第六十六話
第66話
王城の騒ぎ
王都ルミナリア。
冒険者ギルドへ向かう途中。
王城の方向から
兵士たちが走っていた。
鎧の音が響く。
明らかに
普通の様子ではない。
バルドックが腕を組む。
「騒がしいな」
ガルヴァンが言う。
「兵士多い」
エリシアも少し心配そうだった。
「何かあったのかな」
その時。
兵士の一人が
アルベルトを見て止まった。
「アルベルト殿下!」
慌てて敬礼する。
アルベルトが聞く。
「何があった」
兵士は少し迷ったが
すぐ答えた。
「王城で事件です」
リュカが驚く。
「事件?」
兵士が続ける。
「王城の地下で」
「侵入者が確認されました」
空気が少し変わる。
ガルヴァンが低く言う。
「侵入?」
バルドックも眉をひそめた。
「王城にか?」
王城は
王国で最も警備が厳しい場所だ。
普通の盗賊が入れる場所ではない。
セレスティアが小さく言う。
「目的は……」
セラフィーナが静かに言った。
「何かを探している」
アルベルトが兵士に聞く。
「侵入者は?」
兵士は首を振った。
「まだ捕まっていません」
「地下通路に逃げました」
アルベルトの目が鋭くなる。
地下通路。
王城の地下には
古い通路が多く残っている。
迷宮のような場所もある。
バルドックが笑った。
「ダンジョンじゃないか」
ガルヴァンが言う。
「逃げやすい」
エリシアがアルベルトを見る。
「どうするの?」
アルベルトは少し考えた。
そして答える。
「行く」
短い言葉。
だが迷いはなかった。
兵士が驚く。
「殿下?」
アルベルトは言った。
「侵入者を放置できない」
王城。
王国の中心。
そこに入った者がいる。
それは
ただの盗賊ではない。
アルベルトは七人を見た。
「力を貸してくれ」
リュカはすぐ頷く。
「もちろん」
バルドックが笑う。
「面白そうだ」
ガルヴァンも言う。
「問題ない」
セレスティアが眼鏡を押さえる。
「地下構造も興味あります」
エリシアが少し笑う。
「研究者だね」
セラフィーナも静かに言った。
「世界の均衡に関わるなら」
「私も」
アルベルトは頷いた。
「決まりだ」
七人は
王城へ向かう。
そして
その地下に潜む
新たな影に
まだ気づいていなかった。




