女狐は深夜に嗤う
「なんかあっという間やったな」
「手も足も出ん」
「俺・・・・・・」
「電動やったんやけど・・・」
セーフティに戻ると皆意気消沈していた
「フォックス」
「今まで手加減してたんか?」
不機嫌そうに鉄人が詰め寄って来る
「手加減って訳じゃ無いんやけどね」
「たまには刺激になって良いかなって」
「いつもあんな攻め方してたら毎回即死するってw」
「・・・・・・・・」
「ちょっと気が緩んでだ感はあったな」
なんだか良い方に解釈してくれたらしい
「でも連射出来るんが絶対的な強さにはならんのやなぁ」
「ハンドガンで蹂躙されたら立つ瀬無いわw」
「でも皆は初日やし良いんじゃない?」
「相手の雰囲気読んで臨機応変に動かなアカンのは良くわかった」
「と言うことで」
「次はフォックス独り対全員って事でw」
「にゃんですとぉ???」
「それは厳しいんじゃないのクレインさん?」
「あっ」
「それ僕もやってみたかった」
真っ先に韋駄天が賛成する
「俺もフォックスなら独りでも平気な気がする」
とクレリック
おいっっっ!!
「僕達は初心者やし♪」
両手を胸元で合わせてぶりっ子気味に賛成するハンター
「じゃあ決まりって事で」
鉄人が私の肩に手を置いて頷いた
ちょっと・・・・・
頑張りすぎちゃったかなぁ・・・
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流石にフルオートはやめて貰った
その上で私独りがフィールドに入り潜伏する
セーフティから何時ものように3・2・1と笛を吹いて開始となる
「兎狩り」と言うやつだ
どうしようかなぁ・・・
ガバメントは音が大きいので置いて来た
ベルトにヒップホルスターを追加してワルサーPPKを突っ込む
昔カスタムショップで購入したマルゼンの固定スライド式ガスガンである
サイクロンバレルに換装されハイパワーバルブを搭載したショップモデルでM645と同じく私の愛銃
M645と違いタンク内蔵型な為弾数に制限がかかるのが唯一の難点
安物のショルダーホルスターに腕を通しマルイで一番安いシリーズのガスガンである骨董品のハードボーラーを入れた
これで何とかなるかな?
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7対1
圧倒的不利な状況なのだが沸々と沸き上がる感情に笑みが溢れる
さぁ・・・
どう調理してやろうか
相手はセミオートとは言え電動が5人で過半数を占める
程度はともかく全てハイパワーカスタムされた極悪銃であり有効射程が30mとこのフィールドならば端から端まで狙撃出来ると言う事
早い段階で電動を殲滅できなければジリ貧必至
そしてハンターのハードボーラー
私のと違ってフルオートを持っている
後の2人はガシャポンのエアコッキングハンドガン
大した戦力ではないが油断は禁物
初手で数を減らした上に戦略を狭めない場所
通路を見渡せる下回りのブッシュに潜む事にした
初手に全てがかかっていると言っても過言では無い
見付からないようにブッシュを進み予定ポイントへ潜伏する
初手はハードボーラーを右手に持ち胸ポケットから取り出したデリンジャーを左手に
この2丁はホップアップが付いている
手持ちで一番小さなデリンジャーで狙撃と言うのは中々に面白い
慎重にブッシュを掻い潜り入り口から15mの地点まで戻って来る
この辺りまで来るとセーフティの会話が微かに聞こえてきた
「フォックスって経験者なん?」
「聞いてる限りだとそうではないみたいやけど・・・」
「趣味でいっぱい買ってたみたいやから射的とかはしてたかもねー」
うんうん
射的はしてたな
「あれだけ撃って当たらへんのも釈然とせんなぁ」
「上手くブッシュ使ってるからゾンビはしてないと思うけど・・・」
「ゾンビってなんや?」
「ルール説明した時自己申告って言ってたやん?」
「言ってた言ってた」
「ズルして当たったのにヒットコールせんのをゾンビっつて言うねん」
「マジか」
「あんな痛いの我慢とかマゾちゃうかw」
「ゾンビ対策でハイパワーになってる所もあるんよね」
「そうなんや・・・」
「おーぃ」
「もう10分以上たってたわw」
「マジかっw」
「待たせてしもたな」
「フィールドで寝てるんちゃうw」
「寝てたらオケツ撃ち抜いたるわ!!」
撃ち抜けるもんなら撃ち抜いてみなw
ニヤケ顔がおさまらない
マスクがあって良かった♪
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数と装備の優位性
更には10分以上の長話
油断している様が見てとれる
集団でゾロゾロとフィールドに入り右と左どうするかと話している
御生憎様
アタシはそんなに甘くない
既に構えていたハードボーラーの撃鉄を左手で押し込む
ブシャーーーッ
ハードボーラーに装填されたガスが一気に抜けきる
同時にマガジンに込められた15発の弾丸が吐き出された
それは散弾銃のように皆に襲いかかる
「ウワッなんや!!」
「えっ嘘やろっッ!!」
「ヒットーーーーー」
「くそーーーっヒットやーーーー」
パシンパシンパシンッ
パシンパシンパシンッ
「ヒットヒットーーー」
「くそっどこやっ?!」
シュドンシュドンシュドン
パカッパカッパカッパカッパカッ
ガチャパシンッガチャパシンッ
混乱して当たり構わず乱射し始める
静かにブッシュを移動しながらハードボーラーをホルスターへとしまいデリンジャーも胸ポケットへ
今の散弾とデリンジャーの狙撃で4人倒した
残るは・・・
M16のクレイン
クルツのバンカー
エアコッキングのK
韋駄天と鉄人を仕留められたのが幸運だった
電動が2人いても初心者なんて所詮烏合の衆
銃声が鳴り止まぬ内に山側へ抜ける
そのまま階段上まで来ると予測通り階段の端に隠れ乱射するクレインとバンカー
1人上から回ろうとしたKと目が合う
「!!!」
声をあげる暇さえ与えず左手のPPKで撃ち抜く
パシュッ
「ヒット!!」
そのまま刈り取るのも芸がないので即座に反転してスロープへ走り去る
「クソッ上かっ!!」
刹那階段上を弾丸が襲うが既に誰もいない
スロープを駆け抜け階段側を覗き見る
2人は階段方面を撃ちながら此方へと走ってくる
タキンタキンタキンッ
右手のM645を撃つとヒットコールも聞かずもと来た道を駆け戻る
「ヒット!!」
「嘘やろ?!」
スロープ途中からブッシュに入りショートカットして頂上の東屋を伺う
すると案の定逃げてきたクレインが隠れていた
ビンゴ♪
ゆっくりと両手を構える
全ての残弾を叩き込んだ




