第五十二話
第52話
新しい仲間
王都ルミナリア。
地下水路。
戦いは終わっていた。
影の巨人は消え
黒い魔法陣も崩れている。
アルベルトは周囲を確認した。
「魔物の気配はない」
ガルヴァンが頷く。
「終わったな」
バルドックが肩を回す。
「いい運動だった」
リュカは少し息を整えていた。
エリシアが近づく。
「大丈夫?」
「無理してない?」
リュカは小さく笑う。
「うん」
エリシアが安心した顔になる。
その時。
セラフィーナが静かに言った。
「王都は守られました」
白いローブが揺れる。
聖女は周囲を見ていた。
「ですが……」
アルベルトが聞く。
「逃げた黒魔導師か」
セラフィーナは頷いた。
「はい」
「また現れるでしょう」
バルドックが笑う。
「その時はまた叩くだけだ」
ガルヴァンも低く言う。
「次は逃がさない」
アルベルトが剣を収めた。
「地上に戻ろう」
王都ルミナリア。
朝。
大神殿の広場。
事件の報告が終わっていた。
神官たちが忙しく動いている。
セラフィーナはリュカの前に立っていた。
「ありがとう」
静かな声。
「あなたのおかげです」
リュカは少し慌てる。
「私だけじゃないよ」
「みんなのおかげ」
エリシアが優しく言う。
「そうだね」
セレスティアも頷いた。
「すごい戦いでした!」
セラフィーナは少し考えた。
そして言った。
「お願いがあります」
アルベルトが聞く。
「何だ」
セラフィーナは真っ直ぐ言った。
「私も」
「あなた達と旅をしたいのです」
リュカが驚く。
「え?」
神殿の聖女が
冒険者と旅をする。
普通ならありえない。
だがセラフィーナは続けた。
「赤魔法」
「そしてこの事件」
「世界の均衡が動いています」
光輪神アウレリアの教え。
世界の均衡。
その言葉に
リュカは少し胸がざわついた。
アルベルトは少し考えた。
それから笑う。
「歓迎する」
バルドックが笑う。
「仲間が増えたな」
ガルヴァンも頷いた。
「強い」
セラフィーナは少し嬉しそうに微笑んだ。
リュカはその顔を見て思った。
聖女なのに
とても普通の女の子みたいだ。
エリシアが言う。
「これからよろしくね」
セラフィーナが軽く頭を下げる。
「はい」
こうして
赤魔法使い
王子
白魔法師
獣人戦士
ドワーフ
魔導研究者
そして
聖女。
七人の旅が
静かに始まろうとしていた。
その旅は
やがて
世界の運命を変えることになる。
まだ誰も知らない。
その先に待つ
大きな戦いを。
そして――
赤魔法の本当の意味を。




