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第八十三話

第83話

赤の連撃


グラン街道。

戦場の中央。

黒月将軍ヴァルグが巨大な剣を振り上げた。

「黒月斬!」

黒い斬撃が走る。

地面を裂きながら

一直線に迫る。

アルベルトが叫ぶ。

「散開!」

七人が跳ぶ。

ズドォン!!

街道が砕ける。

リュカが息を呑む。

「すごい……」

ヴァルグが笑う。

「逃げるだけか?」

ガルヴァンが前に出る。

「違う」

大剣を振り上げる。

ドォン!!

剣がぶつかる。

ヴァルグが少し押される。

「ほう」

その隙。

アルベルトが斬り込む。

ザシュ!

鎧に傷。

ヴァルグが唸る。

「小賢しい!」

バルドックが爆弾を投げた。

ドォン!!

煙が広がる。

エリシアが叫ぶ。

「今!」

リュカが頷いた。

短剣を握る。

赤い魔石が光る。

「はやあし!」

赤い光。

一瞬で接近。

リュカが叫ぶ。

「赤火!」

炎が飛ぶ。

ヴァルグの視界を覆う。

続けて

「紅雷!」

雷撃が走る。

ドォン!!

鎧がさらに割れる。

セレスティアが驚く。

「連続魔法!」

リュカは止まらない。

風を感じる。

エリシアの魔法。

その流れを使う。

「紅嵐!」

炎と雷の嵐。

衝撃波が広がる。

ヴァルグが初めて大きく後退した。

ガルヴァンが言う。

「効いてる」

アルベルトが叫ぶ。

「今が好機!」

七人が同時に動く。

ガルヴァンの大剣。

アルベルトの剣。

バルドックの斧。

セラフィーナの聖光。

そして

リュカ。

短剣を掲げる。

赤い魔力が集まる。

リュカが叫んだ。

「紅刃旋!!」

赤い刃の嵐。

ザン!!

ヴァルグの鎧が砕けた。

男が膝をつく。

重い音。

戦場が静まる。

ヴァルグは笑った。

「見事だ」

アルベルトを見る。

「王子」

そして

リュカを見る。

「赤魔法……」

男は倒れた。

黒月将軍ヴァルグ。

戦場の中央で

動かなくなった。

王国兵が叫ぶ。

「勝ったぞ!」

戦場の流れが

一気に変わる。

黒月兵が撤退し始めた。

リュカは息を整える。

エリシアが駆け寄る。

「リュカ!」

「大丈夫?」

リュカは笑った。

「うん」

南街道の戦い。

それは王国軍の勝利で終わった。

だが、アルベルトは空を見ていた。

黒月。

まだ終わっていない。

戦争は続いている。

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