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第四十八話

第48話

地下の気配


王都ルミナリア。

西地区の住宅街。

シャドウの魔物は消えた。

だが。

空気にはまだ不気味な気配が残っている。

セラフィーナは石畳を見つめていた。

黒い魔力の痕跡。

アルベルトが聞く。

「分かるか」

セラフィーナは静かに答えた。

「ええ」

「これは自然発生ではありません」

リュカが首をかしげる。

「誰かが作ってるって言ってたよね」

セラフィーナが頷く。

「はい」

「魔物を生み出す魔法」

「かなり高度な黒魔法です」

エリシアの表情が少し厳しくなる。

「王都の中でそんなことを……」

その時。

ガルヴァンが地面にしゃがんだ。

指で石畳を触る。

「……下だ」

バルドックが聞く。

「下?」

ガルヴァンは頷く。

「魔力の流れ」

「地面の下に続いてる」

アルベルトの目が鋭くなる。

「地下か」

王都の地下には

古い水路や通路がある。

古い都市にはよくある構造だ。

リュカが少し不安そうに言う。

「地下って……暗そう」

バルドックが笑う。

「ダンジョンみたいなもんだ」

ガルヴァンが続ける。

「さっきのシャドウ」

「強さが揃ってた」

アルベルトが聞く。

「どういう意味だ」

ガルヴァンは答える。

「自然発生なら」

「強さがバラバラになる」

「でも」

「さっきのは同じだった」

エリシアが気付く。

「つまり……」

ガルヴァンが言う。

「誰かが作ってる」

セラフィーナも頷いた。

「同じ結論です」

静かな緊張が走る。

アルベルトは少し考えた。

そして言う。

「地下を調べる必要がある」

リュカが短剣を握る。

新しい魔導短剣。

赤い魔石がかすかに光っている。

「行くの?」

アルベルトは頷いた。

「明日だ」

「準備してから潜る」

バルドックが笑った。

「久しぶりのダンジョンだな」

ガルヴァンが小さく言う。

「違う」

皆が見る。

ガルヴァンは地下の暗闇を見ていた。

「誰かいる」

低い声。

「嫌な気配だ」

王都ルミナリア。

その地下で

何かが動いている。

まだ誰も知らない。

その存在が

王都を揺るがす敵になることを。

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