第七十八話
第78話
王都の夜明け
王城前広場。
空には黒い結界。
その中心に黒月幹部レイヴァンが立っていた。
だがローブは破れ、体には傷が増えていた。
アルベルトが剣を構える。
「もう終わりだ」
レイヴァンは小さく笑った。
「そうかな」
杖を掲げる。
黒い魔力が集まる。
セレスティアが叫ぶ。
「大魔法です!」
セラフィーナが言う。
「結界と繋がっています」
レイヴァンが唱える。
「ダークテンペスト」
黒い嵐が広がる。
広場を覆う闇の嵐。
ガルヴァンが大剣を突き立てる。
「耐える」
バルドックが叫ぶ。
「派手だな!」
エリシアが光を放つ。
「ウィンドシールド!」
風の壁。
だが嵐は止まらない。
リュカは空を見た。
黒い結界。
そして
自分の魔力。
白。
黒。
赤。
胸の奥で
三つが混ざる。
リュカが呟く。
「終わらせる」
アルベルトが振り向く。
「リュカ」
リュカは短剣を掲げた。
赤い光。
そして
さらに強い光。
炎。
雷。
風。
三つの力が
一つになる。
セレスティアが息を呑む。
「赤魔法……」
リュカが叫んだ。
「紅刃旋!!」
赤い刃の嵐が
空へ走る。
炎の刃。
雷の光。
風の回転。
それが
闇の嵐を切り裂いた。
ドォォン!!
レイヴァンの魔法が崩れる。
「な……!」
アルベルトが走る。
「今だ!」
剣が振り下ろされる。
ザン!!
レイヴァンの杖が折れた。
男は膝をつく。
空の結界が
ゆっくり崩れていく。
黒い光が消える。
静寂。
王都の空に
星が戻った。
レイヴァンは笑った。
「……見事だ」
リュカを見る。
「赤魔法」
「やはり面白い」
そして
小さく呟いた。
「だが」
「黒月は終わらない」
兵士たちが駆けつける。
騎士団。
レイヴァンは拘束された。
夜が静かになる。
エリシアがリュカに駆け寄る。
「リュカ!」
「怪我ない?」
リュカは笑った。
「大丈夫」
バルドックが笑う。
「勝ったな」
ガルヴァンも頷く。
「終わり」
セラフィーナが空を見た。
「均衡が戻りました」
アルベルトは王都を見渡した。
黒月。
まだ謎は多い。
だが王都は守られた。
リュカが空を見上げる。
夜が終わり、東の空が少し明るくなっていた。
王都ルミナリア。
その夜は静かに明けていく。




