第六十五話
第65話
王都帰還
北部山岳地帯。
山を下りた七人は
再び街道を歩いていた。
リュカは空を見上げる。
青い空。
数日前まで
あの山の奥に
ドラゴンがいた。
少しだけ不思議な気持ちだった。
バルドックが荷物を揺らす。
「龍の鱗は重いな」
ガルヴァンが言う。
「価値は高い」
セレスティアは少し興奮していた。
「研究院が驚きます」
「龍種の素材ですよ」
エリシアが笑う。
「確かに」
「なかなか見ないよね」
セラフィーナは静かに言った。
「山の均衡も戻りました」
聖女の言葉通り
周囲の魔物の気配は減っていた。
アルベルトは前を歩いている。
街道の先。
白い城壁が見えた。
王都ルミナリア。
リュカが嬉しそうに言う。
「帰ってきた」
バルドックが笑う。
「やっぱ都会はいいな」
ガルヴァンが言う。
「静かな山の方がいい」
セレスティアが苦笑した。
王都の門が近づく。
兵士たちが立っていた。
アルベルトを見て
一瞬驚いた顔をする。
だがすぐに敬礼した。
「お帰りなさいませ」
アルベルトは軽く頷いた。
リュカが小声で聞く。
「やっぱり王子って大変?」
アルベルトが少し笑う。
「慣れないな」
王都に入る。
街は相変わらず賑やかだった。
商人。
冒険者。
馬車。
人の声があふれている。
エリシアが言う。
「まずはギルド?」
アルベルトが頷いた。
「依頼の報告だ」
七人は冒険者ギルドへ向かう。
だが
その途中。
王城の方向で
何か騒ぎが起きていた。
兵士が走っている。
バルドックが眉を上げる。
「なんだ?」
ガルヴァンが言う。
「ただ事じゃない」
アルベルトの表情も変わった。
王城。
王国の中心。
そこに
何かが起きている。
そして
それは
七人の新しい戦いの始まりだった。




