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第七十九話
第79話
不穏な静けさ
王都ルミナリア。
黒月の事件から三日が経っていた。
王城の中庭。
朝の光が静かに差している。
リュカはベンチに座っていた。
少し伸びをする。
「平和だね」
エリシアが笑う。
「そうだね」
ガルヴァンは木陰で腕を組んでいる。
「静か」
バルドックが酒瓶を揺らした。
「戦いの後はこうじゃないとな」
セレスティアは本を読んでいる。
「黒月の魔法陣……」
「まだ解析中です」
セラフィーナは祈りをしていた。
アルベルトは空を見上げている。
王都の空は青く澄んでいた。
だがその時、兵士が走ってきた。
「アルベルト殿下!」
アルベルトが振り向く。
「どうした」
兵士の顔は青かった。
「報告です」
「北の砦が襲撃されました」
空気が変わる。
リュカが立ち上がる。
「襲撃?」
兵士は続けた。
「黒月です」
セレスティアが顔を上げた。
「もう動いている……?」
兵士はさらに言った。
「それだけではありません」
「東の都市でも」
「同じ報告が」
バルドックが眉をひそめる。
「同時か?」
ガルヴァンが言う。
「戦争」
アルベルトの表情が変わる。
黒月。
闇の組織。
だが今の報告は
ただの暗躍ではない。
王国への攻撃。
アルベルトは静かに言った。
「始まったか」
リュカが聞く。
「何が?」
アルベルトは答えた。
「黒月の戦争だ」
王都の空は
まだ青かった。
だが、王国の各地で戦いの火が
確実に広がっていた。




