闇に紛れて
さっきにも増して意気消沈しているクレイン
ヤル気満々になっている鉄人
夜空を見上げて呆けているクレリック
「なんか・・・反則やわ」
韋駄天が呟くと同時に鉄人がやって来た
「フォックスってショットガンなんか持ってたか?」
静かにハードボーラーを抜いて見せる
「この銃ってさ」
「タンク弱いからいちいちガス抜きせんとアカンのよ」
「ほぅほぅ」
「ほんでな」
「危ないからマガジン抜いてガス抜きせなあかんねん」
「だから?」
「だからね」
「弾を込めたままガス抜きしたら全弾吐き出すから危ないねん」
「そう言うことねー」
鉄人は笑い出すとハードボーラーを弄くっていた
「マガジンは棒なんや」
「そうそう」
「ストッパー無いんか」
「それが欠点」
「一回しか使えんのやな?」
「そうそう・・・・・・」
「バレたかw」
「それでポケットに弾とボンベ入れてるんやなw」
ソコまでバレたか
「あははははははは」
「わははははははは」
「要は工夫と発想次第で強くなれるんやな?」
あ
なんか変なフラグ立った気がする
鉄人はひとしきり感心するとハードボーラーを返してくれた
「じゃあリベンジマッチな」
「ほえっ?」
「だから次も狐狩り」
「兎狩りの間違いでは?」
「フォックス狩るから狐狩り」
「ちょっと待った!」
「次は俺やりたい!」
クレイン・・・
さっきまで塞ぎこんでたのにどう言う風の吹き回しだろうか?
でも良い
やってやって♪
「なら2人で入るか?」
ちょっと待ってよー
今の良い流れだったじゃん?
「それ面白そうやなー」
なし崩しに2人で入る事になった
同じ戦法は使えないのでハードボーラーとショルダーホルスターは置いていく
正攻法?
それもアリか
確かこの辺に・・・・・・・
あったあった
デリンジャーの次に小さな銃と黒い筒を見付からないよう取り出しポケットに入れる
「COLT25AUTO」
通称コルトポケット
この銃にはお飾り程度のサプレッサーが付く
勿論スポンジ等で改造済み
今回は本気で隠れる事にした
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「フォックスはどうする?」
クレインの手にはM16が握られている
初心者と言うことで借りてきたのだ
「さっきは攻勢に出たから次は返り討ちにあうと思うんよねー」
「そうか・・・」
「同じ場所に隠れるとは思わんやろw」
「さっきの場所教えて♪」
それはそれで面白いかもしれない
手早く場所を教えると見付からないようにと念を押した
「あんな所に隠れてたんや」
「がんばるでー!」
言うや否や駆け出すクレイン
頑張ってね~
と見送るが
こうはしてられない
本気で隠れるが隠れただけではダメ
隠れた上で1人づつ狩る
ブッシュで1m程の棒を見付けるとそれを持って頂上へと急いだ・・・
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開始の笛の音と共に足音が重なる
なるほどなるほど
確かに油断はしてないね
パカッパカッパカッパカッ
パカッパカッパカッ
シュトッシュトッシュトッ
「あひぃ!!」
「ヒットー」
「うわぁーヤられてもた」
「何でわかったんや?」
「悪いけどセーフティから丸見えやった」
「嘘っ?」
「マジでっ?」
「悔しいなぁ」
「何もできんかった」
「・・・・・・・・・・」
「なぁ・・・」
「このまま狩人側に入ったらアカンかな?」
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
「エエんちゃう?」
「相手フォックスやしw」
「クレインも狩人に入ってええかー?」
鉄人が大声で聞いてきた
「なんでやーーーーーーー!!」
潜伏中にも拘らず思わず突っ込みを入れてしまう
「良いってよーーーw」
「なんでやーーーーーーーw」
「じゃあいくでぇーーーーー!!」
最早何も言うまい
大声で返事した所で此処がバレる事も無いだろう
安心してその時を待った
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ザカザカザカザカザカ
タシタシタシタシタシ
ザリッザリッザリッ
足音が重なる
3人か・・・
どうやら2手に別れているらしい
密集すると危ないのは学んだようである
少しだけ顔を出して覗いてみる
頂上から大階段へ向かう4人
4人目は芝生を歩いていたらしく足音に気付かなかった
プシュッ
「ヒット!」
短いヒットコールに戦慄が走る
辺りのブッシュを撃ちまくるが撃たれた場所がわからない
銃声に紛れもう1人
プシュ
「ヒットーー!」
とりあえず頂上が危ないと思ったのだろう
もと来た道を駆け戻る2人
ここは見付かりたくないのでスルー
すると左後方で話し声がする
「今のどこから撃たれたかわかったか?」
「全くわからへん」
声からすると鉄人とハンターか
向きを変えると2人の頭が見えた
「とりあえず大階段まで走ってみるか」
「援護頼む」
「俺が走った方が良くないか?」
「やられた時の事考えたら鉄人が残る方がいいやろ」
「了解」
どうやら囮を出すようだ
「行くぞ!!」
タッタッタッタッタッタッ
パカッパカッパカッパカッパカッ
ハンターが走り出し鉄人が掩護射撃で大階段横のブッシュを撃つ
プシュ
「ヒットーーーー」
それを見計らって迷わず独りになった鉄人を撃つ
「なにぃーーーーー」
ハンターが猛ダッシュで大階段へ向かうがすかさず撃ち抜くとハンターのヒットコールがこだました
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難なく4人を討ち取ることに成功した
やはり上手く隠れてサプレッサーを使うと反則的に勝率が上がる
ガサッ
カサカサ
タンタンタンタンタン
ズザッ
ジャリッ
右前方雑木林の中に人影を発見
同時に背後のスロープでも足音がする
この期に及んで分散したようだ
はて?
3人目は何処?
ハアッハアッハアッ
「何処や・・・・・・」
荒い息遣いが聞こえる
直線距離だと4mくらいか
それでももう少し慎重に息を吐かないとバレるよ?
身体を捻り左後ろを見ると頭らしきものが見える
迷わず撃つと返す刀で雑木林の影に2発撃ち込む
「ヒット!」
「ヒットヒットー!」
ほぼ同時に上がるヒットコール
残りは誰だ?
予想通りならば正面の大階段を昇ってくるはず
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相次ぐヒットコール
クレイン参戦のやり取りで山の頂上付近に居るのはわかった
だが素直にそのまま潜伏してるとも思えない
攻撃隊を2つに分けて捜索にあたったがスロープ方面が壊滅したのを受けて更にバラバラに頂上を目指した
だがどうだ?
銃声が聞こえないのに味方は次々と討たれている
フリーズコール?
6人全員をフリーズするなんて流石に無理があるだろう
となれば移動しながら潜伏しているのか・・・
ヒットコールから考えれば残るは自分1人だけ
大階段から向かうつもりだったが引き返し中階段へとたどり着く
周囲には誰もいない・・・・・と思う
上がるかどうかを悩んだがスロープを進む事にした
油断できない
首筋を冷や汗が伝い掌も汗で濡れている
細心の注意を払いスタート地点にたどり着く
とりあえずこれでフィールドの端を押さえた
フォックスが動いていなければ背後に回れている筈
このまま進むと狙い撃ちに合うかもしれない
ブッシュに入ろう
東屋に居なければ大階段から下りることにする
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遅いな
これは大階段諦めたな?
だとしたら・・・・・・・・
この潜伏場所を教えるつもりは無い
今のうちに移動しよう
音も無くスルスルと滑り降りると大階段を目指す
向かって左側を素早く下りると用心深く覗き見る
予想通り誰もいない
小走りで角まで来ると中階段方面を見やる
いた
中階段で立ち止まり・・・
こっちは見ない
相手が進むのに合わせて素早く距離を積める
入れ替りで中階段へたどり着くと呼吸を整えた
向こうは警戒しながらゆっくりと歩いている筈
スタート地点で立ち止まっている可能性を考えながら素早く追跡する
右前方に足音
ブッシュに入ったな・・・
静かにスタート地点を通り過ぎスロープ終点の壁に張り付く
東屋の柱にターゲット確認
歩き出すのを待とうか・・・・・・




