同様に蜂の巣となる
こう言う時のために先日買った膝当てには衣料用ボンドで黒い革を張り付けてある
この一手間で匍匐前進の時に出る音が軽減できる
「貰った革ジャンが役に立ってるな」
「改造したかいがあったね」
一気に通路を渡りきりブッシュの影へと滑り込む
どうやらこのブッシュには誰も隠れていなかったようだ
胸を撫で下ろしつつブッシュへと割って入る
そのまま広場外縁を行くのも手ではある
けれどその場合階段を上りきった所で敵と鉢合わせになる可能性が高い
ブッシュの中を進めばもしかしたら・・・
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
韋駄天は初めてのフィールドに戸惑っていた
昼間に何度も訪れた事のある公園とは言えサバイバルゲームをやるとなると勝手が違う
下からでは全速力で走らなければ先に三角州を落とされてしまう
やはり初戦から上手く行くわけでもない
どれだけシミュレートしても実戦とは違う
そのせいで持ち味の活かせない消耗戦を強いられていた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
三角州
鉄人達上組は速攻でここを占領する事に成功した
しかし逆に此処に縫い止められる羽目に
敵の弾幕が凄まじく後退する事もままならない
こうしている間に沢を迂回されれば挟撃のピンチ
弾薬も見る間に減っていく
威嚇のためにも芝生側のブッシュも定期的に掃射しているがヒットは得られない
歯痒さに臍を噛む消耗戦
此処に来なかったフォックスがヒットされていないのが唯一の希望だろうか
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
うぎゃーーーーーーーー
撃たれてる打たれてる射たれてるー
当たりはしていないが定期的に撃ち込まれているのはあまり良い気はしない
けれど撃たれていると言う事はカモフラージュにもなると言うこと
ブッシュの間の獣道を這い進むと外に続く事は無く袋小路である
すぐ傍で鳴り響く銃声と近くに着弾する弾丸
木の影になるように少しだけ頭を出して辺りを見回す
僅か2m程先のブッシュの影に頭が4つ
入れ替わりながら三角州へ牽制攻撃を仕掛けている
なんとか狙えそうな位置だ
後はタイミングかな
暫く撃ち合っているがどちらにもヒットは無く戦線は膠着している
ガチャカチッ
微かに聞こえるマガジン交換の音に勢い良く立ち上がる
パカカカカッ
パカカカカッ
パカカカカッ
「嘘やろ!!」
「ヒット」
「ヒットー」
「ヒットヒットヒット」
「何でそんなとこにおるねん!!」
ヒットコールが3つ重なるが欲張れば味方にやられかねない
素早くブッシュへ沈み込むともと来た獣道を這い戻る
上の方で銃声がするが既にそこにはいない
「ヒット!!」
こちらに攻撃するために伸び上がったところを撃ち抜かれたようだこれで残るは道沿いの木に隠れる1人だけ
足音が重なり三角州から3人が駆け出した
激しい銃声が重なり3つのヒットコールが重なった
直後に鳴り響く笛の音
こうして沢の初戦は終わった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
続く2戦目
やはりスタートダッシュでは分が悪く三角州を取られてしまう
だがそれも想定の範囲内
私は独り陸上競技場を囲む芝生を歩いていた
上で銃声が飛び交うがこちらからは全く様子が伺えない
「さてと」
「此処は一応フィールドの範囲内なんだよね」
左手を見ると芝生の急坂の上に低いブッシュが見える
足音を殺して進む
「この辺りかな?」
片手でSG1を抱えながら急な斜面を這い上る
ズルズルズル
半分登ったところで下までずり落ちてしまった
今度は左手で芝生を掴みながら這い上るとなんとかブッシュまでたどり着いた
「丸見えねw」
狙い通り三角州の真横を捉えたが3対1
ブッシュの根本に銃口を差し込みチャンスを待つ
ガチャカチッ
ガチャガチャカチッ
相次いで2人がマガジン交換に入った
その隙を逃さず凪払う
シュトトトン
シュトトトン
シュトトトン
瞬く間に3人を討ち取ると一気にブッシュを乗り越え三角州へと入る
シュドドドドッ
パカカカカッ
トタタタタタッ
「うにゃーーーーーーー!!」
直後に味方からの攻撃を受けるがブッシュを楯に辛くも遣り過ごす
すると3人がセーフティへ向かったのを見た味方が詰めてきた
「すまん敵やと思った」
「大丈夫か?」
「結構ヤバかったw」
直後にスタート地点付近から弾丸が飛来する
「ヒット」
「後は頼んだぞ!!」
的確にKが討ち取られ今三角州にいるのは私と鉄人とハンターの3人
ムーンは芝生の並木にいるようだ
敵方は韋駄天・クレリック・バンカーの3人を三角州で討ち取った
残るは姫とクレイン
スタート地点付近からこちらを撃ってきたのはおそらく初心者の姫だろう
絶対有効射程外からの掃射では当たるものではない
問題はクレイン
これまでクレインのM16の音は聞こえていない
味方も三角州方面を固めていたので沢筋は手薄になっている
中央通路を来ている可能性があるかな・・・
シュトンシュトンシュトン
「ヒットー」
言ってる傍からムーンのヒットコール
やはり沢から回り込まれたのだ
「鉄人ハンター一気に姫を襲うよ」
「ラジャー」
「なんか卑猥w」
「バカ言ってないで援護して!!」
銃声から目星をつけていた場所に牽制を入れながら大きく道路を渡る
同時に鉄人が芝生に入りブッシュの際を走る
ハンターは残り援護を続けていた
案の姫は定私に喰い付いた
シュトトトンシュトトトンシュトトトン
パココココッパココココッ
シュパパパンシュパパパンシュパパパン
街路樹を楯に交戦する
だがこれは時間稼ぎの囮に過ぎない
本命は・・・
「ヒット!!」
短い姫のヒットコール
M16は使わずにフリーズかサブウェポンで仕留めたのだろう
これが男連中なら迷わず撃つくせにw
ヒットコールと同時にスタート地点側へと走る
既にハンターは芝生からブッシュ際をこちらへ向かっていた
「さて」
「残りはクレインかな」
「みたいやな」
「ムーンがやられてたよな」
「スタート地点入れ替りやな」
今我々3人は上のスタート地点右手の芝生にいる
ここは沢まで斜面となっていて目の前は石垣が崖のように切り立っている
今隠れているブッシュを出ると左にアスファルトの道路右にはタイル張りの沢へ降りる中央通路
「俺は此処に残ってみるは」
「ならアタシは中央通路を下って下のスタート地点目指す」
「鉄人はどうする?」
「フォックスのフォローに入る」
「了解」
「3・2・1・Go!!」
手早く打合せを行いブッシュを飛び出す
私の後ろをひた走る鉄人はほぼ音がしていない
彼はゲームの時黒のニッカポッカに地下足袋を履いている
その為靴音はしないししなやかに障害物を越えていく
私も地下足袋試してみようかなぁ?
影の濃い稜線を選び闇を渡る
少し離れて追従する鉄人
階段広場を滑り降り奥のスロープを駆け上がりあっという間にスタート地点へと戻ってきた
「いないじゃん・・・」
「入れ違いか」
「三角州かな?」
「ハンターの所までは行ってないみたいやな」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
三角州取られたなぁ」
「陸上競技場から来るとはな」
「今度から気を付けなアカンね」
「お?」
「姫独りに3人がかりか」
「鬼やなw」
「ん?」
「誰か来たぞ?」
「下チームってまだ誰かいたっけ?」
「一般人か?」
「クレインや!」
「下から回ってきたんか」
「やるなぁ」
「中央から降りたな」
「沢が決戦場か・・・」
「3対1とは運が無いな」
「あれ?」
「また誰か来たで?」
「今度は2人や」
「一般人かな?」
「鉄人とフォックス?」
「なんでアイツらまで来るねんw」
「2人も中央から下りたな」
「まだかなぁ」
ガサガサッ
「うわっ!!」
「ブッシュから人出てきた!!」
「クレイン?」
「クレインってもしかして三つ子?」
「そんなわけ無いやろ」
「あ」
「芝生に入ってった」
「なんやあれ?」
「フォックス?」
「アイツも又なんで来るねんw」
「アイツ等回りすぎやろぉ」
「フォックスって恐ろしく全面投影面積小さいなぁ」
「チビやもんなw」
「その割に尻はデカそうやw」
ドッと笑いが巻き起こった
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
下のスタート位置から緩やかな坂を駆け上がる
敵影無し
銃声もしない
もしかして・・・・・・
素早く左手で合図を送る
三角州には寄らず中央通路を下り東屋の柱へ張り付く
一呼吸置いて鉄人も隣の柱へと倣う
「クレインおらんな」
「また回り込んでるかも知れない」
「アタシはもう一回下経由で三角州に向かう」
「鉄人はこのまま通路を伝ってハンターと合流して」
「了解」
「仲間撃ちに気を付けてね」
親指を立てる鉄人を横目に滑るように走り出す
スロープを上りブッシュの角へ
これで二度目か・・・
三角州へと目を向ける
怪しい影が道路を横切った
めっけ!!
陸上競技場側のブッシュに沿って屈みながらひた走る
クレインは三角州に少し留まると道路を渡り芝生へ入って行く
程なく三角州へ到着しようと言う瞬間不意に背後で笑いが起こった
南無三!!
狙いもソコソコに腰溜めでSG1のトリガーを引き絞る
だが一瞬早く笑い声に振り向いたクレインがこちらへ向けて乱射し始めた
シュガガガガガッ
シュガガガガガッ
左肩に激痛が走りあえなくリタイア
アスファルトに転がりながらヒットコールをあげた
「ひぇーーーーー」
「痛い痛い痛い痛い!!」
「クレインセーフティゾーン撃つな!!」
「ヒットヒットヒットヒットヒット!!」
「やめてくれぇーーーーー」
角度が悪く流れ弾でセーフティゾーンがデンジャーゾーンとなり阿鼻叫喚の地獄絵図と化す
シュタンッ
「ヒットー!!」
真横からの鉄人の一撃にクレインは沈んだのだった




