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第七十二話

第72話

地下の魔法陣


王都ルミナリアの古い地区。

石畳の通りの奥。

七人は古びた建物の裏へ来ていた。

アルベルトが言う。

「入口はここだ」

地面の鉄蓋、地下通路へ続く入口。

バルドックが蓋を持ち上げる。

ギィ……

冷たい空気が流れてきた。

リュカが言う。

「また地下だね」

エリシアが少し笑う。

「最近多いね」

ガルヴァンが先に降りる。

「暗い」

エリシアが杖を掲げる。

「ライト」

白い光で地下通路が照らされた。

古い石壁、水が少し流れている。

セレスティアが周囲を見る。

「この辺りは」

「古い都市構造ですね」

セラフィーナが言う。

「魔力を感じます」

アルベルトが頷く。

「奥だ」

通路を進む。

曲がり角を一つ。

そして

広い空間に出た。

そこには何かが描かれていた。

床いっぱいに広がる

黒い魔法陣。

リュカが息を呑む。

「大きい……」

セレスティアが驚く。

「これは……」

膝をついて調べる。

魔力の線。

複雑な紋様。

そして

中央の黒い印。

三日月、黒月の紋章。

セレスティアが言う。

「間違いありません」

「黒月の魔法陣です」

バルドックが眉をひそめる。

「こんなでかいの」

ガルヴァンが言う。

「一つじゃない」

アルベルトが頷く。

「王都中にある」

リュカが地図を思い出す。

赤い印。

王都の各地。

セラフィーナが静かに言った。

「繋がっています」

セレスティアが顔を上げる。

「魔法陣ネットワーク」

王都中の地下に

複数の魔法陣。

それが繋がるとしたら――

アルベルトが低く言った。

「巨大魔法だ」

エリシアが小さく言う。

「王都全部?」

その時。

魔法陣の中央がわずかに光った。

黒い光。

ガルヴァンが言う。

「来る」

影が動いた。

通路の奥から黒いローブの人物が現れる。

一人ではない。

三人。

リュカが短剣を握る。

「黒月……」

その一人が言った。

「見つかったか」

低い声。

だが

どこか余裕があった。

アルベルトが剣を構える。

「ここで止める」

王都の地下。

巨大な魔法陣。

そして

黒月の魔導師たち。

戦いが始まろうとしていた。

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