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第八十四話

第84話

闇の目的


グラン街道。

戦いが終わった後、

王国兵たちは負傷者の手当てをしていた。

黒月の兵は撤退し、戦場には静けさが戻っている。

リュカは石の上に座っていた。

「疲れた……」

エリシアが水を渡す。

「お疲れ」

リュカは笑った。

「ありがとう」

ガルヴァンは

倒れたヴァルグの鎧を見ていた。

「重い」

バルドックが言う。

「いい装備だな」

セレスティアは

ヴァルグの剣を調べている。

「黒い魔石……」

「特殊な魔導装備です」

セラフィーナが言う。

「闇の力が強い」

アルベルトは

ヴァルグの体を見下ろしていた。

黒月将軍。

その男の腰に

小さな袋があった。

アルベルトはそれを開く。

中から巻物が出てきた。

リュカが聞く。

「何?」

アルベルトは巻物を広げた。

地図だった。

王国の地図。

だがいくつかの場所に

黒い印がついている。

セレスティアが覗き込む。

「これは……」

驚いた声。

リュカも見る。

印の場所。

王都。

北の砦。

東の都市。

そして

もう一つ。

王国の中央。

大きな山。

セラフィーナが小さく言った。

「聖峰アウレリア」

王国で最も神聖な山。

大神殿がある場所。

エリシアが言う。

「聖女の聖地だよね」

セラフィーナの表情が少し変わった。

「はい」

アルベルトが地図を見る。

「黒月は」

「この山を狙っている」

バルドックが言う。

「なんでだ?」

セレスティアが言う。

「聖峰アウレリアには」

「古代魔法の遺跡があります」

リュカが驚く。

「遺跡?」

セレスティアは頷いた。

「伝説級の魔力が眠っていると言われています」

セラフィーナが静かに言う。

「世界の均衡の地」

空気が少し重くなる。

アルベルトが巻物を閉じた。

黒月。

王都。

戦争。

そして

聖峰アウレリア。

アルベルトは言った。

「王都へ戻る」

リュカが聞く。

「次の戦い?」

アルベルトは頷いた。

「決戦だ」

黒月の目的。

それは

王国の聖地だった。

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