第八十二話
第82話
黒月将軍
グラン街道。
戦場の中央。
黒鎧の男が立っていた。
巨大な剣。
重い鎧。
黒月将軍ヴァルグ。
男はゆっくり剣を振った。
ブン……
空気が唸る。
バルドックが呟く。
「でけえな」
ガルヴァンが言う。
「強い」
ヴァルグが笑った。
「王子」
アルベルトを見る。
「いい獲物だ」
次の瞬間。
地面を蹴る。
ドォン!!
一瞬で距離を詰めた。
アルベルトの剣が上がる。
ガン!!
衝撃。
アルベルトが数歩下がる。
リュカが驚く。
「速い!」
ヴァルグが笑う。
「弱い」
ガルヴァンが前に出た。
「俺」
大剣同士がぶつかる。
ドォン!!
重い音。
ガルヴァンが踏みとどまる。
「重い」
アルベルトが叫ぶ。
「連携!」
バルドックが爆弾を投げる。
ドォン!!
爆煙。
エリシアが魔法を放つ。
「ウィンドカッター!」
風の刃。
だが
煙の中から剣が振り下ろされる。
ザン!!
地面が裂けた。
セレスティアが叫ぶ。
「防御が高い!」
セラフィーナが光を放つ。
「神護!」
仲間に光の加護。
その時。
リュカは考えていた。
赤魔法。
黒魔法。
白魔法。
ヴァルグの動き、
ガルヴァンが叫ぶ。
「隙」
ほんの一瞬。
リュカが走る。
「はやあし!」
赤い光。
一瞬で背後へ。
短剣を掲げる。
「紅雷!」
雷撃が走る。
ドォン!!
ヴァルグの鎧が割れる。
「ぐっ……!」
男が初めてよろめいた。
アルベルトが叫ぶ。
「効いた!」
バルドックが笑う。
「いいぞ嬢ちゃん!」
ヴァルグはゆっくり振り向いた。
目が燃えている。
「面白い」
巨大な剣を掲げる。
黒い魔力が集まる。
セレスティアが叫ぶ。
「危険!」
ヴァルグが叫んだ。
「黒月斬!」
巨大な黒い斬撃。
戦場を切り裂く。
アルベルトが剣を構える。
「来るぞ!」
南街道の戦場。
黒月将軍との戦いはまだ終わらない。




